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【九龍の書店】油麻地書院@天后廟

ガイドブックでもよく紹介されている油麻地の天后廟。天后古廟を中心に観音楼社壇、書院、観音古廟、城隍廟と5つの廟からなる九龍エリア最大のお廟です。

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このほど、天后廟の一番右側(南側)にある書院が、リノベを経て、“書店”としてオープンしました。取り扱っているのは、主に香港をテーマにした本。ざっと拾ってみただけでも、歴史、文化、工芸、街道、宗教、祭事などなど、充実したラインナップでした。香港本、特に文化関連を探したい場合、ここは意外と穴場かもしれません。

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書店の中央に配されているのは「ガジュマルの木」。油麻地天后廟一帯は、ガジュマルの木(榕樹)が多くあり、天后廟の前の広場は「榕樹頭」と呼ばれています。そのことに因んで、書院の中央に置かれているようです(ただし造花)。書院内では、これまでお香を焚くことがなかったため、天井の梁の部分が煤けることなく、美しい状態のまま保たれているそう。天井もぜひチェックしてくださいね^^

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ちなみに、こちらの書店、スタッフは常駐しておらず、会計は機械で行うセルフサービス式

油麻地の天后廟は、昨年2020年5月に法定古跡(重要文化財に相当)に指定。その後、保全・活性化計画のもと改修工事が行われ、2020年10月始めに工事が終了。書院部分は10月16日(金)より、“書店”としてオープンしています。書院はもともと私塾として使われていた場所なので、書店に生まれ変わるなんて、ぴったりですね。

油麻地天后廟についての説明は、こちらをご参考ください(香港ナビ、詳しいです)↓↓
https://www.hongkongnavi.com/miru/273/

油麻地書院(天后廟内)
九龍油麻地廟街眾坊街
https://temples.tungwahcsd.org/the-school-yaumatei

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2021年の天后様の誕生日(旧暦三月廿三、今年は西暦5月4日でした)の時の飾りつけ↑↑ 慈善団体の東華三院が管理しています。

【追記2021.05.31】
香港内のコロナも落ち着き始めた5月、油麻地書院では、『祭.春秋』という展覧会が開催されています。

香港では、春の清明節、秋の重陽節の時期、日本でいう春秋の彼岸のように、お墓参りの習慣があります。それとともに、一族の祠堂や廟などでご先祖様を祀る伝統的な儀式が、今でも行われています(一連の儀式は香港の無形文化遺産に登録されています)。今回の『祭.春秋』展は、こういった香港の先祖崇拝文化に焦点をあてた展示内容です。

香港は現代的な都市ですが、一方で、祭祀に関する伝統的な文化・習慣が意外と多く残っています。中国本土の方では、新中国建国以降、このような伝統文化は廃れてしまい、私が北京滞在時、ほとんど見かけることがありませんでした。中国の伝統文化が、中国の南端、しかも現代都市の香港で、今も受け継がれているところが、個人的には面白いと感じています。








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