見出し画像

人生の先輩から学ぶ手帳の使い方

日頃、接客業をしている私。
とても元気な80歳のお客様に元気の秘訣を伺ったところ「元気の秘訣は手帳にある」と仰っていたので書き留めます。

その方は、数年前に奥様を亡くされ、現在ひとり暮らしです。
ひとりで暇していても仕方ないと、土日も休まず毎日ジムに通っていて、お昼ご飯の1時間以外は閉館まで運動しているという快活ぶりです。
ご自宅で過ごされる時は、テーブル上の定位置に置かれたタブレットを使いこなし、動画を見たり子供家族と通話したりと最新機器にも適応しています。
郵送物や書類は受け取った日にちを書き入れ、用途別にファイリングしています。
お話するときもいつも笑顔で明るく、常に笑っていて前向きな方です。
お会いするたび「どうしてそんなにお元気なのか」と聞くと、「何も考えてない気ままな人間だからだよ〜」など仰るのですが、先日は「真面目な話をするとね」と自身の机から、1冊の分厚い手帳を持ってきて私に見せてくださったのです。
「これ10年日記、毎日書いてるんだよ。3年日記から始めて50年くらい続けてるんだ。」

驚愕しました。
「最初は、50年前現場仕事をしてた時に、天気を記録しようと思って手帳を使い始めたんだ。そこからその日あったことも書いて、去年のことも思い返せるように連用日記に変えて、使ってるうちに10年という商品が出て3冊目かな」と。

現在は、毎日数行の日記と3食の献立、天気を記録しているそうです。
その日あったことを振り返って、手先を動かして文字を書くことが何よりの老化防止と元気の理由だといいます。


・忘れる癖、怠け癖をつけない
・ルーティンの毎日でも違うこと(特に前向きなこと)を見つける
・見返して過去の自分の考えや気持ちを糧にする

この3つを続けているからこそ、前向きに意欲的に生活できていると仰っていて、胸を打たれました。

でも、
私が「日記って毎日続かないんですよね」と聞くと、
お客様「最初は食事のメニューとかでいいんだよ。最初いろんなことを書こうと思ったら大変だもん。ワシはこの連用日記の少ない行数だから続いているんだ。最初は仕事の関係で天気を記録して、退職後は釣りの記録などをしてたんだ。○○の釣り堀で〜匹釣れたって。来年その魚のシーズンに参考にするんだよ。この使い方はよかった。そこから今はボケ防止に献立記録してるんだよ」

その方が強く仰るのは、毎日続けること、そして、その時自分が記録し続けたいと思うものを書けばいい、ということでした。
「変わるのは当たり前。こうしてワシも老いているし、天気→釣り→献立と書くものも変わってる。そこも含めて10年経った時に見返すと、なんとも言えない気持ちになるんだよ。」と言います。

私も手帳が大好きで、活用していますが、空白ができたり、途切れたりして続かないと、すぐにやる気がなくなってしまいます。続かないこと=変わることをいけないことだと潜在的に思ってしまうからです。
「継続は力なり」と言いますが、この「継続」という言葉は、目標や目的を達成するためのプロセスに対してなんだと思います。目標や目的を変えずにいなさいということではないみたいです。
1冊の手帳で毎日が生き生きとしている人生の先輩の姿を見て、そんな基本的なことに気付きました。


私は何歳生きるんだろうか、私が後期高齢者になったとき、どんな世界、時代、どんな自分なんだろうか。
いつだって想像できない未来、明日を生きることになるのに、今の自分から形を変えずに守り続けるのは絶対に損だ。
そして先のことをあれこれ考えても仕方がないから、今を前向きにを毎日続けていく。
そんなふうに生きていけるようになりたいと思いました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?