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あとがき。

 この度は「はじまりのキス、終わりのキス」をお読み頂きましてありがとうございます。

 初めから読んでくださっている方、途中から読み始めて1から読み直して下さる方、途中の一話を読んでスキを下さる方。大事なお時間を頂いて読んで貰えてありがたいなあと、スキにとても励まされました。毎回「投稿する」ボタンをクリックする指が緊張で震えておりましたので。

 私の主な活動はイラストと漫画ですが、鍛錬のためにと書いているテキストにサポートを頂くこともあります。身の引き締まる思いです。時には立ち止まることもありますが、ゆっくりコツコツ積み上げていきます。

(一話目→https://note.mu/hiyokodou/n/n3875d23d8d2e
(六話目→https://note.mu/hiyokodou/n/n8a1af31aa56a

 この記事には話を作る上で気をつけた点など書き留めました。読めるところまで読んで頂ければ嬉しいです。
 

タイトルの件

 「彼」は「彼女」に好きと伝える気がないけれど憎からず想っています。彼の想いが強く現れるのはどこかなと考えて、3章の終わりから4章の冒頭数行に焦点を当ててタイトルにしました。また、明確に恋の話だと分かるフレーズにしたかったのです。
 タイトルも本文も自分が気恥ずかしくなるくらいが丁度いいのかなと最近心掛けています。

試み

 一度に読み切るには重い話かと思ったので、6つに分けました。
 前後関係なく一話だけ読んでも楽しんで頂きたかったので、それぞれの章の中で話が動くように努めました。また、偶数の章に比重を置いてテンポを作ろうとしました。
 

各章のイメージカラーと物語のキーになるもの

 小さな試みですが各章で印象の変化が出ればと、1章から4章までの各章にイメージカラーを設定しています。

 一話目 黒(夜)
 二話目 赤(紅葉・椅子の赤)
 三話目 黄色(公孫樹・夕方という時間帯)
 四話目 白(部屋に滑りこむライト・雪・父親)・黒(明かりのない部屋・夜空・母親)
 五話目 未設定
 六話目 未設定


釣瓶落とし

 妖怪です。水木しげるの日本妖怪大辞典を読んでいる人には基礎知識らしいです。私は一反木綿やぬらりひょんくらいメジャーな妖怪じゃないと分かりません。ネットで検索すると出てきます。

 「彼」は別れ際、会うのはこれで最後だと思っているくせに「気を付けて帰って下さい」すら素直に言えないひねくれ者です。誰かに取られるのも本当は嫌なので「襲われないように」という言い回しになっています。

 余談ですが3章のIP電話のくだりは、「彼」が敢えて「彼女」の間違いを聞き流しています。
 「彼女」の間違いをツッコまずにスルーした上に別の折に蒸し返して指摘する「彼」の意地の悪さも併せて表現したかったのですが、読んでいる方に伝わりにくかったかなと振り返っています。もっとすんなり伝わる書き方を模索します。


青い缶ビール

 プレミアムモルツ・インドの青鬼・銀河高原ビールあたりです。青のエビスは夏なので。彼女は酒飲みで彼は珈琲がお好きです。


テーマのようなもの。

 二年ほど前から、白と黒ほどかけ離れた両極端な性格をテーマにものがたりを幾つか作っていました。「ばら撒かれた夢」もその一つです。幾つかのものがたりたちを、くっつけてこねてちぎって別の形にしたのが「はじまりのキス、終わりのキス」です。恋が始まりそうなのに恋を「しようとしない人」に、恋をして欲しくて書きました。

 恋はいい。読むならば、切なくときめく話が大好きです。
  
 恋をすると、得てして格好悪い自分と向き合うはめになり、後から思い出して「なんであんな事を言ってしまったんだ」と恥かしさで悶えてしまう。今回はそんな至らない恋を描きたかったので、「彼女」に5章でどうしようもない台詞を吐かせました。その後、「彼女」が自分の発言に対して悶ながら後悔するシーンを挟むつもりでしたが、書きそびれました。でっかいうっかりです。


 考えた事など色々あるのですが、それはまた別のものがたりとして形にしていこうと思います。絵や漫画が主な活動ですが、テキストでもまたお会いできれば幸いです。
 読んでくださり、本当に、ありがとうございます。おやすみなさい。良い夢を。

お読みくださり、ありがとうございます。 スキ、フォロー、励みになります。頂いたお気持ちを進む力に変えて、創作活動に取り組んで参ります。サポートも大切に遣わさせて頂きます。