同人誌作って初めてイベントに行った話(文学フリマ東京38レポ)

こんにちは、Hkといいます。
このたび(だいぶ前ですが)、初めて同人誌作って、初めてイベント(文学フリマ東京38)に行ってはちゃめちゃに楽しかったので、忘備録としてまとめておきたいと思います。
なお、あらかじめ申し上げておきますと、本の作り方については全く参考になりません。なぜなら、プロのお力をお借りしたからです!

ではどうぞ!


1. 本を作ることにした経緯

作家の方、あなたには諦められない作品はありますか?

私は、ある。
きっと誰しも、諦められない作品があるのではないだろうか。(ない方はすみません、私は未練がましい作家なのです…)
私の諦められない作品が、今回本にした「寝る間が極楽、だが寝れない」であった。
キャラもストーリーも会話も気に入っていて、自分でも何度も読み返すお気に入りだった。書き上げてすぐ、締め切りの近かったコンテストに応募した。奨励賞を頂いた。しかし書籍化は叶わなかった。
でも諦められなくて、改稿して別のコンテストにも応募した。それもダメだった。
これが最後と、別のコンテストにも応募した。結果、ダメだった。(賞を頂いた主催様と別のコンテスト主催様に応募許可を頂いています)

新しいお話をどんどん書いた方がいいと頭では分かっているんだけど、私はこの話を、こう、なんとか形に残してやりたいんだなァ…!っていう諦めきれない気持ちだった。
が、さすがに、3回のチャンスで通れず、コンテスト応募は諦めた。私は気に入っているけれど、一般向きではなかったのだ、この話は。

ちょうどそのころ、XでFFさんたちが本作って盛り上がっていた。
そうだ、この作品も、自分で本にしたらいいじゃん。
ということで、本を作ることにした。

2. 本の概要

Xで「本作りたいな~」みたいなことを呟いたら、有識者様たちが「なんでも聞いて~!」ってすごいウェルカム状態で迎えてくれたので、全力で甘えることにした。

ここで当方のスペックを。
・1次創作、WEB投稿メイン
・商業小説は紙書籍1作、電子書籍2作
・イベント参加経験なし
・創作をやっているリア友はいない
・作家様の同人誌を通販で購入したことはある
・折本とコピー本は作ったことがある

ゼロ知識で有識者様に相談したら、「原稿あればイケる!」と言われた。原稿は!ある!!
原稿からイベント参加まで、オトカヨルさん(@otoka_yoru)とAさん(@ysgrnasi)に本当に全て、大変お世話になりました!!

(1) 表紙

本作は過去にイラストレーター様の企画で描いて頂いたイラストがあり、めちゃめちゃに素敵で大好きなので、有償で使用させて頂く許可を頂いた。あまもり様、本当にありがとうございます!!
また、私は文庫本に多大なる憧れがあり、サイズは文庫にしたかった。さらに裏表紙にはあらすじを入れたかった。
ここでオトカヨルさんにお願いした当方のイメージ図と出来上がりの対比をご覧ください。

 裏表紙のイメージ図
出来上がった裏表紙

すごいね!!!!
それから背表紙にタイトルも入れたいとわがまま(初心者のくせに)言ったところ、快諾してくださって、表~裏表紙まで1枚の画像で作成してくださった。すんごいの、表紙の色と合わせてくださって、違和感の無いように仕上げてくださった~~プロ~~~!!!
出来上がった表~裏表紙のイラストをあまもり様にご確認頂いて完成。(ここまで私は具体的な作業を何もやっていない。)

(2) 本文

せっかくなので書き下ろしを4000字くらい追加した。それから本文の見直しを行って出来上がり。
目次は「これは出来ればの願望なのですが…、表紙開いて1P目に目次を入れたいです。表紙イラストをグレーでぼかしたような感じの上に目次を乗せたく…!」ってお願いしたら、完全にイメージ通りの目次を作ってくださってたまげた。

目次

(3) 仕様

本の仕様に関してこれまでに同人誌を購入させて頂いた方のご本(鳥飼さん(@torikaitai_yo))や、作成レポ(なとみさん(@NATOMIN_novel))を参考にさせて頂いた。紙の種類は印刷所さんに用紙見本をお願いして選んだ。
実際にはマジで手取り足取り教えてもらいながらね…(本当にごめんなさい)、入稿作業を行った。概要は下記。

