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運命と縁の春、いい夏にする

 3/20はZINGSのお見立て会があり、先日3/27はAnimeJapan2022があり、なんだか怒涛の3月末が終わった。
「自分の作品のキャラクターを演じる声優さんがデビューイベントみたいなのをする(?)のを見られるのは人生でこれが最後であろう」ということで久々に上京した。

駅に掲示された神クズの広告

 結論から言えばお見立て会は素晴らしかった。
素晴らしかったと言おうか何と言おうか、自分の頭の中、原稿の上で動いている仁淀と吉野くんの衣装をまとった今井文也さんと堀江瞬さんを実際に目の当たりにするというのはなんだが脳がバグってしまったような出来事で、それにただただ圧倒されていたという感じである。

 イベント配信開始まで関係者は全員同じ控室で待機するらしかった。
ええっ、マジかよ……。と思った。やだわ。緊張する。
入室した瞬間「先生ーーっ!お疲れ様です!」と皆様に声をかけられ、私は縮み上がるような気持ちになった。数時間前まで舗装もされていない道に干からびた大根の葉っぱがトラクターで押しつぶされて張り付いているような田舎で過ごしていたオタクが、なぜ皆に椅子を立ち上がらせてまで迎えられているのだろう……。

 今井さんと堀江さんは部屋の向こうの方でヘアメイクをされているようだったが、動転してあまり見られなかった。
冷静に考えて欲しいのだが、声優さんがイベント前にヘアメイクをされているというような光景をオタクが見ていいのは15000円(+税)払って公演ブルーレイのバックステージ映像を見ている時だけである。なんなんだ。15000円払わせてこの場に居させてほしい。そうじゃなくてもバックステージ映像に自分が存在することはありえない。

 イベントを現場で見学させて頂きながら、編集さんは「声が出せないから、ヤバイと思ったら手を握ります(歯医者?)」と言って私の手を握ってくれた。だいたいの時間はヤバかった。

 今井さんはお若いのに本当に落ち着いてらっしゃって、配信には乗っていない瞬間も堀江さんと話していたり一体いつ緊張されているのか、それともそれを悟らせない術を持っているのかわからないが安心感がハンパではなかった。
それにしても、もし大金が手に入ったら…?という質問に「ビル貸し切ってパーティする」と答える方は初めて出会った気がする。私も戦いていた。こういうところが速水奨さんにはへぇ、おもしれー若者…て感じで愛されるのかもしれん……

 堀江さんはとにかく絶妙なテンションでいちいち面白かった。今井さんのまぶしいプロフィールにどんどん心が離れていくような振る舞いは俺たち「陰」オタクを安心させてくれたが、「田舎だったんでやることなくて勉強ちゃんとしてた」という回答には同じ愛媛に住んでいたはずなのに真面目に学問に取り組んでこなかった作者を怯ませた。妙だな…。

 途中作者のツイッターの反応速度がヤバ…ということが話題になったが、私はその瞬間もツイッターで実況している真っ最中だったので反論の余地がなかった。
なぜか「現地に行ってない…と見せかけてじつはちゃんと来れてたよ~~~ん!!♪」というネタバラシを配信後にしたかったので東京に来ていないかのようにツイッターで振舞っていたのが(何のためにですか?)あだとなった。 いやだって、実況タグが盛り上がってほしくて…。

 ライブパートであるが、私はもう恋BANGのあたりは照れて照れてちゃんと直視できなかった。初っ端のおっはよう子猫ちゃん~のあたりでネコチャンポーズをされているのを見て「うわあぁ!!!!!!!!!!!!!!!!か、歌詞に対応した動きだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!/////////////」と度肝を抜かれてしまったのだ。踊りとか見るの、初めての人?
そしてひたすらに歌が上手い。歌が上手い人というのは誰しも人生で何人か出会ったことがあるだろうが、声を商売道具とされている方の歌というのは近い距離で聞くと「ええ…?なんか、うますぎて、コワぁ……」というレベルなのである。あまりのことに編集さんに手を握ってもらった。

 MORNINGではちょっと落ち着いてステージを見られるようになった。(まだ直視はできないので、ステージに対して体を左75度くらいに傾けて見た)ステージ照明の水色と黄色がまぶしく、ウワーッきれい……朝の光だ…とうっとり眺めているとなんかいい歌が始まった。
ええ…?なんか、これって……スゲーいい歌じゃん……。
いい歌だよ。なんかもう、10年後くらいに今井さんと堀江さんのファンになった子が「何でもいいからこの人の歌を聴きたい!」って集めた時に神…クズ…?ってマンガは読んでないけど、これすごいいい曲ー!ってなるみたいな光景をひとり想像して胸が掻きたてられた。

