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日々戯言

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エンジニア→マネージャー生活の中で考えてることなどの思考実験的な内容のコラムです。たまに関係ないことも書きます。
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#オープンソース

kqueue

kqueue

柔らかプログラマを受けつつ、90年代の話。OS開発や基盤ソフト開発の楽しみというか、API designの勝利、ということで大好きなkqueueの話がある。この論文を参照。これはBSDで起きた発明で、Linuxだとepollというセクシーじゃない名前になっている(ちょっと残念)んだけど、説明してみよう。

ファイルディスクリプタUNIX系のOSではデータの塊にアクセスする際にファイルディスクリプタ

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私の印象深いカーネルへの貢献

私の印象深いカーネルへの貢献

前提や枠をひっくり返して問題を解決するのは常に狙うからか成功すると印象深い。昔話であり、たまには自分の話もするかということでもあり、こういうことがが毎年何百何千もおきているという話。

メモリ管理ビットマップの話昔の、具体的には2004年、LinuxKernelの開発に参加するとこになった。指令はメモリを一部オフラインする機能の開発だった。当時はIBMも別の要件でメモリマップが離散的なハード向けの

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なぜ企業はオープンソースと関わるべきか(rewrite)

企業がオープンソースに関わる理由は方々で語られている。もちろん多面的な見方があって然るべきなのだが、今回は不確実な未来に対応し利用するためのオプションという考え方を軸に説明する。

オプションもしくはオプション性というのはここではナシーム・ニコラス・タレブ著の「反脆弱性」という本に出てきた概念を指している。一つの思考実験として。

オプション性オプション性というのは「投資をすることで将来に利得を確

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