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こんのひよせ
2021年8月6日 14:15
昼過ぎに降り出したひどい雨は夕方前にやんだ晴れた空の中にぽっかりと拳を突き刺して穴を開けてみたら虹になった七色のひかりに乗っかって吹き飛ばされて煽られて降り立つ知らないどこかの街で誰かと握手をしたい名前を呼ばれた気がして振り向いてみたら黒い野良猫が大きなあくびをして丸まって陽だまりを呼んでいたせまい世界に生きるわたしたちにきっと今日も降りそそぐ太陽のような優しさ触
2021年4月16日 16:46
くちびるにピンク色をのせた春風がすこしだけ背中を押してあなたのとなりまでわたしを走らせた日が暮れるまでにきっとキスをするふたりはまだ青い空の下視線が合う瞬間を避けながら手探りで恋をしてる詩の墓場
2021年1月14日 02:50
透き通った冷たい風が金色の月の上を瞬いて遠い遠い思い出の涙のような雪を運んでくるのです私たちは透明のエレベーターに乗って上空へと舞い上がり遥か頭上から水色の街を見下ろすでしょう小兎のように揺れる灯りを見て胸の中にほんのすこしの後悔やため息のような安堵手の届かない憧れを抱くのでしょうもう誰も訪れることの無い物語の中の風景を優しく儚く抱きしめて私たちは今夜夢の中で
2020年12月24日 05:03
三月の甘い雪みちしるべのようにそっと落ちる眠りからさめた仔うさぎはあたたかいベッドでまだ夢を見てる消えないでぬくもりささやかな欲望三日月のようなあなたのくちびる冷たい雪 ふれてとけた歌にならない詩がたまってきたのですこしずつ吐き出していこうかと思っています。
2020年12月24日 05:08
びしょぬれの靴底から冷え冷えと夜が沁み出した冷たいなって思ってるのが本当に自分なのか分からない空の星が落っこちてもたぶんだれも驚きはしないだろうこの街は服を着た風船の旅人達しか歩いていない野良犬が吠えてるひとりきりで吠えてる錆びた自転車にまたがって暗い海まで走ろうかそれともいっそ宙上の月までロケットを飛ばそうか交通情報センターからのお知らせは今日も変わらずどこ
2020年12月24日 05:15
たとえば暗闇のなかにぽつんとひとつ光があってそれを出口だと思うか入口だと思うか判断はシンプルに明確な基準と確固たる信念をもってニュアンスとフィーリング感覚を尖らせた先にある、知性メンタリティ歌詞にならない詩を載せています。詩の供養。
2020年12月27日 14:55
長い髪を切りたくなったのは誰かのせいじゃなくて水たまりの中で揺れる陽炎飛び越す影はきっと日差しの切れ間を探してたどり着いたビルの屋上でとっくにぬるいサイダーひとつ君と飲んで 少し笑って麦わら帽はどこかに飛んでいった真っ青な空と入道雲体ごと心ごと夏に飲み込まれそうそのままわたし行方不明少しずつ長くなる夜君が時計を見る前に水たまりの中へはねるビーチサンダル浮かれ
2021年1月3日 04:44
冬の眩暈冷たい空気に肌が驚いて脳は動きを止める一瞬の暗転のち白い世界への転進しらしらと雪は降りゆく積もるもののなかに見えるあの光はなんだ停止した秒の奥へと柔らかく延びる白昼夢通りすぎるカラスに気をとられてその時は過ぎてしまった目を凝らしても視点は拡散して届かないけれど私は確かに見たのです彼方から送られた信号を緩やかな眩暈のなかで歌詞にならない詩を載せてい
2021年1月8日 02:07
生きてるものはみな死に向かって行進してる足並みはバラバラにでもたしかな道をひたすらに行進してる死とはどこにあるのだろうかわたしの死とみなの死は、どこか違うところにあるのだろうか道端に咲く花の枯れる様を見てわたしは細くちいさく嘆くわたしの人生の枯れる様を見て心を痛めるものはあるだろうかせめて夜は死への行進を彩る花束を歌詞にならない詩をのせています。詩の供養。