プレゼンテーション2

琉球再興の思いを胸に2年目のシーズンへ 〜2020年J2予習 「FC琉球」編〜

2020年J2予習が始まって今日で2週間になります。残り1週間もぜひよろしくお願いいたします。さて、今日はFC琉球について予習したいと思います。


FC琉球の基本情報と移籍まとめ

「FC琉球の基本情報」

昨シーズンの成績 リーグ戦14位(13勝10分19敗勝点49 得点57失点80)
今シーズンの山口との対戦
第6節 7月18日(土) 19:00 in維新みらいふスタジアム 
第32節 11月8日(日) 未定 inタピック県総ひやごんスタジアム
監督・・・樋口靖洋(2019〜)


「移籍情報まとめ」

さて、本日もFootball-LABさんのサイトより画像を使用しています。

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こちらが退団選手です。率直に多いなと感じます。ただ、昨シーズンの主力と呼べる選手の退団はこのイメージほど多くはないかもしれません。シーズン通して試合に出続けたのは、岡山に移籍した徳元上門の2人ではないでしょうか。徳元は35試合に出場、3000分以上の出場時間となりました。上門は岡山の記事でも触れましたが、チーム2位の14得点を挙げ、鈴木孝司が移籍した後のエースとして大きな貢献を果たしました。
次点で挙げると、西岡も前半戦は試合に出続けていました。ただ、9月7日の鹿児島戦以降は出場機会を失い、最後はトレーニング中の負傷でシーズンを終えています。彼が出場機会を失っていたというのは少々意外でした。絶対的な主力だと思っていたので。
それから、越智小松山田、石井も試合には絡んでいた選手です。越智は23試合597分の出場で2ゴールという結果を残しました。小松は17試合で933分の出場でした。彼自身はJ2昇格に大きく貢献をした訳ですが、昨シーズンは出場機会が減っておりそれでの移籍かもしれません。山田は夏に加入し10試合で2ゴールという結果でした。今シーズンはベガルタ仙台で戦います。石井はカルバハルの負傷時に試合に出場していました。

この辺りが、試合に絡んでいた選手でしょうか。特に先に挙げた3人の移籍は大きなトピックだと思います。

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こちらが新加入選手です。まず、大卒の3人がルーキーイヤーから試合に絡んでいけるのかという点に注目です。移籍加入組では、実績的には阿部拓馬に注目が集まると思いますが、個人的には金沢から加入の沼田と水戸から加入の茂木に注目しています。沼田は昨シーズン32試合で2555分出場しました。彼の左足は琉球の攻撃サッカーで火を吹くと思いますし、徳元移籍のリカバリーとしては満点の補強だと思います。そして、茂木は28試合で4ゴールを挙げました。夏以降は福満の加入などもあり、出場機会を減らす格好となりましたが、水戸の前半戦の躍進を支えた選手の1人でした。右サイドで、ボールを持ったら自分で仕掛ける姿とパンチ力のあるシュートは魅力です。
他にも、カルバハルとポジションを争える選手として田口をヴェルディからは李栄直などを獲得しています。また、風間宏矢を完全移籍で残留させられた点も大きいと思います。

全体的には、痛手となった放出はあったものの、限られたチームの状況の中で見事な立ち回りを見せたオフシーズンだったのではないかという印象を持ちます。もう少し、厳しいオフだったような印象を勝手に持っていたので予習して良かったです。


今季のFC琉球の注目ポイント

①J2,2年目に更なる進化の目指す琉球のサッカー
②「琉球・沖縄のために」という思い


①J2,2年目に更なる進化の目指す琉球のサッカー

J2昇格初年度は、スタートダッシュに成功しホームでの強さも発揮したことで残留という結果を掴みました。2年目となる今シーズンは、更なる結果を求めることが新体制発表会見で示されました。特に樋口監督は具体的に「勝点を70、得点は昨年(の57)より約20パーセントアップの70点、そしてリーグ最悪だった失点の数を(80から)30パーセント減らし56に抑えたい」との目標を掲げているようです。琉球の攻撃的なサッカーを進化させ、結果を求めるシーズンになるのでしょう。

