弓道研究

最終更新2024年5月14日。
最新版は弓道研究[最新版]から

[自己紹介]
大学に入ってから日置流印西派の流派で弓術を学び始めました。
射法を解剖学的な観点から分析する方法が自分にとって理解しやすく扱いやすいと思い、身体の構造を土台として射技を探求しています。
まだまだこの道に足を踏み入れてから日は浅いですが、純粋な弓への興味ともっと自由に身体を扱いたいという想いを原動力に日々研究をしています。
この記事では、自分が弓を引いていて思ったことを元に仮説と検証を自分なりに行いまとめたものとなっております。
正しさを証明するためものではない事をご理解ください。
読者の皆様の気づきのきっかけになれれば幸いです。

<記号の意味>
[O]:自分の射に取り入れていること
[?]:検証段階
[X]:射に組み込むには再度要検討


次検証したいこと

  • 肋間筋の柔軟性を上げて、胸郭の動きを良くしたい。

    • 胸椎と肋骨は直接繋がっているので、胸郭に柔軟性がないことが胸椎が柔らかくならない理由であり、猫背・巻き肩が改善しない理由になっているのではないかと考えた。

  • 参考になる大腰筋ストレッチ&筋トレ動画を探す


足踏み

[○]踵が倒れていないか確認。倒れていたら矯正する。踵を上手く使えないと土踏まずが潰れたりする。踵が上手く使えない弊害に仙骨を立てれない、つまり胴造りができないことがある。

胴造り

[O]腰回り可動域を上げておく。ウォームアップ種目は仙骨割、伸脚、大腰筋ストレッチ。どれも骨盤の輪の中にある筋肉へのアプローチ。
<参考動画>


[O]内転筋群、腹斜筋、前鋸筋の筋連結を高めておく。
<参考動画>

[?]丹田は大腰筋を主とする重心操作?仙骨と腰椎の操作がどれだけ上手くできるかが鍵なのでは?→筋肉の力を抜いて骨同士が連結していることを感じてから筋肉を使って身体操作することが基本ではないかと考えている。

[O]胴が反ることに対しては、仙骨、腰椎、腰椎と胸椎の境目、胸椎のどこによるものか(複合的な場合もある)をよく見極める。

  • 自分の場合、仙骨とその近くの腰椎に問題があったことが、体の重力の感じ方の違いから分かった。

[○]打起しの馬手を楽に上げるために、仙骨と第5〜4腰椎が反らないように意識することが重要。(腰を反らさない)
腰を反った場合と反らずに意識した場合とで馬手の力まずに上げれる高さが拳二個分ほど変わった。
<参考動画>
仙骨割(下の動画)の3パート目の背中を丸めるところが参考になると思ってます。


[?]背中が反ってしまう、胸が張っている(楽な状態じゃない)、肩が巻いていることに対する対策。知り合いを見て気づいた事だがアメフト部の人達みんな肩しっかりしてる。
[?]腰椎と胸椎の境目を反らないように意識すると、前鋸筋あたりに力を入れやすい?

弓構え

[?]取り懸け時の馬手前腕の回転角度。
[O]親指を主として、他の指は軽く添えるだけ。
弓懸がなくても引くことができるよう意識した取り懸けと、弓懸を存分に利用する取り懸けが存在する。

取り懸け

手の内

1.羽引きで馬手と弓手の両方で肩甲骨下部の軽い外転を行い弓を軽く開く
2.弓手の親指の付け根を弓で押して人差し指付け根と離す
3&4.小指側から天文筋をつける。中指側から締めようとすると弓手の肩の先が力む一方で、弓の力を手の内で受け止めやすくなるのも感じた。
3&4.ちょうど体幹で弓の力が受けやすくなるくらいまで手首を入れる(入れ過ぎ→ベタ押し、入れなさ過ぎ→捻り強過ぎて手の内外れる)

