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ぶり返し
あのクソは誰かのためを思って叱る、ではなく自分が気に入らないから怒る、ことしか出来ない人間だった。
そうする事で自分の威厳を保とうとしていた。肩書きを守ろうとしていた。
そんなもの他者から見れば____少なくとも、私からすれば無いに等しかったが。
今でも思い出す。
思い返せば理不尽ばかりで、真っ当な叱りを受けた覚えは無く、ただ目の前の人間を反面教師にして這い上がった記憶がある。
今でも思い出す。
過ぎたことを頭の中で繰り返しては、そこにあの時言い返したかった言葉を加えて何とか自分を納得させる。
何度も反芻される。イライラが止まらない。
何度も反芻される。したとて過去には戻れないけれど。
正直戻りたくは無い。思い出したくもない。それでも思い出してしまうのは、未だに恐れが心に残るからだと思う。
それに私は無力だった。今はまだマシになった方。
本人を目の前にしたら頭が真っ白になり結局言い返せないまま暴力を受けるのだ。
まるで悪夢。本当に悪夢。
早く終わらせたい。
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