この目標に達するために、どのような点に注目すれば良いかを昨シーズンのスタッツを見ながら少し考えてみたいと思います。
得点面では、57得点のうち約半数の得点を挙げた鈴木孝司と上門知樹がいません。チーム得点ランキングの3位は5得点の上原です。昨シーズンは鈴木孝司が抜けた後も上門のブレイクがあり、得点源がいない状況とはなりませんでした。今シーズンはまた新たな得点源の登場が必要不可欠だと思います。2桁得点を挙げるようなフィニッシャーを誰にするのかという点が1つ注目ポイントとなるでしょう。
失点面では、ボール保持時の失い方の設計非保持での奪いに行くプレスの形に注目したいと思います。琉球のサッカーの特徴として、バランスの良い配置から失い方を考えながら攻撃するというよりは、各選手が相手の間にポジションを取って縦パスをガンガン入れていくというイメージがあります。縦パスを出せる選手が揃っているということもあり、この攻撃は脅威ではあるのですが、時に自分たちのバランスも崩して、縦パスが引っ掛かった時にすぐに奪い返しに行けず、カウンターを喰らうシーンもあったように思います。ですから、失った後の琉球の選手の動きに注目して、すぐ奪い返しに行けるような失い方ができているかを見ていくと良いのではないでしょうか。
また、琉球の昨シーズンの守備のスタッツの中で相手の攻撃回数に対する被シュート本数の多さが気になります。Football-LABによれば、被攻撃回数はリーグで7番目に少ない116.7回である一方、被シュート本数は14本とリーグで4番目に多い数となっています。これは、他チームに比べ、自分たちの守備組織で意図的に相手の攻撃を阻止する術が乏しく、相手のシュートによって攻守が入れ替わる機会が多いことを意味すると思います。簡単に言うと、相手にボールを持たれた時に、シュートまでいかれる機会が多いということです。失点数の多さは、このように相手にシュートまで持っていかれる確率の高さに原因の1つがあると思われます(そして、そのシュートも確率が高いものが多いというわけなのですが)。ですから、自分たちでボールを奪いに行く形を作って相手の攻撃機会を阻害できるのかという点が、琉球の更なる進化には欠かせないと思います。

琉球の目指す攻撃的なサッカーを表現するためには、相手からボールを奪う必要があります。この仕込みができるかという点は今季の飛躍のために注目したいところです。


②「琉球・沖縄のために」という思い

新体制発表会見で印象に残った点は、沖縄のチームとしての誇りを持って戦うという点でした。琉球に関わる様々な人たちがこういったことを口にしていました。そのための攻撃的なサッカーでもあるのだろうと感じましたし、地域により根付いたクラブを目指していく気概が感じられました。

こういった発言の1つの背景には、最後に参考文献として取り上げた記事の見出しにもなっている首里城の件があるのでしょう。私自身も首里城は修学旅行で訪れたこともありますし、他人事ではないニュースとして捉えています。

今シーズンの琉球は選手もスタッフも、サポーターも心のどこかでこのことを思いながら戦っていくのではないでしょうか。その思いが乗って、昨年以上の躍進を果たすことも考えられます。今シーズンの琉球の思いは頭の片隅に入れてサッカーを観たいと思いました。


今季の琉球の注目選手

久しぶりにゴリっごりの贔屓による選出です。注目は鳥養祐矢とします。昨夏山口から琉球に移籍をし、移籍して間もなくスタメンで出場機会を得ていました。そして、シーズンの終盤には維新みらいふスタジアムでの琉球戦があり、凱旋して対戦する姿を皆が楽しみにしていました。ただ、その前に怪我をしてしまい、山口戦に出場することができなくなってしまいました。鳥養自身は維新みらいふスタジアムに帰ってきましたが、試合に出場という形ではそれは叶いませんでした。

山口にはチームがJFLの頃から在籍しており、サポーターに誰よりも愛されている選手です。そんな鳥養が選手としてさらに活躍するために決めた移籍ですから、今シーズンも精一杯の応援をしたいと思います。そして、今年こそは選手として維新のピッチに立ち、対戦することを楽しみに待ちたいと思います。


まとめ

J2で2年目のシーズン、琉球としては真価が問われる1年になるでしょう。この舞台に定着するためには何としても残留を勝ち取る必要があります。まずその目標を達成し、そこから更に上を目指すというシーズンになるはずです。そのための準備はこのオフで整えられたように感じられます。後は、ピッチの上でどのようなサッカーを表現できるのか、ここに注目が集まるところです。


*文中敬称略
*画像はFootball-LAB(https://www.football-lab.jp/ryuk/transfer/)のサイト内の物を使用しています。

*このnoteを書く上で参考にした記事はこちらです。


*首里城復興のクラウドファンディングはこちらから。


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