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三島せせらぎ音楽祭の事前学習 part2

昨日に引き続き、今週末の2/10に開催される三島せせらぎ音楽祭を聴きに行くことにしましたので事前学習として、調べたものを書いています。

本日はパート2ということで、一部の曲について書いてみます。
調べてみると今回の演目は原曲に編成を追加しているパターンが多いと思うので、原曲をなんとなくでも聴いてみて、その違いを楽しむのもいいかもしれません。
以下にSpotifyでまとめたプレイリストを載せておきます。

それでは本編へどうぞ!

♦︎モーツァルト:ディヴェルティメントK.138

モーツァルトが16歳の時に作曲した作品です。
基本編成はバイオリン2本とヴィオラとチェロの弦楽四重奏。
3楽章で構成されている12分程度の曲で、モーツァルトの代表作のようです。
軽妙なテンポとリズムからなる1楽章、ゆっくりとしたテンポで優雅さを醸し出す2楽章、早いテンポに戻り各々の楽器がより細かく動きまわる3楽章といった感じです。

ディヴェルティメントとは曲の種類の名前で(たとえば交響曲、みたいな括り)イタリア語で「楽しませる、愉快にさせる」と言った意味で貴族の食卓・娯楽・社交・祝賀などの場で演奏される曲なので、この曲もまさに貴族の会合などで流れていそうな雰囲気のある曲です。


♦︎フォーレ:子守歌

この曲はヴァイオリンとピアノのために書かれた4分程度の作品です。現代ではフルートやチェロなどの楽器演奏されることが多いようです。
6/8拍子という、「タンタンタン、タンタンタン」と進んでいく拍子で書かれているので、なんとなくリズムを踏みたくなるようなテンポ感で曲が進んでいきます。
子守唄というタイトルですが、個人的に聴いている印象は昼下がりの少し落ち着きたい時間帯に聴きたくなるような曲だな、と思いました。


♦︎フォーレ:愛の歌

前述の子守唄と同じ作曲家の作品です。こちらは歌とピアノの編成で、シャンソンというフランス語で歌謡という意味を持つ歌曲です。
2分弱という短い曲の中で調(曲の雰囲気のようなもの)がいったりきたりするので、二つの表情を持つ、情熱的な曲だと思います。



♦︎クライスラー:美しきロスマリン

この曲はヴァイオリンとピアノのために書かれた曲。こちらも2分弱という曲で、その軽妙さと曲の構成からコンサートのアンコールなどでよく演奏されているようです。
ロスマリンとはハーブとして有名なローズマリーの事ですが、この曲においては美しい女性の象徴をイメージされているとのこと。
その曲名の通り、三拍子のリズムの軽妙さの中にどこか気品があるような優雅さが聴きとれる曲になっています。
他に「愛の喜び」、「愛の悲しみ」という三曲を合わせて一連の作品として演奏されることも多い曲だそうなので、お時間があれば聴いて見てはいかがでしょうか?


♦︎アイルランド民謡:ロンドンデリーの歌

この曲はアイルランドに古くから伝わる民謡ということで、作曲者は不明。
アイルランド民謡として最も有名な曲であり、北アイルランドの国家的な扱いにもなっている曲です。
皆さんも一度は聞いたことがある曲ではないかと思います。
世界中で愛されている名曲で、様々なアーティストが様々な楽器で演奏をしています。

曲の特徴として、ゆったりとテンポで神々しいメロディーが奏でられ、曲が進むにつれて徐々に楽器が増えていき、中間部で一度ピークを迎えます。
そこから再び弱奏部に入り、クライマックスに向かっていく、というようなスタイルで演奏されることが多いです。
演奏する人によってテンポ感なども変わってくるので、その辺も聴きどころの一つだと思います。
私自身学生時代に何百回と演奏した思い入れのある曲でもあり、非常に楽しみにしている曲の一つです。
音源は私の大好きな吹奏楽団の演奏を載せておきます。
おそらく当日の演奏とは雰囲気がガラッと違うと思いますが、同じ曲なのにこれだけ差が出る、という楽しみをしていただけると思います。