 印刷所     ちょ古っ都製本工房
 冊子のサイズ  A6
 本文印刷方法  モノクロ印刷
 本文の種類   書籍用紙 57kg(淡クリームキンマリ)
 ページ数    226ページ
 製本方法    くるみ製本
 表紙の種類   アートポスト紙 200kg
 オプション加工 表紙・PP加工(クリアPP)
         遊び紙挿入 枚数2枚 
         色:トレペ(うす青)、本文の前後

遊び紙って必要なのかな?(無い本もあるし)と思っていたらオトカヨルさんから「絶対必要なので入れてください」って言われて2枚入れた。
そしたらね~! 目次がいい具合に透けて素敵だし、最終ページに入れているのもとても美しくて、よかったです♪

それから後述するイベント参加まで時間があったので、「まずは1冊作ってみて問題ないかどうか確認するとよいですよ」とアドバイスもらい、1冊お願いしてみた。
早速届いた1冊を見直したところ、誤字11カ所。ひえーー!ちゃんと確認しろ自分~~~!!
いや、やっぱりデータで見るのと、紙で実際に見るのとで頭に入って来るのが全然違うんですよ。ということでアドバイスを頂いて確認できてよかった…。
で! 修正して出来上がった本がこちらです!!最高!!!!

裏表紙(写真撮影が下手すぎる)
背表紙
目次と遊び紙
表紙

3. BOOTH

今回、オトカヨルさんにご相談・アドバイスを頂きながら、BOOTHでの通販もやってみた。
あらかじめ予約を募って通販予約数+イベント用の冊数を合わせて刷った。
話は前後するが、イベント1週間後に匿名配送作業を行った。
100均で買った透明PP袋に本を入れ、一言お礼メモを入れ、それを封筒(内側にプチプチついたやつ)に入れる。
大変ありがたいことに通販のご注文をたくさん頂いたので一人で終わらせられず、家族に協力してもらった。
余談だが、お礼メモにシールを貼ったのは娘で、大体はファンタジーちっくの可愛いシールを選んでいたのだが、1枚だけ、女性がウォーキングしてるような謎のシールが貼られていた。受け取った方は困惑したと思う。ごめんなさい。
大変だったのはヤマトでの伝票印刷→貼り作業。
これも娘をバイトに雇って連れて行ったのだが、単純作業だけどなかなか時間がかかった。人気の同人作家さんはどうやって作業してるんでしょうね…、倉庫発送なのかな。
嬉しいことにイベント後もちょこちょこご依頼頂くことがあるので、その時はコンビニから発送しています。

4. 文学フリマ東京38

さて、Aさんから「スペースで頒布できますよ!」と大変ありがたいお言葉を頂いたので、全力で甘えることにした。
なお、当方こういったイベントに行ったことは皆無。ルールもマナーも文化も分からず、教えてもらった。Aさんから口酸っぱく言われたのは「水分補給!」でした(笑)

(1)イベントの様子

2024年5月19日(日)
一般入場で、会場の最寄駅からバスで行った。ぎゅうぎゅうだったけど。
バスの中の人たち、皆大荷物でキャリーバッグの人とかもいて、私も手持ち搬入だったものだから「ここの人たちも自分で作った本をこれからお披露目しに行くんだ…!」と興奮した。
開場時間の15分前くらいに着いた。流通センターはかなり長い列になってて、マジで老若男女多種多様な人たちが並んでた。グループもあれば、一人で並んでいる人も多かった。

皆が写真撮るためか、ここの前はちゃんと空いてて参加者の方、とてもお行儀良いなと感じた

入るのに40分くらいかかったのかな。持ち込み数少なかったので手持ち搬入にしたけど、肩が痛くて後悔した。

中に入るととにかく人が!多い!!
会場は2カ所に分けられており、それぞれ机がたくさんの川の字のように並べられていて、間の通路を行き来する感じだった。混雑している場所などは本当に進みが遅い。
主催者様の発表によると、1878出店・2096ブース、12,283人 (出店者: 3,314人・一般来場者: 8,969人)だったとのこと。
ジャンルは様々だけれども、いやもう、世の中にこんなに創作活動している人、そして読んでいる人がどこに隠れているの!!??ってすごく思った。
私は普段会社員なのだが、周りの人と話をしていても創作どころか本を読んでいるような人だっていない。個人的な話になったって、「最近読んだ本でさ~」なんて言う人はいない。

