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ライブ用サブギター、買いました

交換したメインギターのペグは好調。チューニングの狂いも解消された。満足。以前のペグを固定していたネジの穴は木パテで埋めて、補修ペンでタッチアップ。子供時代のプラモデル経験や、大工の棟梁として働く父の元で働いていた時期の経験が地味に生きる。

問題のサドルは、削り直して交換したけどまたもイマイチ。弦のビビリを解消しようとすると弦高がなりすぎる、……ということはネックの反り具合がよろしくないのかな、などなど、いろいろと悩み中。

メインギターへのちょっとした不安に端を発し、「本番でトラブルが起こったら、アコギ初心者の自分はお手上げかも」と思うように。その結果、念のため、サブギターを用意した方がいいだろうという結論にいたった。

ロックバンド時代に、ギタリストたちは本番でよく弦を切っていた。自分もベースの弦を切ったことがある。自宅やリハスタで弦が切れる確率よりも、本番で切れる確率の方が高いように感じる。本番ゆえの力みや練習中とは違うステージアクションなどが原因だろうと推測しているが、何にしても本番中のトラブルはメンタルに響く。バンドなら、気持ちを立て直せるまで他のメンバーの陰に隠れることもできるが、たったひとりで勝負する弾き語りはそうもいかない。だからといって、機材トラブルを恐れて縮こまった演奏をするのでは話にならない。「サブギターがあるから大丈夫!」という状況で、思い切った演奏をするべきだ。買うしかないなサブギター。めっちゃ重要じゃんサブギター。あぁサブギター、サブギター。

しかしながら、弾き語りで天下を取るわけでもないので、そこまで高価なサブギターは必要ない。でも、だからといって弾きにくいのは困る。ということで、原付バイクで回れる範囲のハードオフなどなど中古品屋さんを7~8軒渡り歩いて、数100本のギターを見て回った。そして値段的にも折り合いがつく1本のジャンクギターにめぐりあった。

ジャンク品ゆえ、弦はサビサビで、チューニングしたところでその場で鳴りは確かめられない。でも、ネックの握り具合と、抱えた時に自分の体にしっくりする感じが気に入った。オンボロ感にもかわいげがある

値段とスペックが記入されたラベルには、メーカー名として「MORALES?」と書かれていた。なぜに「?」。

ギターを手に取って確かめると、サウンドホール内にMORALESの刻印があるものの、トラスロッドカバーにはMORRISのロゴ、ヘッドには元のメーカーロゴを覆い隠すようにYAMAHAのロゴシールが貼られていた。カオス。

不勉強な私はモラレスというメーカーを知らなかったのだが、店で一目見た後に家に帰って調べたところ、楽譜出版で有名な全音が70年代に手掛けたギターブランドであることが分かり、また、ブランド名の語感やロゴデザインがモーリスに似ていたため「にせモーリス」とイジられていたという情報をキャッチした。だからトラスロッドカバーがモーリス製に交換されていたのか? だとしたら前の持ち主さんはなかなかに遊び心がある。

全音が手がけたジャパンビンテージなら、きっと作りは悪くないだろう。「にせモーリス」と呼ばれていたというエピソードも面白い。そんなことも決め手になり、購入。税込み4950円。

買って帰り、まずはヘッドに貼られたYAMAHAのロゴシールをはがす。下から印刷の薄れたMoralesロゴが現れた。新しい弦に交換し、コードを奏でると……、うーん鳴りはイマイチ(笑)。良くも悪くもオモチャみたいな軽い音。ジャパンヴィンテージは個体差が激しいので、こればかりは仕方がない。でも、ただただ弾きやすい。「弾きやすいサブギターがある」という安心感が手に入っただけで満足だ。

また、詳しく調べたところ、ギターの型番はおそらくMF-120。数字から察するに、12000円で売られていたのだろう。ということはたぶん、エントリーモデル……だとしたら、鳴りがイマイチでも仕方ないか。などと推理、考察するのがけっこう楽しい。

MF-120 の写真と手元のギターを見比べると、トラスロッドカバーのみならず、ペグも交換されていたらしいことが分かった。「それならば」と、オリジナルに近いペグを取り寄せて交換した。トラスロッドカバーもノーブランドのものに交換。メインギターに続いて、ペグも、カバーも、小型の電動ドリルでネジ穴をあけ、古い穴は木パテで埋める。こうやって世話をかけていくことでギターに愛着がわく。

サウンドはいまひとつだけど、何かしらのピックアップを装着して、EQ月のプリアンプ経由でPAに送ればなんとかなるのではないかと、気が付けばMF120を輝かせる方法を考えていた。とはいえ、トラブルなくメインギターで本番を乗りきれるのが一番なので、心情的にはアンビバレンツだ。


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