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【福岡歴史白書】薩長同盟は福岡から生まれた!?

戦国時代と幕末

時代劇の題材になる時代の多くは戦国時代幕末である印象を受ける。個人的にもこの2つの時代も、それが描かれている作品は好きだ。

福岡という場所を舞台にした時代劇を作ろうとした時にもこの2つの時代は是非描きたいと思う。そしてボクが所謂歴史物にハマったきっかけである幕末という時代の福岡にフォーカスしていきたい。

幕末の福岡に偉人はいない?

土佐の坂本龍馬(高知県) 長州の高杉晋作(山口県) 薩摩の西郷隆盛(鹿児島県) 福岡から割と近い場所からは教科書にも載るような偉人達が幕末にいた。ところで福岡出身で教科書に載るような人物はいるだろうか?ボクの記憶ではいない。(真面目に授業を受けていなかっただけかもしれないが…)

しかし、上記の幕末のヒーローとも言える3人は、福岡と所縁があった。それらについては別の機会に話すとして、今回は薩長同盟は福岡藩があったから成立したという点について話したい。

薩長同盟の真実

「薩長同盟の立役者は誰ですか?」

試験にこんな問題が出てきたら迷わず「坂本龍馬」と答えるだろう。だが、それは間違いだ。いや、正確には「坂本龍馬だけの手柄ではない」ということである。この事実こそ、ボクが福岡を舞台にした時代劇を作りたいと思ったきっかけだった。

幕末の福岡に月形洗蔵という藩士がいた。彼は長州征伐が下される中で、薩摩・長州を和解させるべきと藩に建言した。彼は福岡へ亡命してきた高杉を匿ったり、仲間たちと共に高杉晋作と西郷隆盛を密会させるべく行動をした。最終的に薩長同盟を締結させたのは坂本龍馬であることは間違いない。しかし最初に薩長の和解という策を思いついたのは月形洗蔵なのだ。

葉室麟先生は著書『柚子は九年で』という随筆集で月形洗蔵と薩長同盟でこう語っている。

「リレーに例えれば、洗蔵が第一走者としてスタートし、中岡慎太郎がバトンを受けて走り、竜馬が最終走者としてゴールテープを切ったと言える。」

歴史を語る上では文字通り歴史に残るような出来事。その結果を出した人物にばかり光が当たるが、役者をしていると舞台の上にいるのは主人公だけではない。主人公を主人公たらしめる為の脇役の存在は不可欠である。また舞台を支える裏方と言われる人たちがいることも忘れてはいけない。

幕末の福岡に偉人がいない印象を受けるのは、そんな舞台の脇役や裏方のようなことばかりの人物が多かったからかもしれない。

【参考文献】

『随筆集 柚子は九年で』 葉室麟著、文芸春秋刊、2014年

『維新の魁 筑前勤王党』 示車右甫著、海鳥社刊、2020年

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