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スタバと娘と私。

中学生の娘が、「今日帰ったら友達とスタバで勉強するんだ」と言った。

今日は平日。
定期テストが近いので部活動はないとはいえ、帰宅するのは夕方だ。
それから友達と自転車でスタバに行って、日が暮れないうちに帰ってくるという。

私は反射的に言った。

「夕方からだから時間ないでしょ?」
「スタバ高いのに…」
「友達と勉強するって言っても、結局おしゃべりして終わり、とかねぇ」
「先生は良い顔するかなぁ…」

娘は少し悩んだ様子を見せた後、
「まぁでもそれも経験だから!」と言って登校した。


私は出社後、心にモヤモヤとしたものを感じた。
娘のためを思ってしたアドバイス。

でもそれは、「私がありたかった姿」だろうか。


娘がまだ幼い頃、彼女の誕生日やクリスマスのプレゼントを選ぶ時には私がアドバイスするのが常だった。

「プリ○ュアはね~もうすぐ新しいのが始まっちゃうから」
「これはキャラものだから、あまりおもしろくないかも」
「長く遊べるおもちゃが良いよね」

そのアドバイスに素直に従った娘は、いつの間にか何をするにしても私に助言を求めるようになった。

「ママ、私何を選んだらいいかなぁ」

ハッと気づいた。娘をこんな風にしたかったわけじゃない。
自分のことを自分で決められる人になってほしかったのに。

それからはできるだけ
「自分で決めな~」
「失敗してもいいよ」
と判断を任せるようにした。

…という反省があったのに、またやってしまった!!!

確かに中学生のおこづかいではスタバは高いし(社会人でもね!)、この年頃から喫茶店で勉強する癖がつくのもどうかと思う。
今まで「友達と勉強する」と言って友人宅に行って全然してこなかったことも数知れず、「無駄な時間と金を使うな」と叱られるのも当然かもしれない。

何となく自分が娘に言った言葉を思い出していると、突然、「私じゃない人」が同じセリフを言っている場面が思い浮かんだ。

マンガの主人公の母親だろうか。
口やかましく、しつこくいろんな忠告をしてくる人間。
娘のために。娘が失敗しないように。

でもそれは、「嫌なヤツ」だと思った。
娘がいろんな体験をして、失敗をして、そこから学ぶチャンスを奪う人間。
スタバで無駄金使おうが、勉強そっちのけでおしゃべりしようが、それでテストの点数がイマイチだろうが、それは彼女の選択の結果である。
娘なら、「こういうことはあまり良くないんだな」と理解するだろう。

それに気づいた私は、日中の間に「行く時は気を付けてね」と娘にLINEすることができた。


ちなみに娘はちゃんと勉強して帰ってきた。


(なかなか反省しない母の話でした。)

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