 アニメになるってこういうことなんだよな、色んなプロの方が神クズという名目のもとに様々なプロの技を持ち寄ってくださり、ベストな仕事をして下さってるってことなんだよな…と思うと本当に不思議で不思議でしょうがない。

 テンションの差と役柄のテンションの差によって陰陽太極図みたいになったイベントが終了したあたりで、堀江さんから声をかけていただいた。
先生、ファイルーズあいって知ってます?
知っているっつうかぁ、最近オタクをやっていてよっぽど声優さんに疎いんです…というオタク以外は大体知っていると思うが、私はちょっと事情が違っていて、そもそも私はファイルーズあいさんとはデビュー前からの友達(ダチ)だったのである。

 ある日突然友達が声優・ファイルーズあいとしてデビューしたと知った時は、エエッ!?すげえ~~…!!頑張ってほしい!!とひたすらビックリしっぱなしであった。 ビックリならまだしも、なんか私がぼーっとしている間に圧倒的な実力でスターダムを駆け上がり、相席食堂に出て、空条徐倫を演じるまでに至ってしまった。
 もはやここまでくると(あのファイルーズあいちゃんって…ウチの友達なんだよねー♪)とひっそり思うことも恐れ多いというか……。
ていうかもう純粋にフツーにファイさんの演技が好きなので友達という視点抜きで「ファイルーズさんの演技ええよな✋めっちゃ好き✋ファッションもかっけえ✋✨」というテンションに落ち着いてしまっていた。

 そんなわけでいきなり堀江さんからファイさんの話が飛び出して飛び上がったが、
「事務所が一緒なんですけど、なんか昔ファミチキ一緒に先生と飲む話とかしたって聞いてて。先生に会ったらよろしくって言ってました。
会いたいって言ってましたよ😊」と伝言してくださったのだ。

 わざわざ堀江さんに一報入れてくださったファイさんの人情、それを伝えて下さる堀江さんの優しさ、そしてファミチキ飲み話(ファミチキって食うっつーか"飲む"よな✋みたいな話ばっかりしていたのである)が一気にグワッと襲い掛かり、感動やら恥ずかしいやらでアッ…アア…と訳の分からない返事をした。
陰キャ故、人の心の片隅に己の存在を留め置いていただいてたということがあまりにも嬉しくって…楽しくって…(secret base)

 もしファイさんが声優にならなければ、堀江さんとファイさんが同じ事務所の同い年でなければ、私の漫画がアニメ化しなければ、吉野くんの声が堀江さんでなければ、今日東京に来なければ……
一つでも違っていれば今日この瞬間はなかったかもしれないと思うと縁の、運命の繋がりのワンダーを感じずにはいられなかった。

ラジオでも「不思議な縁」として話してくれて嬉しかった✊
絶対早く一緒にファミチキ飲める世の中になってほしい✊

そして1週間後の3/27はAnimeJapan。
私はさすがに現地には行けず、自宅で配信を視聴させていただいたがもう…ホントにぃ…よかったよね

 冒頭の掛け合いもかわいかったのだが、ZINGS役のお二人が衣装を着られることも知らず、その上東山さんが合わせてピンクっぽいお召し物で来られることの興奮でワヤになってしまった。超HAPPY~~~!!
そして現地観劇のお客さんがいる。 このことが本当にうれしくて…。
やっぱりお見立て会の時、私は「作者なんかよりも今井さんのファンの方、堀江さんのファンの方、神クズのファンにここにいて欲しいよ、いるべきだよ…」と思ってしまったので、現地で「そう」なっていることに感無量だった。

 しかも応援うちわ!作って持ってってくださった方本当にありがとうございます!!!あのステージに、空間にうちわが存在していること、それがめちゃくちゃ嬉しい。だってそういう漫画をずっと描いてきたから……。
うちわを持っていったファンの方、ステージ上で受け止める声優さんのうつくしい光景を見せていただいて……なんかこれだけでも漫画描いてきて報われたって言うか…。

