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28歳。走って、歩いて、遠回り。
あと1年と8ヵ月で、わたしは30歳になる。
大袈裟なんかではなく、ほんとうに中学生の頃からほとんど容姿が変わっていないわたしにとって、その事実はあまりに実感が湧かない。
4年制大学を卒業し、新卒で入社した会社で1年目から採用担当をしているが、その歴ももう6年目。仕事には慣れても、あらゆることが追いつかないまま日々を重ねている。
わたしは「30歳」というのをどうも大きな節目に感じているようで、そこへのカウントダウンが始まっていることが、なんとなく怖い。
きっと、特別なにかが大きく変わるわけではないと思う。けれど、とにかく怖い。なぜ?と聞かれても、明確な理由はない。ただただ、怖いのだ。
これまでの28年間は目の前のことだけを必死にやってきたけれど、これからはどうしたいのか?
結婚したし、子どものことだって考えたい。じゃあ、それまでに今しかできないことをやっておかないといけないのかな。あとどれくらい自由な時間があるんだろう?仕事はどうする?結局わたしは何に向いている?何を目指したい?どうありたい?どう生きたい?
・・・こんなことを考えていると、自然と涙が出てきてしまう。ありがたいことに大切な人たちに囲まれて幸せな毎日を送っているのに。どうしてだか、不透明な未来に不安を感じてしまうのだ。
ドラマや小説の結論を知っていても楽しめてしまう稀な人種だから、なんならもうこれからの人生でいつ何が起こるか、全部ネタバレしてほしい。
「そんなこと考えたって、未来のことなんて誰にもわからんよ!なるようになるって!」「もっと今を楽しんだらどう?」
自分の中のもうひとりの自分が言う。
まぁそうやろな、とも思う。
わかっていてもできないのが、人間の(というかわたしの)面倒なところ。
ただ、28年間生きてきたからこそ、なんとなくわかる部分もある。
たぶんわたしは、ものすごく理想が高いんだと思う。自分自身に対して。もっとできるでしょって、期待してるんだと思う。
そのくせ、理想とやらが明確じゃないから、何もできなくて、結局「このままでいいのか?」って焦ったまんま。
そういえば、こないだ見たドラマで印象に残ったのが『人生で一番すてきなことは、遠回りをすることだよ。』というセリフだった。
(坂元裕二さんの言葉って、どうしてこうもやさしいんだろう。)
正直今はどこに向かってるかもわからない、遠回りをしている感覚でもないけれど。長い長い人生の中で、たまたま少し、平坦な道を歩いてるだけなのかもしれない。上り坂ばっかは疲れるもんなぁ。
わたしのことだから、きっとまたいつか、走りたくなるときが来る。
30歳でも40歳でも、走りたいときに走ればいい。
そう信じて、今はゆっくり歩いてみようかな。
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