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我慢比べの勝者は?:速報レビュー ラグビー早明戦(12月5日)

 今日は秩父宮でラグビー早明戦。今日はフロンターレの優勝報告会もあったが、12月第1日曜は何があろうと早明戦が最優先。仮に天皇杯があっても早明戦を優先させただろう。

 席は伊藤忠側、デッドボールラインより後ろという厳しい席。

 ただトライは撮れるよな、と思っていたら最後にシャッターチャンスがやってきた。

 最終スコアは17-7(前半10-7)で早稲田の勝利。最近ではあまり見ないロースコアの凌ぎ合いでもあった。

 今年の対抗戦グループでは、早稲田と明治がともに帝京に屈し、既に帝京の優勝が決まっている。そのためこの試合はどちらが2位かを決めるもの。ただ、早慶戦を見た感じ、早稲田の仕上がりが去年に比べて遅いと感じたので、長田主将の欠場もあり、実は早稲田の大敗を覚悟して観戦に向かった(私は早稲田派です)。

 前半に明治が先制。




早稲田がPGで点差を詰め、明治のミスに乗じて逆転トライ。

後半は明治の猛攻を凌ぎきり、最後に突き放すトライを決めて早稲田が勝利した。


ポイント1:早稲田ディフェンスのディシプリン

 試合のポイントは3つほどあるだろうか。

 1つは早稲田のディシプリンの高さだ。特に後半は明治がボールを支配する時間が長く、早稲田陣でのディフェンスが長く続いた。しかし、そのディフェンスの時間に反則を犯さず耐えきった。
 明治側が反則を犯してボールを失ってしまったこともあるし、ターンオーバーから攻め返したこともあった。

 最後のトライは、明治が連続攻撃の中で犯したノックオンからボールを奪い、そこから攻め返して奪ったものだ。

 特に明治のようなフォワードが強いチームに連続攻撃を受けている場合、ディフェンス側はペナルティを犯してしまうことが多い。
 しかしペナルティを犯すと、アドバンテージから思い切った攻撃を受けるか、ラインアウトを取られてモールからのトライを献上するか、PGで3点を失ってしまう。
 そうこうしているうちに点差が開いてしまうのだが、今日の早稲田はペナルティを犯さず守り切ることができた。やはりペナルティを与えないことは重要。
 早稲田はペナルティが少ないわけではなかったが、ほとんどがスクラムでのコラプシング。この日はスクラムで明治が圧倒した。

 それはそれで問題なのだが、フェイズの中でペナルティが少なかったのは大きかった。

ポイント2:明治アタックの「焦り」?

 2つ目は明治のアタックに「焦り」が感じられたことだ。

 かなり早いフェイズでライン際までボールを動かす。ライン際の外のチャンネルはディフェンスも薄いからある程度前進できるが、そこに行くまでのパスで後ろに下がっているから、ブレイクダウン自体はゲインラインを越えられていないことが多い。
 しかも敵も少ないが味方も少ないので、オフロードでつなぐことが難しく、タックルで捕まるとラックを作るしかない。

 ただ、去年から明治はこう言う攻撃を時々仕掛けていた。

 早めにオープンサイドのライン際までボールを運んでブレイクダウン、捕まったときに折り返しの近いチャンネルにフォワードをおいて突破する組み立てだ。

 ただし今日は、早稲田はそれを読み切っていたようで、素早くフォワードをディフェンスに配置。明治が突破しようとするポイントでダブルタックルを仕掛けて止める。

 全般的に、明治の仕掛けるポイントが早稲田に読まれていたようでもあった。後半はワイドな展開を控えたが、それでも抜きに行くポイントでダブルタックルを受けていた。

 その1つの理由は、ダブルラインを有効に使えていなかったこと。なので早稲田はタックルのポイントを絞り込むことができた。

 ただ、席の関係できちんと観察できなかったのでこれについてはまた詳しくレビューするときに。

ポイント3:早稲田のアタック

 3つめは早稲田のアタック。結局トライを取ったのは2つともターンオーバーからだったが、アタックもきちんと機能していた。

 特にダブルライン。フロントドアの9シェイプがまっすぐ当たるコースで走っているタイミングで同時にバックドアを移動攻撃で形成して、10シェイプとなって横に流れていく形があり、そこで上手くタックルをずらしてゲインできていることがあった。

 大学選手権で帝京と当たることを考えたとき、帝京はバックドアに対して詰めてタックルを仕掛けてくるから、この9シェイプの縦の動きと10シェイプの横の動きのコンビネーションの熟成は対帝京戦では鍵になるだろう。


正月を迎えられるのは片方だけ・・・・

 今年は早明とも新監督の一年目。そうだからか、去年の早明戦に比べると、双方ともに熟成がまだまだと感じる。早明双方とも、去年のこのタイミングのチームと今戦ったら負けるのではなかろうか。
 ただ、早稲田のディシプリンの高さ、明治のシンプルな攻撃と、新監督の色は十分感じられる試合でもあった。

 とても簡単な要約の仕方だが、あえて言ってしまえば、これこそ早明戦、と言うことだろうか。中盤の明治の突進、それをひたすら止める早稲田の攻防は実に見応えがあった。
 ただミスも多く、双方ともに帝京に苦杯をなめた理由はわかる試合でもあった。

 大学選手権。明治は初戦で天理と当たるが、それを突破すれば早明再戦となる。今年は早明の片方しか正月を迎えられない。帝京への挑戦権をかけたその戦い。今日と同様に簡単な試合にならないことは確かだろう。