 東山さんがいらっしゃることでお見立て会とはまた違った雰囲気になっていて、両方見ていただいた方も楽しめたのではないでしょうか。
私は東山さんをお見掛けするたびに「こんな、最上アサヒみたいな女性がほんとにいるんだ……」と呆然としてしまうのですが、今回も言葉の端々からそれが感じられて…もう…良かった。
ぴょこぴょこ笑顔で動いて、元気で、ZINGSのお二人を気にかけて、仕事が大好きで……す、すげえよ。
 キャラクターに声が付くってなんかこれも運命というか、架空の人物に現実の人間の声が、演技が調和するって本当に途方もない偶然と時間の結びつきだよなあ……と常々思います。

 恋BANG振り付け講座、楽しかった~~~!!
今井さんってあんな…振り付け講座しながら低いトーンでさらっと歌っても歌うまいの、怖いな…。すげえ…。そして振り付けが可愛い……。
早くこれをみんなでライブでできるようになってほしい…。私はそこにフラスタを出したい……。

 そして突然キモオタのツイ垢が2週連続で公開処刑されるという前代未聞の出来事も起こりましたが、楽しかったので良かったです。

堀江は「この作品は設定がぶっ飛んでいるのもそうですが、何より『神クズ☆アイドル』を応援しているオタクたちにもスポットが当てられているのがとても面白くて。ノリがすごくリアルなんですよ。きっといそふらぼん先生もオタクなんだろうなって。ぜひ作品と一緒に、先生のTwitterアカウントもチェックしていただきたいです」とアピール。
~略~
今井は「アニメならではの笑える要素もたくさん入っています。いそふらぼん先生のTwitterアカウントをフォローしていただくとわかると思うんですが、あの先生だからこのセリフが生まれるんだなと。この場で僕も、先生のTwitterアカウントを宣伝させていただこうと思います」と伝えて、ステージは締めくくられた。

https://natalie.mu/comic/news/471408

アニメジャパンをキモオタのツイッターで締めくくるな

 今回の上京、かなりスケジュールに余裕を持って組んだのでまる1日ぽっかりと空いてしまい、何をしようかな~と唸っていたところフォロワーから「じゃあうちに遊びに来ませんか!?」とお誘いを受けた。
昨年テニプリにハマってできた友達で、通話アプリを介して彼女と、彼女の6歳の娘さんとは何度も話したことがあったため図々しくもお宅にお邪魔することにしたのである。

 彼女の家の最寄り駅には初めて降りた。
スーパーもあり公園もあり、さぞ子育てがしやすい土地なのであろう、そこらじゅうで親子連れを見かけた。
田舎にはもう子供はおろか人間が滅多にいないのでこのような次世代の命が芽吹いている光景がやたらと新鮮で、この町に来た記念に待ち時間でドラッグストアでマスカラを買った。(地元で買えるやつ)

 お宅にお邪魔してからはマリカーをスーファミぶりに遊んだり、娘さんがイチゴのヘタを切るところを見学したり、マジックテープの的当てをしたり、追いかけっこをしたりフリスビーをしたり、旦那さんがコーヒーを淹れて下さったり、「肘樹先生はお母さんの友達なんだよ!?お母さんとも遊ばせてよ!!」とモメる親子を眺めたりと、数時間ながらあまりにも充実した時間を過ごさせていただいた。

 今年の夏はテニミュのルドルフ・山吹公演があるのでそれに合わせてマンスリーマンションを借りて数か月上京しようかと思ってるんですよね、という話をしたところ、
「絶対にそれがいいよ!!!それでいっぱい遊びましょう!!!いい夏にしましょう!!!」と力いっぱい言ってもらった。
娘さんは私とスイカ割りと花火と追いかけっことパン作りがしたいらしい。

私は、ぼくのなつやすみとかひぐらしのなく頃にに出てくる「よくわからねえけど夏に暇そうにしてる変な大人」になれる人生で最大のチャンスかも……ということにハッとした。

 神クズのアニメも夏だし、もしかしたら今年の夏は人生で一番思い出に残る夏になるのかもなあ、と思った。そりゃそうだ。自作品がアニメになる季節二度とない(大手作家を除く)
まあまだ何があるのかわかんないけど…。

去年の夏は、一人で夏を拾い集めるような夏だった。

なんとなく今回の色々で「ああ人に会うのって、人と人の結びつきって面白いなあ」…と強く感じたので、今年の夏は運命やら縁やらに自分で頑張って食らいついていく夏にしようかな、と思いました。
時勢が許せば色んな人に会ってみたいし、なんとなく自分の人生ではできないと思い込んでいたいろんなことをやってみたい。

とりあえず、パンの作り方復習します。漫画も描きます。
素敵な3月でした。

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