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はじめてのりてらしーすたっふ

 自然環境リテラシー学 Dチーム第1回 6/26~27

 はじめまして。三重大学2年生のくろすけです。noteに投稿するのは初めてなので少しばかり自己紹介をさせていただきます……。

 私は昨年度の自然環境リテラシー学(通称リテラシー)で受講生として参加し、コロナ禍の中、延期や変更もありつつも「アドバンス」と呼ばれるカヤックのキャンプツーリングを行うコースを体験しました。3泊4日、距離にして30キロメートル以上にわたる紀北から南伊勢のキャンプツーリングや2泊3日の熊野市・新鹿(あたしか)でのキャンプを通して、アウトドアを通じた人々の交流、そして自然環境リテラシー学の魅力を感じました。それらの実習を行うことが出来たのもやはり先生、ガイドさん、先輩方の準備やサポートがあったからです。その姿を見て「自分も受講生を支える立場になりたい……!」という思いと、自然環境に関わる様々な魅力を伝えていきたいという思いから、今年度はスタッフとして参加させていただいています。また参加者と同じ目線で色々なことを体感し学べていけたらいいなと思います。

 閑話休題。

 今年度のリテラシーで私はD班のリーダーとして参加しています。この「リーダー」というのは昨年度リテラシーを経験した(主に)2年生のスタッフの呼び方です。リテラシーを2年以上経験したスタッフを「インストラクター」、先生方を「コーディネーター」とも呼んだりします。今年度のリテラシーではこの「リーダー」が主体となって準備や進行を行っていきます。

 このこともあって、始まる前からだいぶ不安でした。しかもこのD班、一番最初に行われる回です。一応スタッフとしての研修合宿は行ったもののリーダーとして実際にやってみるのは初めて。当たって砕けろな回でした。笑


1日目

 来たる実習当日、6月26日(土曜日)。今回は第1回・1泊2日の実習です。台風直撃のおそれもありましたがめちゃくちゃ天気が悪いということもなく、朝を迎えました。リーダーとして一番最初の仕事は参加者の引率。ちなみに朝4時起き。というのも今年度の実習の地である南伊勢町・新桑(さらくわ)までは電車とバスを乗り継いで3時間弱。しかも集合が9時半。

 しょっぱなから鬼。

 以前に一度同じ経験をした私ですらそう思ったので参加者にとってはもっと苦痛だったでしょうね。しかしこれがリテラシー。駅で参加者の点呼を取ったのですがこのときに来たのが15人中たった9人。おい……。

 伊勢市駅でバスに乗り換えるのですが、この時に私は失言をしてしまいます。「すぐそこに伊勢神宮があるよ」と。「お、じゃあ行っていいっすか!?」興奮気味に言って来る好奇心旺盛大学生参加者。言った自分が悪いんだけどイカナイデ……頼むからイカナイデ……(結局もう1人の引率のもと行ったそうです……)。このあと、バス停まで移動しようとしたのですが以前利用した地下道がなんと封鎖中。迂回するハメになり危うく乗り遅れるところでした……。この時に遅刻していた2人も合流するわ、早く乗れと運転手さんに注意されるわで一番ヤバかった瞬間でした。かなりヤバい回だった今回の中で、です。

 さらくわの最寄りのバス停である南島棚橋までは伊勢市駅前から1時間乗り、南島道方で乗り換えてさらに1時間。この南島道方から棚橋までの道中、なぜかいつも酔います。結構酔いに強い方なのに。この道を車で通った先生も運転手なのになぜか酔っていました。この道、絶対何かある。

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 道中何回も海の近くを通り、晴れの日であれば車窓からきれいな海が見えますがそれを見る余裕もありませんでした。(というかまず晴れてなかったし)

 トラブル続出の中、南島棚橋へと到着。実習地であるロッジさらくわまではここから歩いて10分ほど。ここさらくわはめちゃくちゃカニが多く、虫よりも多いです。大体視界の中にはカニがいます。カニたちに歓迎されながら歩き、ようやく実習地へと到着しました。(残りの参加者は岐阜尾鷲から来たそうです。事前に連絡してよ……)

