それは語彙力じゃなく、心意気の問題
イギリスの国立美術館と博物館は、全て無料だから、お散歩がてら美術館巡りなんていう夢のような生活をしている。
少し前。シェイクスピアの授業で、ミレーが描いた「オフィーリア」の話になった。トップ画像の絵だ。ロンドンのテート・ブリテン美術館にある事は知っていたので、いつか観に行きたいと思っていたけれど、家から少し離れているので、何となく先延ばしにしていた。そこで、これを機に観に行く事にした。例の如く、テート・ブリテンは国立なので、いつでも無料だ。
しかし当日、どれだけ歩き回っても、この絵が見つけられなかった。どっか別の場所で展示されてるんだと薄々分かっていたが何となく諦めきれず、近くにいた初老の男性スタッフさんに尋ねてみた。すると、その方は残念そうに、「彼女は今、海外に行ってるんです。」と答えてくれた。
『彼女は今、海外に行ってるんです。』
なんとオシャレな・・・。サラッと言ってる所もオシャレだった。
「彼女は今、海外に行ってるんです。」
「そうでしたか。(彼女って言った。)」
「残念ながら。彼女は、世界中で人気ですから。」
「次の展示はいつですか?(また言った!)」
「秋には帰って来ます。私も、彼女に会える日が待ち遠しいですよ。」
「妻のことは今でも恋人だと思ってます的発想!(ありがとうございます、また来ます。)」
絵は観られなかったけれど、この会話が出来ただけでも、その日行けて良かった。
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