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アメリカの話

今日はアメリカのお話。

2020年1月にLos Angelesへ行った。約10年ぶりのアメリカ本土への旅行で、人生初の海外一人旅だ。
LAにした理由は、NBAを生観戦するため。LAKERSのレブロン・ジェームスとClippersのポール・ジョージのプレーをどうしても観たかった。特にレブロンは35歳でキャリア終盤に差し掛かっており、生で観るなら今しかない。そう思ったら航空券よりも先に2試合分のチケットを購入していた。レブロンと昨年まではOKCにいたポールが、今はお互いLAのチームにいるというのは、個人的には奇跡に近い感覚すらある。

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LAKERS戦当日の様子。聖地STAPLES Centerにて。

観光客を狙った悲しい現実

聖地見学をしようと試合開始の1時間前に会場に着いた時のことだ。
やたらと陽気な黒人(ラッパー風)の男性に声を掛けられた。どうやらマジックジョンソン像の前で、自分の写真を撮って欲しいらしい。断る理由も無いので、「OK」と二つ返事で引き受けた。
お互いに簡単な自己紹介をし、まめ吉が日本から来た観光客だと知った彼は、半年前まで沖縄にいたと言い出した。日本語は話せないけど、すごく良い場所だったと言っている。
不思議なもので、異国の地で少しでも日本のことに触れると、急に嬉しい気持ちで満たされる。初対面の相手でも、なぜか親近感を覚えてしまうのだ。けど、それがいけなかった…。

銅像の前でポージングする彼に意気揚々とカメラを向ける。3〜4回シャッターを切った。少しでも良い写真が残るよう、普段より多めに切ってあげた。彼も満足したようで、「これはお礼だ」と言ってお手製のCDをプレゼントしてくれた。どうやら本当にラッパーみたいな活動をしているようだ。
「CDを君にあげるから、君の名前を日本語で書いてくれ」
「なんで自分で書くんだろう…」と一瞬思いつつも名前を書き、CDを手渡された。ここまでは良かった。

手に取った次の瞬間、


「はい、20ドル頂きます。」


…えっ? 今何て言った? お金とるの??

ラッパーが急に20ドルを請求してきた。しかも全然こっちの顔を見ていない。さっきまでのフレンドリーさは何処へやら、一瞬で無機質な顔になっている。手だけを前に突き出し、早く出せと言わんばかりだ。

完全に面食らった。
このラッパーはマジで言っているのか?それともアメリカンジョークってやつなのか?なかなか状況を理解できずに、

ま「I'm sorry. I have 10$ only.」


適当なことを言って、とりあえず時間稼ぎを試みる。


ラ「ノー。20$だよ。俺たちは2人で活動しているから20$だ。」


いや、そこじゃない。君らが2人で活動しているなんて関係ない。
写真を撮ってあげて、CDを受け取っただけだ。(名前は書いたけど…。)
ひとまず二人の出会いを思い返してくれ。君はお礼だと言っていたし、CDを売っているなんて一言も言ってないじゃないか。
しかもこれ、そもそも中身は大丈夫なの?

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まめ吉が買わされたCD。JAZZ HIPHOPと書いてある。

全然英語が出てこない。日本語で、しかも心の中での叫びだ。
次の手として黙り込みを試みたが、相手はびた一文まける気は無いらしい。

コ、コノヤロー……

この瞬間に頭をよぎったのは、10年前にLAに来た時の出来事だ。
夜中にお腹が空いたので友人とファミレスに行き、ホテルへ歩いて戻っている最中だった。朝5時頃、昼間は観光客で賑わう有名な通りを歩いていたのだが、地元のギャングに襲われた。ギャングの1人は拳銃を持っており、そいつをチラつかせながらお金を請求してきた。
幸か不幸か本当にお金を持っていなくて、最終的にギャング達も諦めて帰っていったのだが、泣きながら本当に死ぬ思いをした、あの出来事だ。
(後に「LAギャングすら興味を無くした者」と呼ばれ語り草になった。)

20$で済むなら…
ギャングの怖さを知っているので、正直20$で済むなら問題ない。今は一刻も早くラッパーを追い払うべきだ。。。
結果的に渋々ながらもラッパーへ20$を渡した。渡す時に最大限の握力を込めたことは言うまでもない。

後々に気づいたのだが、CDを持って観光客に声を掛けているラッパーが他にも5、6人いた。。集団で動いているらしい。後で他のラッパーに2〜3回声を掛けられたが、もちろん完全無視だ。


今回の話の教訓として、まず日本人は明らかに平和ボケしている。人類皆兄弟とは言い難い現実を知るべきだ。
そして、
”旅先では目的以外のことは極力するな” とても勉強になったYO!


さて、ラーメンでも食べに行こうかな。

ひよこまめ吉

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