太宰治メモ①

太宰治の言葉や小説から、思うことをただただメモする回です。

生活。
よい仕事をしたあとで
一杯のお茶をすする
お茶のあぶくに
きれいな私の顔が
いくつもいくつも
うつっているのさ
『葉』より

あぶくが綺麗なのではなく、私の顔が綺麗なのです。ひと仕事終えた後の、清々しい疲労感と束の間の安堵が感じられる。

「いやだねえ、ひどいねえ、不態だよ、檀君。第一大きすぎる。赤すぎるよ。」
『小説 太宰治』より

私もスイカはあまり好きではない。

「僕がね、絶対、確信を持てるのは味の素だけなんだ。」
『小説 太宰治』より

この前、鮭の切り身に味の素を振りかけてクッキングシートで包んでレンチンしたらすごく美味しかった。味の素、いつもありがとう。

ぽかんと花を眺めながら、人間も、本当によいところがある、と思った。花の美しさを見つけたのは人間だし、花を愛するのも人間だもの。
『女生徒』より

美しさを見出すことこそ、人間にしかできないことなのかな、と。美しさに感動したときのため息を、AIは再現できるのか?

人間三百六十五日、何の心配も無い日が、一日、いや半日あったら、それは仕合せな人間です。
『人間失格』より

この一節、安心する。

清潔な憂悶の影がほしかった。私の腕くらいの太さの枝にゆらり、一瞬、藤の花、やっぱりだめだと望を捨てた。憂悶どころか、阿呆づら。しかも噂と事ちがって、あまりの痛苦に、私は、思わず、ああっ、と木霊するほど叫んでしまった。
『狂言の神』より

こういうことを書いてしまうところが好きなのですが、私だったらきっと死ねなかったことを他のせいにして言い訳すると思う。

「よし。泣くな! お医者へ連れていってやる。」あの人の声が、いままで聞いたことのないほど、強くきっぱり響きました。
『皮膚と心』より

『皮膚と心』は最近の推し作品なのですが、この人こそが私の理想の夫像です……

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