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相対性理論と早退性離婚

私の猿アタマでは、

いまいち理解出来てないのですが、上の公式はたしか
「エネルギー量は、その質量に比例する」
みたいな感じだったと思います。
E(エネルギー) = M(質量) x C2(光速の2乗) かな。

相対性というコトは、ひとつの物差しで測れるわけではなく、それぞれの関係性において物差しや基準点が変わるって解釈ですね。

上のベロ出し科学者によると、
苦しい1分間は1時間のごとく感じ、
楽しい1時間は1分間のように短いと・・・。
分かったような、分からんような。 笑

人間関係もいわば相対的ですね。
自分が思ってる距離感と、相手から思われてる距離感はイコールでは無かったり・・・。

相手を想う心の中での割合「ウェイト (質量)」 が大きくなればなるほど、その「熱量 (エネルギー)」もモリモリになるんだけど。
相手の心の中までは、分からないわけで・・・。

それがいわゆる片思いであったり、熱量の違いが認識出来ず、ストーカー行為に走ったり。
気持ちの物差し、見えないだけに難しいですね。

さてさて今回の話は

ウチのお客さんで、当社担当A氏のお話。

出入りするようになって5〜6年経ちますかね。
そう頻繁に来るわけではないが、会えば立ち話をする仲であり、色々な話を聞かせていただいた。

最初の頃の印象は、なんかフワフワしてるというか、地に足が付いてない感じの人。
良く言えば「ドリーマー」、まぁ人生謳歌してるとも言えるけど・・・。

Aさんは40代前半で、子供はいないが同じ歳の奥さんがいる。
田舎暮らしに憧れていて、小さな「山」を買ってそこにログハウスを建て、畑でもやりながら暮らすのが夢。
奥さんも同じ考えで、結婚後はずっと共稼ぎしながら資金を貯めてるのだと・・・。

同じ夢、同じ方向を向いて2人で頑張ってるなんて、素敵な夫婦だなぁ〜と思ってました。

そんなAさんでしたが・・・

2年ほど前から、某ドイツ製オープンカーに乗って来るようになりまして。
野太いエンジン音を響かせて、当社の駐車場に入ってきます。

「すごいの乗ってるねぇ、切り詰めて貯金じゃなかったの!?」

「いやいや、こんなの中古車だから、安いもんっすよ」
「こづかいの範囲で買えるオモチャ、オモチャ!!」
豪快に笑い飛ばすAさん。

どうやら、野太いのはエンジン音だけではないようで・・・。
オープンカーに乗って、得意先回りをするその神経・・・ なかなかのものだ。 笑
 

で、半年くらい前

ニヤニヤしながら近づいて来て、
「ついに岐阜の山奥に土地を買いましたよ!!」
会社までの距離は、今よりかなり遠くなるけど何とか通える範囲で見つかったと。
ログハウスもだいぶ完成してるが、周りの整地もあるので、まだすぐには暮らせないらしい。

長年貯めた貯金を全て使い、それでも足りなくて銀行にいくらか借りて、やっと夢が叶ったと興奮気味に話してた。
クルマもオープンカーからKカーに変わってましたわ。 笑

本当に夢を叶えたAさんが、羨ましくもあり尊敬もあり、一緒に喜んだ記憶があります。

だがしかし、それがAさんに会った最後となりました。 (あ、死んでないからね 汗)

その後はAさんに代わり

Bさんが当社担当となりました。

Bさんとも面識はあったので、
「Aさんってどうしたの? 山に篭っちゃった?」
するとBさん、待ってました!! (笑) とばかりに、全ての成り行きをこと細かに教えてくれました。 (それもど〜なの?って感じだけどね)

Aさんは、ここ2年くらい「親の介護」と称して、ほぼ毎週金曜日は昼で早退していて、社内での評判もあまりよろしくなかったらしい。

さらにさらに介護は大ウソで、実は若い女と不倫していたのが発覚。
金、土、日と彼女と過ごし、日曜日の夜に自宅に帰る生活。

はは〜ん、オープンカーね!! 笑

Bさんは、Aさんの奥さんとも知り合いだそうで、もっと早く相談してくれれば・・・と、嘆いてました。

奥さんとしてみれば

浮気は知っているものの、夫婦の長年の夢であった山暮らしがやっと現実となったのだから、また自分のところへ戻ってきてくれるだろうと、考えていたようです。
その為に2人で頑張ってきたわけですからね。

しかしAさんは、新しい彼女と新しい山暮らしを考えていたようで、そのことを感じとった奥さんは、離婚の決意をします。
そして、Aさんの上司やBさんに、金曜日早退の真実を話すのです。

会社としても、プライベートには口を出さないが、介護の為の早退とウソをついて浮気してたのでは許されません。
どこか地方へ転勤辞令が出たそうです。
(ここも十分、地方だけど・・・)

結果、Aさんは会社を辞めます。

飛ばされたら、せっかく買った山と家に住めませんからね。
それに金曜日の早退事件は、社内でもウワサになってたらしいので、もういられません。
まぁ新しい仕事を探して、若い彼女と暮らす算段だったのでしょう。
彼女も、山暮らしの好きな方だったようです。

しかしその後

恐ろしいコトが起こるのです。
まんまと離婚して、若い子と一緒になれると思ってたAさんですが・・・。

離婚すれば、共有資産の分与が発生するわけで。
当然、「山と家」の査定額の半分を奥さんに支払う義務が生じます。
が、借金して補填したくらいです、現金などあるはずもない。
月々の銀行ローンがある以上、分割でも奥さんに払うのは無理でしょう。
おそらく、慰謝料もあると思うし。

結局、土地とログハウスは買った時より遥かに安い値段で、泣く泣く手放したそうです。
一度も住むことが出来なかったログハウス・・・。
自分で蒔いたタネとはいえ、現実は厳しいものです。


さらに悲惨なのは

それほどまでに入れあげてた彼女が、去ってしまったというのです。

彼女からしてみれば、山もログハウスも無くなった、オープンカーも無い、仕事も無い・・・。
一体どこに魅力があるの?  って感じですかね。
思惑が外れてたってヤツかな。


と、ここまでが

Bさんから聞いた話です。
仕事の話そっちのけで、熱弁してくれましたよ。 笑

3人がそれぞれに、自分の熱量で夢を追いかけて動いたのに、誰も幸せになれなかった哀しいお話。
心の中の物差しやベクトルは、皆んなバラバラだったわけですね。

もちろん悪いのはAさんだし、ホント奥さんは可哀想・・・。
彼女もある意味、被害者なのかな。

ちなみにAさんは、近所で再就職して復活の機会を狙ってるらしい。 笑



曲はクリームで 「White Room」

ジャック・ブルース (ボーカル/ベース)とジンジャー・ベイカー (ドラムス)の仲が最悪で、エリック・クラプトン (ギター/ボーカル)がいつも仲裁してたらしい。
ま、そんな2人が先に逝ってしまいました。

40年近い時間を隔てて再結成されたライブ映像。
クラプトン先生のギターが冴えてます。


おまけ クリームといえばコレ



では、では、また次回。 ありがとうございました!!