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「悔しい」と思えることの幸せ:一年前の今日は・・・・。

この試合の悔しさは、一年たっても忘れていない。何度も思い出すし、何度も見直した。
「ここがああなっていたら何対何だった」「あそこがこうなっていたら・・・・」ということをこの一年、何回思ったことか・・・・・。


けれど、スプリングボクス相手に負けて「悔しい」と思えるなんて、2015年大会よりも前だったら想像もできなかった。仮に「ブライトンの奇跡」が起こらず、負けていたとしても、悔しいとは思わなかっただろう。「ブライトンの奇跡」の意味は、「どんな強い相手にも勝つ気で戦う」と言うことを今更ながら教えてくれたことにある、と改めて思う。

夢の潰えた日

一年前の今日は、ラグビーワールドカップ、日本対南アフリカ戦の日。この週末は準々決勝。

準々決勝の4試合は2試合が大分、2試合が東京スタジアムということになっていて、東京の試合は2試合とも切符を取った。

日本がプールAの2位だったら土曜、1位だったら日曜が試合。当たり前だがどちらになるかはわからない。ただ、プールBはニュージーランドと南アフリカが同居している組。なのでいずれにしてもどちらかが出てくることは確実なので、万万が一ジャパンがプール敗退してもラグビーとしては非常に魅力的な試合になるのは確実だったから、両方取ってしまった。

土曜の試合は家族4人で観戦。日曜はプレミアムシートを取ってお一人様観戦。結果的に、ジャパンの試合がお一人様観戦になった。

さすがのプレミアムシートで、非常にいい席だった。

お弁当もおいしかった。

この日もカメラは持って行かず、試合に集中。

Three more games!

試合前のスペクテータープラザで書いてもらったハリセン(?)。デフォルトは、テレビでもよく写っていた「TRY」。

けれど、スタジアムの各所に、頼んだメッセージを書いてくれるところもあった。

この試合、何を書いてもらうか。少し考えて決めた。

「Three more games!!!」と。

準々決勝に勝てれば後は準決勝と決勝ないし3位決定戦。つまり勝てさえすれば、この試合と合わせて3試合戦うことになる。「勝ってくれ」という願いを込めてこういうメッセージにした。

後ろに並んでいた人も「これいいですね。自分もそうします」と言ってくれたので、なかなかのセンスではないかと思っている(笑)。

格上にミスは禁物

試合そのものは今更レビューしても仕方ないので細かいことは書かないが、やはり格上相手にミスを連発しては勝てない、というあらゆるスポーツの鉄則が当てはまる試合だった。


前半5分、もし、田村がスローフォワードしなければ・・・・。(スプリングボクスの先制トライは田村のスローフォワードでもらったスクラムからだ)

前半22分、左ライン際を突破した福岡堅樹が内にサポートについていた松島幸太朗にオフロードパスを出せていたら・・・・。(松島はしっかり内を走っていたので、パスを出せればトライだった。スコットランド戦の1本目のトライと同じ組み立て。ただ、福岡にタックルに行ったデアリランディはオフロードできないように手を押さえながらタックルしている。それだけスプリングボクスがジャパンを研究していたということ。あるいはタックルに来たフルバックの内を走るのではなく、外に躱していれば、1人でインゴールまで走れていたと思う)

ハイタックルをもっと気をつけていれば・・・・。(スプリングボクスの2つめのトライはジャパンのハイタックルでもらったペナルティからのラインアウトが起点だ)

この悔しさ。忘れない。145点取られたときの悔しさとはまた違う。けれど、悔しかった。ただただ悔しかった。

Field of Athenry 対 オールブラックスのハカ

一年前の10月19日はニュージーランド対アイルランド。

なんとアイルランドは3試合目。もう普通にIreland's Callを一緒に歌ってしまう。

個人的にはアイルランドとの縁は、2002年サッカーワールドカップに遡る。

唯一当選したチケットが新潟でのアイルランド対カメルーンだった。あのときは、ギネスの缶を余計に買って上越新幹線に乗り込み、乗り合わせたアイリッシュたちと飲んだんだった。

さて、この試合。アイルランドが序盤にキックミスをしたことがきっかけで流れができ、予想外の大差の試合になった。

この試合の最大の思い出は、やはり試合前のハカ。

ハカに対して、観客がアイルランドの応援歌「Field of Athenry」を歌ってかき消した。自分も隣のアイリッシュと一緒に歌った。

多くの日本人の観客は、静かにハカを鑑賞したかったようで、いろんなところから「シー」という音が聞こえてきたが、国際的なラグビーの試合では、ハカの間にブーイングが起こることだってしばしばある。

これだけアイリッシュがいる試合であれば、歌でかき消されるのは当然といえば当然のこと。自分も喜んで加担した(笑)。

点差も開き、アイルランドにとっては見せ場があまりない、残念な試合だった。

試合が終わってから、隣のアイリッシュの彼に、娘の自作のアイルランドの旗を見せたら、とても喜んでくれた。一緒に写真も撮った。

自分は、1990年代前半のアイルランドのジャージを着ていったら、何人かのアイリッシュが喜んで声をかけてくれた。

試合の後、アイリッシュたちと戦評を語り合う。「ジャパンのラグビーは好きだ。明日は勝てよ」と激励もされながら。

ああ、楽しかったなあ・・・・・。