義父に納める蛸 男性育休記31/68
さて、この日は「たこの柔らか煮、ほたての昆布締め」というメモが残っている。前日に魚屋に行っているので、昆布締めは前日に仕込み、たこは圧力鍋で作ったはずだ。これはもう日記というか、ただの献立記録だが、そこからなんとか日記を完成させたい。
まず昆布締めについて。
昔から、鯛の昆布締めをよく作る。
昆布締めを作ると「すごいね」「こんなの家で作れるの?」と良く言われるのだが、なんてことはない、白身魚の場合なら、少しだけ塩を振っておいてから、昆布を巻いてラップを巻いて冷蔵庫に一晩入れれば完成する。おにぎりを作るのと似たようなものだが、力加減は関係ない分おにぎりより簡単だと。この難易度の料理で、美味しいし喝采が得られるのでコスパが良い。鯛は、近年結構安く柵が買えるし。
あとは、刺身にするときに凝った盛り付けにするとよりウケる。私の場合は、鯛の赤白の濃淡を生かして薔薇の花びらのように盛り付けてご馳走感を醸している。シソを敷いたりワケギを散らしたりしても良い。
得意料理とはいえ、いつまでも鯛を昆布締めし続けるのも飽きてきたので、昆布締めについていろいろ調べてみたところ、白身魚でなくとも別になんでも良いということがわかった。試しにホタテをやってみたらアホみたいにおいしかったので、必殺メニューの一つになった。旨味の掛け算である。
続いて、たこの柔らか煮だ。
たこを一口大に切り、醤油、みりん、酒を1:1:1、砂糖を適宜入れて煮込めば良い。圧力鍋があればトータル10分ほどでできるが、なくても3-40分煮込めばよい。たこは高いので、大根をたこと同量程度入れても良い。酒のアテにするつもりなら、気持ち醤油の比率を高めるとなお良い。
妻の父、隣に住む義父がたこが好きなので、これを差し入れてコツコツ好感度を上げている。
義両親について、ちょくちょく登場するので紹介しておく。
義母は、本当はさすが専業主婦40年、私など足元にも及ばない料理スキルをお持ちである。だが義母が血糖値が高く、義父は血圧が高いため、平素に家庭内で食べるものは低糖質かつ減塩の仕様。つまり、すべて薄味だ。
だから、酒のつまみに特化して磨いた私の料理は、義父に刺さりまくる。毎回「美味しかったです!」という感想とともに洗った皿を返してくれる。だが、あんまりやりすぎると義母のメンツと義父の血圧を害するのでたまににしている。お義父さん、お言葉ですけど感謝の言葉はお義母さんにこそ言うべきです。
まあそんな感じで、我ながら甲斐甲斐しくマスオさんしている。私自身は別に要らないのだが、2歳児と0歳児のためにこの義実家を静かに侵略している。土地も家も奪っていこうと思っている。
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