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旅人になろう | 新社長インタビュー(後編)

新社長へのインタビューの後編です。社長の学生時代の体験談や、サービス業の面白さを聞きました。(前編はコチラ



01.学生時代にやるべきこと

>今度は少し質問を変えて、学生時代にやっておいたらいいアドバイスなどお伺いしたいのですが。

「時間のかかること」だね。例えば海外旅行に行くとなれば、就職するとなかなか長期間では難しくなる。時間をかけないとできない体験っていうのを、なんか一つでも二つでもされるといいのかなと思って。今までの生活空間と全然違うものを見ると、視野がぱっと広がるので。そこにトライしてほしいんですよね。なんでもいいんですよ。突っ込んでグーッとのめり込むのもひとつ。そこで得た物事のとらえ方や気持ちの強さは、後で絶対役に立つから。


02.海外を旅した学生時代

>実体験からのアドバイスでしょうか?体験談などありますか?

学生時代に、北アルプスの山小屋で40日間のアルバイトをしたことがあって。夏なので登山客が山小屋にごった返す中、一畳に3人ぐらい宿泊させたかな。いわしの缶詰みたいになっちゃった(笑) すごく宿屋が強い。もう超強権的というか、嫌だったら泊まらなくていいからって追い返しちゃったり。もう何年も前の話だから今は分からないけど、当時はそれが通用してた。究極の宿泊業だったね。嫌だったら泊まらなくていいって、考えたこともなかったけど、すごく面白かったです。

それから、カナダ・アラスのアメリカ貧乏旅行40日間というのもやりました。友達が行くっていうので急に思い立って。アラスカでカナディアンロッキーまで車で行くと、天気が良くなるまでずーっと滞在(笑)バスツアーとか来ても、みんな10分したら帰るような場所で、じっと待って。だから、すっごくいい写真ばっかり残ってる。


03.旅を売る前に、旅人になろう。

アラスカで日本人がキャンプして旅行するなんて当時はあんまりなかったけど、キャンプサイトで交流したりしている時間がまた面白かった。

ドイツ人のおじいちゃんが今うちに日本人が留学に来てるから電話するかって、わざわざその管理小屋まで連れていかれて。で、その人と「こんにちは」って喋ってる。何の意味があるんだろうって思ったよ(笑)。またある時は、一人旅行してる女の先生に、火が焚けないんだけどどうやったらそんなことができるんだって。教えてあげてるうちに、一緒にマッシュルームを焼いて食べたりとか。

帰ってきて英語をすごく勉強しようと思ったよ。面白いこと話してくれてるはずなのに、半分も理解できないのが悔しくて。今は逆に海外の方が日本に来た時に、楽しみ方だとかをきちんと伝えられたら、もっと喜んでもらえるだろうなと思う。

人同士のその素直な心に接するというか、この距離感を感じるうち、ツーリストとしての楽しみの根幹。それはこんな風に生まれるコミュニティなんじゃないかって。やっぱ今に通じてる部分があるね。


04.忘れられない小さな感動

一番記憶に残ったのは、バンクーバーから旅行を始めてすぐの時。カナディアンロッキーまで高速道路を走り続けているのに、なかなかつか到着しない長旅。モーテルみたいな小さな宿に泊まるんだけど、多分日本人なんか初めて泊まったんじゃないかな。

夜になって、不安な気持ちで宿屋の目の前のダイナー、いわゆる喫茶店のようなところ食事に向かって。帰りに請求書を見るとウェイトレスが、わざわざこんな遠い所に行ってくれてありがとう的な一言と、可愛い絵を書いてくれていた。何が書いてあったかは正確にはわからなかったけど、ただただそれがすごく嬉しくて。

本当に何でもない、一枚の紙でこんな僕ら気持ちよくなれるんだっていう。あの感動を忘れられなくて。あれって大事だなって。ああいうのって経験してみたほうがいい。別にお金がかかることもない。たった一言、ありがとうと書いてくれた、その気持ちが嬉しい。そういうのが自然とできるような、そんな会社のチームになったらいいよね。


05.サービス業は心を感じる仕事

日和山でも昔の人、先輩たちはちゃんとお客さんのことを見て、そういうことやってきてたんですね。

有名な話で、あるなじみのお客様が来られたとき、遺影を持ってこられていた。岬の館の和室の縁側に、海の見えるようその写真を置かれている。当時は呈茶もしていたので、おばあちゃんにお茶をお出したけど、その遺影の前にも同じようにスタッフがお出したとき、そのおばあちゃんに泣いて喜んでいただけたという話があって。これ、気持ちなかったらそんなの絶対できれへんよね。このおじいちゃん金波楼が大好きで、この景色を見るのが大好きで、わざわざおばあちゃんが連れてこられたんですねって感じ取った。すごく素敵なことだよね。

今の私たちも同じ行動をするというより、人に対する気持ちであったり、思いやりであったり。それを継承していくべきかなって。心のどこかにこうした想いが無いのであれば、正直サービス業ってつまらん仕事だぞって思ってしまう。そういうことができる社員さんが、安心して働ける職場づくり。これが私の仕事であり、経営の仕事なんだよね。

担当:今津


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