余談だが、会社で同僚に「オタクっぽい話していい?」と言われ、『一体オタクっぽい話とは……!?』と前のめりになったところ、超有名少年漫画の舞台化の話で肩透かしを食らったことがある。
特大の商業作品の舞台化がオタクっぽいのであれば、誰にも読まれないかもしれない話をインターネットの海に放流し、仕事でもないのにそれを本にした私は一体なんなのだ。
でも文フリの人たちを見て思った。
世の中にはこんなにも作品を書いたり作ったり読んだりする人がいるってことで、きっとみんな毎日頑張りながら創作も両立してるんだろうなあ……。

Aさんのスペースに辿り着いた後は本を置かせて頂き、あとは交代で会場見て回ったり店番をさせて頂いたりした。
写真を撮り忘れてしまったんだけれど、Aさんも周りの皆さんも、とても素敵に個人のスペースを彩ってらして、すごかった~~~!!
私も自分で書いた作品を置いて頂いて、林檎先生やきらきらのアンソロ本と一緒に並べて頂いているのを見てとても感動してワクワクした。文化祭みたいだった。

(2) 準備しておいてよかったこと

さて、ここからは一応準備しておいてよかったことと反省点を。まずは準備しておいてよかったこと。

①欲しい本の事前確認
事前に欲しい本とその場所を確認しておいたのは良かった。とにかく会場が広くて人が多いので、全てを見るのは結構大変。
イベント前一週間くらいは、ハッシュタグついているポストを周って、欲しい本を物色していた。そしてそれを印刷して会場を回った。
大体の欲しい本はゲットできたけど、すごく人気のありそうだった、植物枯らしてしまう園芸本だけ売り切れでとても悔しい思いをした。
もちろん、会場で見つけて惹かれた本も多数購入しました♪

②現金の用意
こう、お店の前で本を買うときに財布を出してもたもたする自分が容易に想像できたので、あらかじめ予算を小銭化し、首から下げる子供用のポシェットに入れて会場を練り歩いていた。
これは個人的にはよかった。大きなお札を出しておつりで困らせてしまうこともなかったし、多くの本は1000円以下なので、500円玉と100円玉をたくさん持っておけばスムーズに会計できた。
なお、多めに設定していたはずの予算ですが、終わる頃にはポシェットは空になりました!

(3) 反省点

①本を事前搬入するべきだった
冊数が少ないので一般入場で手持ちで行ったが、事前搬入するべきだった。
というのも、開場すぐに本を購入しにお越しくださった方がいらしたようで(後ほど再度来てくださった)、大変申し訳なかった。
あと、冊数が少なくても手持ちだとぶつけたりしないか心配になったし、単純に本は重い。

②サインを用意しておくべきだった
非常にありがたいことに、わざわざ私に会いに来てくださったり、商業本をお持ち下さってサインをお求め頂く機会があった。
しかしとんでもなく挙動不審になってしまい、心から反省している。
私は一応商業デビュー時にサインをデザインしてもらったのだが、自分で書けない。
万が一に備えてスタンプを持って行っていたのだが、気が動転していたあまり、1冊は上下反対に押してしまいやり直しさせてもらった。あまりの自分のダメさっぷりに死にたくなった。
X上でのみの交流で、初めて直接お話しさせて頂いた方もいらしたのだが、緊張で何をお話ししたか覚えていない。社会人としてダメすぎる…
これもきちんとサインが書けないからいけないのだ。なんか、大人としてもっと色々ちゃんとしたい。

(4) 購入した本

じゃーーん!!!

全17冊!!!
事前に調べて行った本も、当日会場で一目惚れして購入した本もある。
どれも作り手の方の思いやこだわりが詰まっている本で、読むのが楽しい。まだ全て読み切れていないので、のんびり読みます🎶

5. おわりに

本を作るのも、初めてのイベントも楽しかった!!
反省点は色々あれど、イベントまでの数ヶ月、非常に張り合いのある日々でした。
ご助言、ご協力くださった皆様、当日お声がけくださった方、本当にありがとうございました!
またなにか本にしたいな〜〜、そのためにたくさん小説書きます!!


 《 おしまい 》

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