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 ちなみにまだ実習始まってないんですよ。これ。なんという内容の濃い引率……。

 ロッジさらくわに着いて軽く場所の紹介を行った後、天気も悪くなく風もなかったのでガイダンスを短縮してすぐカヤック乗っちゃおう! ってことになり急いで出艇準備。

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 まず各自乗るカヤックを決めていきます。カヤックにも大きさがあり、体格に合わせ決めていきます。大きさだけでなく重さや材質なども違い、カヤックの中でも結構個性があります。

 続いて装備の説明。水に入るときには欠かせない「PFD(Personal Flotation Device、俗に言うライフジャケット)」やコックピット(人が乗るところ)に水が入らないようにする「スプレースカート」、そして漕いで進むための「パドル」。これもリーダーが説明していきます。

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 装備の説明だけでなくカヤックの乗り方も。カヤックはデリケートな乗り物なので乗り方を間違えるだけで簡単に転覆してしまいます。乗り方は足からではなく、まずカヤック跨いでそこからお尻を降ろしていく、と言ったような乗り方です。

 またコックピットにある、足を置くペダルの調節もしていきます。カヤックは手だけを使う乗り物だと思われがちですが、体全体を使う乗り物です。腰のひねりや足の踏ん張りをうまく使って漕いでいきます。しっかりと力が出せるようペダルの調節は意外と大事なのですが……今回はそれを疎かにしてしまい、足をつってしまった人が結構いたみたいです……。

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 説明のあと、カヤックを海まで運搬。ここさらくわは海辺の足場が悪く、カヤックも重いため結構疲れます……。しかもこの時は干潮で海まで遠い。正直カヤックを乗るにあたって一番キツいところだと思っています。

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 いよいよ出艇。一番転覆しやすいところでもあるので先輩たちが全力でサポートします。1人だけ出艇後5秒でチン(転覆)してしまいました。。今まで見た中で最速記録です。(落ちた子には申し訳ないですが)

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 出艇後はみんな楽しそうな様子。見守り&先導役の自分としてはめちゃくちゃヒヤヒヤしてましたが。。

 ある程度カヤックに慣れてもらった後、出艇してすぐの場所で隊列を組むことになり、その説明をやってみるも…………

        指示したところに全然移動してくれない!! 

 やっとのことで並んでみても十数秒後には崩れている始末……。結局隊列はほどほどにして進んでいくことになりました。昨年度私たちを引っ張ってくれた先輩方の苦労、死ぬほどわかりました。(あとで話し合った結果、基礎練習が足りないというスタッフのせいでもあったということに気づき反省)

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今回の移動経路。距離は7キロ(+α)で一番最初としてはまあまあの距離。

2日目の天気予報が悪く、行けなくなる可能性も考慮して本来2日目の目的地であった「座佐の浜(ざさのはま)」へ。

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 座佐の浜はさらくわよりも波があり、横に流されてより転覆しやすいです。上陸の説明をしたうえでここでも先輩たちがサポートしていきます。

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 座佐の浜で休憩後、さらくわへと帰投。出艇して移動しようとし始めた時、私は衝撃の事実を知らされます。行きは私が先頭だったため、もう1人のリーダーに先頭を頼もうとしたところ……

「あ、僕今日1日目なので」

 最初は何が1日目なのかわからなかったがカヤックに乗るのが1日目だそうです。つまりカヤック未経験。リーダーなのに。(リーダーの条件としてカヤックの経験があったような……笑)

 えぇ……(今思い出しても驚き)


 ロッジさらくわに帰還し、カヤックや装備を洗った後、次はテントサイトでテントの設営。

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 説明を受ける様子。

 地味で面倒な作業も多いので反応も薄く、結構キマズイ。

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 説明の後実際に自分たちでテントを立ててもらうのですが……意外と時間がかかって苦戦している様子。文字通り日が暮れてしまうぞ……。逆に言えば成長のポテンシャルがあるということなので次回以降早くテントを立てれるようになることを期待しています笑

