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日和とフィーカ

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カフェとコーヒー、それに付随する物語をちょっとしたフィーカとして飲み干してみてください もしよければ、1杯のコーヒーとちょっとしたお菓子をひろげながら、僕と言葉を交わすように読ん…
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#エッセイ

日和とフィーカ〜7杯目〜

日和とフィーカ〜7杯目〜

風の中で映る記憶

晴天の下、所用がありバイクに跨っている。まぁなんてことはないただの帰省です。夏の終わり頃はことごとく悪天候を引き当ててしまい、全くツーリングに出かけることもできなかったので、僕は久々の帰省の足を愛車のReble250に委ねることにした。

時間が押していたため(二度寝した上にバイクの鍵がなかなか見つからなかったから)やむをえず高速道路のルートを選択する。パワー不足故にできればの

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日和とフィーカ〜4杯目〜

日和とフィーカ〜4杯目〜

 椅子に腰をかけたまま思い切り伸びをする。これはかつて国家試験で死ぬほど机に向かっていて時に身につけてしまった癖だ。どこの椅子であろうとも、問答無用で自動的に手が天高く伸びてしまう。例えその場がどれだけ厳格たる聖域だとしても、その無意識下の衝動を抑えることはまるでできないのだ。確信すらしている。
 伸びをするという動作は肩や腰が凝ってしまうからと、それを解消するために始めたことのように思う。しかし

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