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占い師から歯並びをキレイにした方が良いと言われて歯科矯正を決意したら大変だった話し ep13

『ブラックアウト』

手術当日の朝。
初めての手術でほぼ眠れずに朝を迎えた。目はらんらんだ!
病室には、仕事を休んで母と姉が来てくれていた。心強い。
「hakuさん、おはようございます!体調いかがですか?」
「元気です!」
「じゃあ、これに着替えておいてくださいね!」
看護師さんに渡されたのは、紙のパンツだった。
屈辱的な素材と形である。
「・・・おはようございます」
次に来たのは、麻酔科医の眼鏡先生だ。今日も顔色が悪い。大丈夫か。
「・・・元気そうですね」
「はい!」
「じゃ、ルートとりますね」
注射いやぁぁぁぁぁ!
「はい、終わりました」
って、痛くない・・・!?
腕には、しっかり針が刺さっている。
この医者、顔色悪くて覇気もないが腕は一流なのか?!
感動するヲタクを他所に、眼鏡先生は去って行った。
「それじゃあ、手術室に移動しましょうか」
そうか、怪我してるわけでもないから自分で歩いて行くんだな。
点滴のキャスターをコロコロ押しながら歩く。
「いってらっしゃい」
「行って来まーす!」
姉に写真を撮ってもらいながら元気よく出発。
母は少しだけ心配そうだった。

手術室に着くと、ダンディ先生とぺこちゃん先生と看護師さん達がスタンばっていた。
「はーい、ここに寝て下さい」
「はい!」
「今日も元気だね」
ダンディ先生は笑っている。
「昨日眠れませんでした!」
「うん、うん、今から眠くなるよ~起きたら終わってるからね」
「はい!」
ダンディ先生の笑顔は優しい。
「じゃあ、麻酔入れます。少しびりびりするかもだけど・・・」
いつの間にか再登場した眼鏡先生は、ためらいもなく麻酔をIN!
「だんだん眠くなりますから」
「はーい、おやすみなさい」
「おやすみー」
最後に聞こえたのは、ペコちゃん先生の声だった。
びりびりもしなかったし、楽勝じゃん!などと思いながら眠った自分を覚醒した時に呪うことになる。

次回、『世界の片隅で・・・』

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