小説の鬼門_中だるみや説明シーンを_どう乗り越えるか_

小説の鬼門、中だるみや説明シーンをどう乗り越えるか?

*有料設定ですが、ほとんどは無料で読めます

小説を書く人の悩みポイントというのは、驚くほど似通っている。

それはアマチュアでも、プロでも大きくは変わらない。
クライマックスや最初から書きたいというシーンはスラスラっと筆が動く。
あるいは、書き出しは得意という作家もいて、序盤もラクに書ける。

ところが、一度書きたいシーンを書き終えて、次の盛り上がるシーンにいたるまでの途中、ここが難しい。
とたんに筆が鈍り、そして描写もなんだかダラダラっとして、魅力に欠けてしまう。
そんな悩みを持っている人が多い。

なかには盛り上がるシーンだけ書けばいいと考える人も多いが、これはそのやり方を試してない人の意見だ。
誰だってそうしたいさ。
でも実際に書いてみると分かる。理想と現実は一致しないから創作は苦しいのだ。

盛り上がるシーンだけで繋げようと思うと、かえって違和感がひどくなってしまう。
飛び飛びのぶつ切りになったり、テンポが悪く読めたものではなくなってしまう。

そこで、私がプロとして気にしている解決法を伝えたほうが良いかな、とTwitterで呼びかけたところ、それなりに反響をいただけたので、やりかたを紹介したい。

ポイントは3つある。(有料ではもう一つ根本的な考えを紹介する)
自分の作品に合わせて採用してもらいたい。

ポイント1 軽口の応酬で切り抜ける

これは大切なことなので肝に銘じておいてほしい。
中だるみしやすいシーンは、必要な情報を伝える必要があるときに生じる。

でも説明なんて誰も読みたくないのだ。
読者が読みたいのはストーリー。
例外があれば、お仕事ものの細やかなディテールの部分ぐらいではないだろうか。(これは知的好奇心を満たしてくれる要素が含まれてる)

会話文を中心に話を繰り広げると良い。
しかも軽口は読んでいても軽快でテンポが良い。
ギャグはセンスが必要になるが、軽口の応酬は相当ひどいセンスでなければ許容してもらえやすい点も強みだ。
恋人として、友人として、相棒として、ライバルとして、切り口は様々に用意できる。

軽口を言うキャラじゃないんで……と設定で悩む作家さんもいるかもしれない。
誰に対しても軽口をいう必要はない。親しい人間だったら、自然と出てくる会話文を心がけよう。そこには一定の軽さを伴うはずだ。
また登場キャラの多様性を確保するためにも、そういった人物を一人用意しておくと話を進めやすいのでオススメだ。

軽口は『自然と別の意見を言う』のができるのもポイントの一つ。
同じ意見ばかりが集まると、物語が単調になってしまう。
反対意見や別の意見を織り交ぜよう、と考えれば筆も進みやすく、テンポも確保できる。

ポイント2 情報をご褒美にする

ただの情報には興味はない。
だが、それが苦難を乗り越えた後にようやく手に入る貴重な情報なら?

一例をあげよう。
バトル物に多い、戦った後にようやく情報が手に入るシーンは多い。
これは、説明シーンの速度低下の影響をできるだけ下げたい、という思惑がある。

急から緩へのメリハリだって生まれる。
実はそれだけではなく、情報の価値自体を高めることで、読者の注意を引きつけることができる。

でもバトルものじゃないし……と悩んでしまった方もいるかも知れない。
大丈夫。方法はなにもバトルに限らない。
ちょっとしたお使い、あるいはゲームでも良い。知能ゲームを用いてもいいし、運否天賦でも良い。(私はお使いイベント自体好きではないけど)
とにかくただで手に入る情報は価値が低いのだ。

説明シーンを入れる前になんらかの課題を主人公たちに課してしまおう。

ポイント3 場所を移動させてしまう

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移動シーン、とくに風景描写を交えてしまうというのは良い手。
とくにこれまで行ったことがない場所、さらに提供される情報に関連した場所なら効果が高い。
これは未知の場所という人が無意識に好奇心や興味、警戒を示す描写と交えることで、テンポの悪さをごまかす方法だ。

ありふれた景色の一つだとしても、それをなんだか魅力的に表現することが重要。
こんなことを書くと心配になる人も多いけれど、現代日本の東京を舞台にしてさえ、その場所を実際に訪れたことがある、という人は少ない。

訪れたことがある場所でさえ、大体の人はしっかりと繊細に記憶していない。分かった気になってるだけ。
細やかな描写をしてあげれば、自然と惹きつけることが出来ます。

無料で読めるのはここまで。
あとの一つは有料ですが、おおよそ大切なことはお伝えしました。

これら3つを組み合わせるだけでも充分な効果を期待できます。
しかもこれらのテクニックが良いのは、同じ手法を繰り返しても(たとえばバトルの後に毎回情報を得られても)多くの人はそれを単調とは感じにくいところです。

1→2→3→1といった提示の仕方をすれば、ますます気にする人は少なくなります。組み合わせ方はご自由に。

有料の方には、テクニックではなく、あらゆる利用の仕方ができる考え方自体をお伝えします。(あと折角なのですぐに使える礼を5つ用意しました)

ぶっちゃけ自分の頭をしっかり使って利用できる人は、上の1~3を利用して、工夫したら良いです。有料なのはその手間を省くためだけのものです。

無料でOKって人は、スキを押してもらえると嬉しくて、また次のnoteを書く強いモチベーションになりますのでご協力ください。

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