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テント設営後は参加者(特に男子)が待ちに待った夕食。メニューは湯せんでできる白飯とレトルトのどんぶりの具。これだけ。

 案の定少なかったようで結構ブーイングもありました。追加で食料持ってこいって事前に言ってた我々は悪くない。 

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 夕食の後はガイダンス。各先生方からありがた~いお話をしていただきます。自然環境リテラシーとは何か、海気とは何か。等々。また実習を行う上でのリスク管理なども話していただきました。実際今日の実習の始まりにあった「ガイダンスをすっ飛ばしてさっさとカヤック乗っちゃおう!」っていうのも海気を読んだ上での判断なのです。

 ガイダンス後には「ログブック(航海日誌)」というものを書きます。当日の天気や風、波の高さや何をしてどう感じたかを書いていきます。自然環境リテラシー学は実際にやってみて体験するだけでなく、体験したことを他の人たちに発信していくまでがリテラシーなのです。このnoteもその発信の1つです。

ログブックを書いた後は各々テントで就寝。

朝5時から始まった長い1日がようやく終わりました。


2日目

危ぶまれていた天気も持ち、風もなく幸いカヤック日和。

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 2日目の内容を相談した結果、昨日と同じように座佐の浜まで行くことになりました。

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 テントをたたんで干し、朝食もとってさっさと出航します。

 昨日と違うのは座佐の浜で昼食をとることです。メニューはただの袋麺ですが笑

 袋麺と言えど調理道具が必要なので必要なものはカヤックに入れていきます。カヤックに荷物を入れ詰め込むことをパッキングと言います。

 まあ今回は少ないので楽勝ですねw 第二回、第三回のキャンプツーリングではテントなども含めたすべての荷物を詰め込んで出航します。

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 昨日と同じルートなので特に何かあったわけではありませんが、1つ違っていたのは参加者がちゃんと付いてきてくれるということ。この短い間でも成長を感じられて少しだけ感動。

 そして座佐の浜に上陸! そして待ちに待った昼食です。

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 昼食が終わり、出向前にはナビゲーションの講習。

 この場合のナビゲーションというのはコンパスと海図を使って航路や目標を決めることです。今でこそGPSがありますがGPSがなかった時代にはこれらを使って自分の位置を割り出したりしていました。

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 一通り講習が終わり座佐の浜を出航。無事にさらくわまで戻り、手前で少しだけレスキュー(転覆したときの対処)の練習をしました。(残念ながら画像はありません……)

 上陸後はカヤックの運搬とツーリングで使った装備の洗浄。2日目、カヤック漕いだ後のカヤック運搬はめちゃくちゃキツイです。さっきも書いたけどこれがツーリングで一番きつい!!笑 参加者は疲労困憊で全然手伝ってくれませんw

 このあと順番にシャワーを済ませガイダンスが行われる予定でしたが……先生が帰りのバスの時間を見誤り、急いでバス停まで直行。……それも先生たち車総出で。総括も1分間スピーチもありませんでした。笑(しかも自分は置いていかれた)

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 最初から最後まで波乱万丈なD班の1回目が終わりました。参加者がいなくなったあとの静寂たるや……

 スタッフはこのあと片付け。結構な重労働です。しかも参加者は結構忘れものをしている始末。まあバタバタしてたしね……

まとめ

 一番最初のリテラシー、半ば実験台な回でしたが思っていたより上手くいった部分もあれば想像よりヒドかった部分もありました。とりあえず参加者が元気すぎる。もうちょっとおとなしく言うことキイテ……

 逆に言えば伸びしろがあるということなのでスタッフ側も頑張って次から上手く制御できるように頑張ります!!!!

 






 リーダーの仕事ブラックだなぁ…………(本音)

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