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それでもボクは舞台に立ちたい。

どうも。博多佐之助です。

さてさて、本日の西野亮廣エンタメ研究所にて西野さんが「舞台についての未来」について書いた記事が投稿されました。

記事の詳細について、口外するのは禁止されているのですが読んで自分なりの舞台への想いを吐き出したくなったので今回は舞台役者としての想いというテーマでお話したいと思います。

経験としての舞台出演

ボク自身、舞台に立って演劇をした経験というのは多くありません。今でもTwitterの舞台の主催者から出演のDMが来たりもします。舞台に立って演劇をすることは大好きなので可能なら全部引き受けたいぐらいですが、全てお断りしています。

理由は身の蓋もない言い方をすると「お金にならないから」

ボク自身の実力から言って、お金を貰える立場ではないかもしれませんので、生意気な意見かもしれませんが、ボクは役者として生きていきたいので、そこはハッキリ主張させていただきたい。

あと、DMをくれる主催者の大半は作品の素晴らしさについては伝えるものの、ギャランティについては言及しない。そこを追求すると言葉を濁すか返信がない。

ご存知の方も多いかもしれませんが、小劇場などの出演者にはチケットノルマが課せられます。そのノルマ以上にチケットを捌けたら、出演者の取り分としていくらかお金が貰えるシステム。

初めて舞台に出るに辺りそのシステム自体に疑問はあったものの、未だ世に出ていない自分の実力や養成所に毎月数万円払っていることを考えると経験としては有りだなと思い出演を決めました。

お客様=かつての共演者

ボクが出演した時の共演者の方々は舞台出演経験が豊富な方が多く、色々なことを教えていただきました。チケットノルマのそつなくこなし凄いな~と思っていました。

ところが、共演者がチケットを売った相手のほとんどがかつての共演者という事実。

実際にボクも舞台が終わってから、かつての共演者の皆さんから出演が決まったら「観に来てください!」という連絡がひっきりなしに来ました。

そしてボク自身も次の舞台の出演が決まると同じようにかつての共演者に連絡する始末。

ひねくれた見方をすると「お前の舞台を観に行ってやったんだから俺の舞台も観に来いよ」という気持ちが根底に流れている気がするのです。(実際ボクはその気持ちで連絡をしてしまった事実がある)

作品のファンがいない

劇場のお客様のほとんどが出演者のかつての共演者。コレは作品や制作サイドのファンがほとんどいないということです。固定のファンがいないということは新しい作品を打ち出す度に顧客の新規獲得をやらなければいけない。どんな業種でも顧客の新規獲得は大切だけれど、それ以上にずっと自社の商品を使ってくれる顧客=ファンの心を離さない作業が大切。けれども、こと舞台などの表現の世界はそれがやりづらい現状があります。

好きなことをやっている人は裕福になってはいけないのか?

舞台に出演した時とかに、やんわりとチケットノルマの疑問点だったりを言ったことがあるのですが、役者ってお金の話に悪い方向に敏感なんです。

「自分たちはお金のために演劇をやっている訳ではない」という意識がお金の話をしてはいけない雰囲気を作り出している。

ボクだって舞台に立った時の快感や千秋楽を迎えた時の達成感は何物にも代えがたいから、その気持ちもわからないではないです。それにお金だけのことを考えているなら脱サラしてまで役者の道を歩んでません。

ただね。よく役者は「体が資本」だと言われます(どんな仕事もそうだと思うけど)

じゃあ、その体の健康を維持するためには何が必要か?適度な睡眠や食事などでしょう。じゃあそれを実現するためには更に何が必要か。答えはお金だとボクは結論します。

役者を続けていくためにも、継続的にお金が入る仕組みは考えなければいけないし、やる気とか熱意とかでごまかしていい問題ではないと思います。寧ろやる気があるなら猶更そこから目を背けてはいけない。

とかく日本では演劇だったり音楽だったり表現者に対しての考えは「貴方たちは好きなことをやる道を選んだんだから人並みの幸せを手にしてはいけない」みたいな考えが根付いている気がします。

もちろん甘い道ではないので苦労は覚悟の上です。だからと言って幸せになってはいけないということもないと思うのでボクは全力で演劇に関わる人全員が幸せになる道を探します。「お金なんて要りません!」という人の熱意に甘えることもしたくない。

制作側や主催者の全てが出演者をいいように利用してやろうと思っている訳ではないと思います。でも多くが「舞台って昔からそういうモノだから」という考えをアップデートしていない人が多い。

この1年でこれまでの方法では舞台自体の継続が困難になったしまいました。ボクも含めて舞台に関わる人全てがこれからも舞台での表現を進化させていくような時間を作ってほしいと思う博多佐之助でした。



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