気分とレシピ

クリスマスイブは、息子と近くのコーヒー屋さんで。息子はパンケーキをひとかじり。私はアイリッシュコーヒー。

夫の帰りが夜11時を過ぎるので、たぶん私は息子と先に寝落ちしてしまう。冷蔵庫にクリスマスツリーの絵を描いて、ささやかながらお祝いの気持ちを込める。

クリスマスの朝当日はチキンソテーでお祝い。本当は昨日飲もうと思って買ってきたスパークリングワインは今日の夜ということに。

「会社行く前に、一杯やってくかな?」

そんな夫の冗談が好きだ。飲み損ねたワインも、今晩おいしく飲まれることが分かったようで静かにおいしさを閉じ込めて眠っていてくれる。

気分がなんとなく浮ついて、いってらっしゃいのキスも、いつもより多めにしておいた。

朝から、1歳になる息子の散髪と爪切りを済ませる。息子の髪はさらさらしていて光が当たると本当にきらきらと光る。眠っているうちにしか切れないから、どんなバランスになっているのか想像しながら切る。でも、きっと左右非対称になる。髪の生え方も、量も、流れもすべて左右非対称なのだ。起きた時にしか、どんな塩梅になるのか、わからない。

そしてそれは料理のレシピにもあてはまる。

どんな調合にしよう。少し黒酢を足してみるかな。レモンを人さじ入れてみるかな、なんて。

鶏肉のソテーの汁に、バター、塩コショウ、塩こうじ、レモン汁でソースを作った。でも、なんとなく気分が乗って、まだまだ味にひねりを!ということでさらに豆鼓醤(トウチジャン)を加えてみた。

どんな味になるかわからない、もし、ここで入れずに終わらせるべきか、はたまたさらにごま油を入れるか、どこでやめるか。

そんな風に、レシピ作りは気分に左右される。

だから失敗することも多い。なんでもやりすぎ、やらなすぎが起こってしまうから。

今晩の夜に食べるチキンソテーと、ソースを絡めるのは今晩夫が帰ってきてから。息子の髪型も整うのは、起きて、夜お風呂に入って髪を乾かしてから。

これからはどうなるかわからない。

でも、気分によっていつもの行動のチョイスが変わるのが楽しい。時に思わぬ結果になって失敗に落ち込むこともあるけれど。

さて、息子はまだ寝ているし、コーヒーでも飲むとしよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?