♦︎サンサーンス:白鳥

室内楽編成の曲で最も有名な組曲の一つでもある「動物の謝肉祭」の中からの一曲で、14曲中13曲目に演奏されます。
その有名な組曲の中でも、白鳥は1番親しまれている曲ではないかと思います。
原曲の編成はピアノとチェロ。
テンポがゆっくりでかつ、6拍子なので、一つのフレーズの時間が長くなるため、非常にゆったりとした雰囲気が出てくる曲になっています。
曲名にあるように白鳥をイメージして作曲されており、メロディーは静かに死に向かう白鳥を、伴奏は湖の儚くゆらめく湖を表しています。

ちなみに余談ですが、「動物の謝肉祭」という組曲は作曲者の知人のパーティでうちうちに演奏するために作曲された曲です。
そのため、随所に他の作曲家の作品のパロディなどが散りばめられているので生前に出版されることはなかったそう。
しかし、この白鳥は完全なオリジナルで当時から名曲だと言われていたため、白鳥だけは出版され公表される、と言った状態だったとのこと。
この曲もぜひ組曲全体を通して聴いていただけると、当日より楽しめると思います。


♦︎R.シュトラウス:献呈

こちらは元々あった詩集に曲をつけた作品で、8つの曲から構成されるうちの一曲となります。
詩に曲をつけているということで、ボーカルのために書かれた曲となっています。
冒頭にくる「献呈」は自堕落であった自分を救ってくれた恋人のための感謝の歌です。
2分弱という短い尺の曲の中で、フィナーレに向かっていく過程で徐々に情熱的になっていく様は心が震えるような想いがこもっているように感じます。
今回はバックに弦楽器やトランペットがいるので、より表情豊かで情熱的な演奏が聴けるのではないかと楽しみにしています。


♦︎ショパン:バラード第1番

皆さんも一度は名前を聞いたことがあるであろう作曲家、ショパンの作品です。
ピアノのための曲で、9分半ほどの尺なので一部の選曲の中では格段に長い方に入ります。
力強い単調の和音(ちょっと不安に聞こえる音の重なり)から始まり、ゆったりとした、けれども緊張感のある旋律が続きます。
徐々に次のモチーフが散りばめられはじめ、テンポがあっていき曲も盛り上がりを見せはじめ、重苦しくもテンポの早い、緊張感のある展開が始まります。
そして一度テンポが揺り戻され優雅なフレーズが響き渡り、曲が進むにつれてピアノの端から端までを使うかのような激しい演奏が繰り広げられ、そのまま終幕まで向かいます。
ここまでの曲の中で、1番ザ・クラシックといえるような曲となっているので、いいアクセントとして楽しめるのではないかと思います。


♦︎フンメル:トランペット協奏曲より第3楽章

前の曲とは雰囲気がガラッと変わり、トランペットの協奏曲が入ってきます。
この曲はトランペット向けの作品の中でも古典と言われているくらいメジャーでオーソドックスで、非常に難しい曲だと言われています(違う楽器の私でも聞いたことがあるくらい有名な曲です)。
3楽章からなるの最後に演奏される楽曲で、早いテンポで軽妙な音楽、広い草原で馬が駆け回っているかのような曲調です。
細かいフレーズが続くので、演奏者の技術すげーーー!となる曲だと思います。


♦︎チャイコフスキー:バレエ組曲『くるみ割り人形』より花のワルツ

この曲はバレエのために作曲されたくるみ割り人形という組曲の中からの一曲。
この組曲は3大バレエと呼ばれるくらい有名で、その中でもこの花のワルツは特に有名な曲なので、一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。
冒頭のカデンツァ(自由に演奏すること)のあとは優雅なワルツが繰り返えされます。
ワルツの中で楽器同士が掛け合うのが非常に面白く、この曲の聴きどころだと思います。
いくつかの管楽器と弦楽器の掛け合いが持ち味の曲なので、今回の編成でどうアレンジするのかは非常に楽しみなポイントでもあります。



以上、第一部の解説でした。
本当は作曲者まで掘り下げたかったのですが、時間の関係上断念。。。

明日は第二部の更新ができればと思っています。
それではおやすみなさい!


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