精神崩壊
プロボクサー時代にいたN先輩のお話
私は高校1年の時から始めたボクシングで卒業後はプロに成るため、卒業して直ぐに上京してボクシングジムからの仕事斡旋により東京の池袋で新聞配達をしながら新聞屋で借りているボロアパート(トイレ共同風呂なし四畳半)があり、其処に住込で働きながらボクシングジムに通う生活を送っていた頃のお話です
働いている人達はだいたい地方出身、金髪にリーゼントやスキンヘッド
下は16歳から最年長で26歳
だいたいが中学卒業か高校中退で
さらに元暴走族、鑑別所上がりという者も
(ボクシングという競技なだけに全国から、
今で言う喧嘩自慢が集まっていた感じでした)
所長と女性事務員以外は皆ボクサー(12人)という職場でした。
私が入った時には同世代(18歳)の人間が数人いたし同じボクシングでチャンピオンを目指すという志しだったので直ぐに打ち解けて馴染む事が出来た。
この職場内にいたN先輩(22歳)
日本の一番北にある都道府県の出身で自分が入った頃にはもう既にプロボクサーで試合も数戦こなしていました。
寡黙で職場内の誰ともつるまず、常に一匹狼のような
風貌もぶっきらぼうで
話し掛けても
『あー』
や
『なんだよ』
みたいな感じだったので恐い人かなと思っていまたしたが、仕事でたまたま二人きりになった時に食べ物に関する話してからは私はこの人は悪い人ではないなと思うようになり会話も今までよりはするようになりました。
しかし普段から、ぶっきらぼうで愛想もなかった為に同世代の職場の仲間達はあまり良く思ってなかったし、誰もコミュニケーションも取ろうとしなかった。
私は仕事休みやジムが休みの日曜日は職場内の同世代の仲間と遊びに行ったり飲みに行ったりしてましたが、このN先輩は仲間と遊んだり、つるむ事はなくいつも一人で出歩いていた。
そんな時に同じ新人王トーナメントの予選試合に同じ日に出場する事があった。
私は勝利して先輩は負けてしまった(階級が違っていたので勝ち上がっても対戦する事はなかったが)
私は更に勝ち上がり、入って3年でボクシングのライセンスのランクも先輩を追い越してしまった
その後からN先輩は更に寡黙になっていった。
しばらくしてから私の乗っている自転車が住んでいるアパートの駐輪場から無くなる事が有りすぐ近くの公園に何度か置き去りにされていた事が2回も有り、私も怒り心頭で
『犯人みつけたら、絶対にボコボコしてやる』
と思っていました。
(そんな事はしてはいけませんが)
寮でボロアパートが有る場所がN先輩の新聞配達エリアだったので
『自分の自転車が最近、イタズラされるのでもし犯人見つけたら教えてください』
と伝えたら
『おう』
と言ってくれました。
ちょっとしたイタズラ(私物が隠される等)が私だけでは無く、職場の仲間達にもあった様で
皆が疑心暗鬼になっていた(犯人が分からないので)
しばらくしたら、突如N先輩が仕事を辞める
事になった。
しかも実家の両親が北○道からわざわざ迎えに来たらしい(強制連行)
職場の近くのコンビニの女性店員にストーカー行為をしていたらしく警察沙汰になっていたようで。
このN先輩が居なくなってから今まであったちょっとした嫌がらせが、まったく無くなりました。
N先輩と同じボロアパートに住んでいた後輩から聞いた話しでは
N先輩が
『頭の中で突然、誰かに話し掛けられる』
『頭の中から声が聞こえる』
この後輩に1ヶ月前に話していてたらしく、後輩は隣の部屋だったのでN先輩の部屋から、誰も来ていないのに毎日、誰かと話しているような感じだったのでいつも誰かと電話してるのかな?と思っていたらしいが
当時、N先輩は携帯電話も家電も無かったらしい。
N先輩の頭の中から話し掛けてる声が、
頭の中で
『職場の周りの人間がお前の悪口を影で言っているぞ、職場の人間がお前を貶めしてやろうとしているぞ』
頭の中から聞こえた、みたいな事も言ってましたよと
後輩から聞かされて
今まで起きていた皆に嫌がらせしていた犯人がN先輩だったのかと明確になりました。
孤独は人を狂わせる
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