打起し

馬手は肘を挙げて肩を落とし、弓手は馬手に釣られて上がるものの肩甲骨の下部が身体の中に入ってくるようにする
馬手主導
身体の癖で胴が突っ込む方に歪んでしまうのを修正するために肋骨最上部を馬手側にずらす。それ以外の肋骨では背骨をまっすぐに保つ。
馬手側の肩甲骨の外転を意識する。[?]この時肩線はどの位置に保つべきか。体の面より前か面上か後ろか?
肩線が的の後ろ方向にずれないように打ち起こす。

引き分け

引き分けが身体より前面で行われてしまうことが多い。=肘が前に残ってしまっている。
身体の面に弓を引き入れる。
上手く引き分けるコツは手の内を正しく作ること。


引き分け三分の二

[?]緊張したり少し不安になるとどうしても力が緩んでしまい伸びきれない。

[○]弓手の親指の付け根に目を向けてから的を狙う。

離れ

残心

的中

当たるコツは当てようとすることなのかもしれない。
俗に言う当て射は不純であるとして避ける人も多い。自分もそうだった。実際正射必中と言う言葉があるくらいだから間違いではないはず。だけど当てようと思わなければ当たるはずもない。当てようとしてないのに当たるのはそれは暴発と同じなのではないかと思う。

弓懸

着付けの利用

[O]帯は腰骨に添える程度で巻き、
[?]帯による骨盤の固定を用いる方法も存在するが、自分にとっては全身の力みに繋がってしまったので、帯を寛骨の頂点より下できつく縛るのは向いていなかった。体の力みが出ない人には骨盤を帯によってもを固定できるので的中が安定するかもしれない。→密息という技術を見知ってから骨盤を後傾させて固定(サポート)する方法が利用できるのではないかと考えている(未実践)
<参考動画>


矢所

[?]前下に飛ぶのは何故だろうか。

  • 手の内が効いていない?(前に飛ぶ原因)

  • 引き尺が足りていない?(下に飛ぶ原因)

  • 胸郭が縮んでいる?(前おさまり=引尺不足&弓手の前ブレ⇒前下に飛ぶ)

[?]後ろに飛ぶ時は胴が突っ込んでいて馬手が引ききれない→肋骨のずらしを使えば良い?

呼吸

密息」という呼吸法を活用できるのではないかと考えている。
息の吸う吐くにも色々なパターンがある事を知った。横隔膜の操作を考えた事もなかったので練習中。
前鋸筋と菱形筋を意識して深呼吸の吸う方を行うとかなり深く吸えるようになることが分かる。
逆にこの二つの筋肉を緩ませながら息を吐き切ろうとすると深く吐けることにも気づく。
[○]引き分けの際に前鋸筋と菱形筋を使えたらより弓の力を体の面の近くで受けれると考えているので、引き分けの際に息を吸いながら弓を引いたら引きやすくなるのだろうか?
→試してみたところかなり引き分けが楽になった。研究しがいがある。→密息とも関係ありそう。吸う時に肋骨を広げるだけじゃなくて横隔膜でも肺圧変えられたらもっと楽に引けるのかも。
[?]打起しの時は呼吸はどうしたらより打ち起こしやすくなるか?
[?]詰合の時に息を吐きながら骨格に弓の力を乗せることができるのか?つまり引き分けの際に利用した筋肉を会で少し休ませていくような引き方ができるか?

<参考動画>


武道への向き合い方

文化は保守するだけでは廃れてしまうと思う。何故なら元あったものを100として、その保守をするだけでは100が理論値となり、一定以上の減衰率で後代に伝わってしまう。つまり100だったものが99として伝わり、さらに97,93,93,90,89…といった具合に時間を重ねるごとに縮小された文化が伝えられ、最後には風化してしまうと思う。

では守るためにやるべきことは何か。

それは守りたいと思う文化・後世まで伝えたいと思う文化についてできるだけ多くの文化をできる限り深く学び、探求して、その文化の先の新しい文化を見つけ出すこと。そして様々な分野の研究家達と議論を交わし切磋琢磨すること。
これこそが武道だけにかかわらず、何事においても取り組んでいく上で大切な考え方だと信じています。

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