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32歳、春、現在地


この春が、社会人11年目を連れてくる。


先日異動の通達が出たけれど、私に関わる内容はなかった。年数的にいつ動いてもおかしくないぞリストの筆頭者ではあるので、残留という結果に周りは驚き安堵してくれたけれど、実のところ、私は驚かなかった。生まれて初めて、人事面談において「残留させてほしい」というお願いをしてあったので、それを汲んでもらった結果だった。今取り組んでいることをしばらくは継続したい意向があるので、総合的に考えると環境の変化がない方が有り難かった。


今の環境に身を置いて7年目に突入ということ。キャリアの積み上げ方やら色々と考えれば、別の部署に動いた方ががいいんだろうなぁということは自分でも分かっていて。でもこの6年間、異動したいと願うときにはそれを叶えられない組織的な事情があった。それなのに、積極的に動きたくはないけれど年数的にそろそろ動かないとなぁというタイミングでは、残留させてほしい理由を自分が持っているとはね。なかなか上手いこといかないなぁとは思うけれど、これが組織で働くということだから。他者も自分も組織も、それぞれの事情を抱えているのだから、置かれた場所でベストを尽くそう。


もう少しで、ぬるっと社会人10周年イヤーを終える。ディズニーランドならば盛大に周年行事が執り行われるところ、いち人間にとっては10年は単なる数字に過ぎなかった。


11年目も特に何も変わらないと思っていたけれど、思いがけず昇格の知らせが届いた。管理職になるわけではないけれど、ステージがひとつ上がる感じ。転職組の私にとって、組織の中に“同い年の4年先輩”が溢れているのだけれど、嬉しかったのはその先輩たちと同じタイミングで昇格できたこと。


どうしても経験年数主義的な色のある組織なので、これまで評定のステージとしては同い年の人たちを見上げる位置にいた(直接見聞きしたわけではないけれど)。転職は自分が納得して選んだ道だし、制度上ある程度仕方のないことで不満などはなかったものの、必死に頑張ってきた4年間が失われてしまったような喪失感と、宙ぶらりんな感覚はたしかに手の中にあった。


だから、このタイミングで同い年の人たちと同じ評価を受けたことが、思っていたよりも自分の背中をさすってくれている。頑張ったな、頑張ったなって。発表されたときは豆鉄砲を食らった気分で単に事実を飲み込むまでだったけれど、遅効性でじわじわと嬉しさに包まれて心が温まっている。いろんな人におめでとうと言われて、その言葉が心の真ん中まで染み込んだのもある。仕事のモチベーションなどは自分軸で持っていれば良いと思っていたし今でもそう思っているけれど、客観的な評価というのはある意味それよりも強い力を持っていて(良くも悪くも)、効果が長続きしそうに思う。


思いがけず花束をもらった気分だ。でもひとつひとつの花を見てみると、確かに私が育ててきたものだった。10年間頑張ってきてありがとう、おめでとう自分。愛おしいこの花束を抱えた景色を心に刻んで、また歩もう。


人生は33歳に向かっている。
なんかゾロ目で強そうだし楽しそうだね。


33歳でやりたいことの一つは、髪色を地毛に戻すこと。大学生の頃から基本的にアッシュ系のカラーを入れてもらうことが多くて、自分の地毛がどんな色だったかさえも忘れてしまった。でもひとつ覚えているのは、高校の頃「(私)の髪ってオリーブ色だよね」と言ってくれた子がいたこと。確かに地毛が明るい方ではあったけれど、「茶色いね」じゃなくてオリーブ色に例えてくれたことがなんだかすごく嬉しくて、思い出として大切にしまってあった。人の言葉ってすごいよね。たぶん言ってくれた本人は忘れているけれど、それ以来、私は私の髪を好きでいる。


髪型はもうボブで定着した。切りっぱなしボブも、伸びてきたボブも、いかなるシルエットも楽しめるのがよいところ◎


なんだか唐突に本来の髪色に戻したいと思ったのは、そんな高校時代の思い出も絡んでいると思う。今は美容師さんに相談しながら取り組んでいるところ。本当はカラーもしてもらった方が売り上げ的にはいいんだろうけど、すごく丁寧にカウンセリングしてくれるから嬉しい。直近まで割と明るいカラーリングをしていたので、黒を入れても髪色はだんだん茶色に近づいていく。その過程を楽しみつつも、様子を見てまた黒を重ねたりしている。33歳を終える頃には、生まれながらの髪色に戻れているのかな。日々の中にあるささやかな楽しみ。


そしてもう一つは、洋服はできるだけ今あるものを大切に着ること。思い返せば物心ついた頃から洋服が好きで、毎月のように何着かは購入していた。ここ数年、洋服の選び方が少しずつシフトしていて、流行のものよりベーシックなものを選ぶようになった。その積み重ねで、あるときふと「ひと通りお気に入りの洋服を揃えられた」という感覚が私の中に落ちてきた。そんな満足感を味わうのは初めてのことで、それがとても心地のよいものだった。


ベーシック特集の組まれた'14のFUDGEと'15のvikka  
永遠にかわいい


洋服は消耗品なので、手入れをしながらも洋服からの「そろそろじゃない?」のアナウンスを受け取ったら、またお気に入りと入れ替えようと思う。でも、自発的な購入はしばらく見送れそうな気がするな。これは私としては大きな変化。そんな心の変化も楽しんでいこ。

お洒落な人を見ると相変わらず素敵だなぁと思うし憧れるし、一瞬心が動いて楽天を覗いたりもするけれど(笑)今の私はお洒落な人だなというより、大切に洋服を着ている人だなと思ってもらえたら嬉しい。



32歳、春の風が吹き始める季節。
突風が吹いたって、砂ぼこりが巻き上がったって見失わない、ここが私の現在地。

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