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85.一晩寝かせる意義

先日行ったレストランで"味噌とオリーブのタプナード(仮称)”が出てきて、それが非常においしかったので何度か再現をしてみました。すると近しい味にはなるのですが完全に同じような味にはならず、どうしても私が作ったものの方が尖っており、お店のものの方がまろやかな味になりました。3度目の挑戦をした昨日は蜂蜜や砂糖を隠し味に入れてみたのですが、根本的な解決にはなりませんでした。ところが、昨日の余りを一晩冷蔵庫で寝かせたものを今日の朝食べてみると、非常においしくなっており店のものとほぼ違わぬ仕上がりになりました。

なぜ一晩寝かせるとおいしくなるのか

カレーやブリ大根でも同じように一晩寝かせたものは味が馴染んでおいしくなると言いますが、いったいなぜなのでしょうか。私が元々持っている知識では、煮物を高温・低温と行き来させることで味にまとまりが出るといったようなざっくりとした知識しかなかったので少し調べてみました。それらを要約すると”肉・野菜・香辛料に含まれる糖質やタンパク質、アミノ酸など、具材のもつ旨み成分や甘み成分が温度変化と時間をかけソースに溶けだすことでコクが増したり、まろやかになる”ということでした。

考えてみたら本来食事とは出来立てがおいしいと思いがちですが、一晩寝かせることで完成度が高まるものもたくさんあります。これはアイデアや自分の意見についてもいえるのではないかと思います。ジャストアイデアはジャストアイデアで価値がありますが、一晩寝かせてみる、時間を少し置いて再度考えてみると見えてなかった側面が見えることがあります。

アイデアを寝かせてより良いものにするには

いいアイデアを考えついたら、その時に思いつくままにマインドマップ等を書いて思考を整理していく。この時に一発で思いつかないくらい思考を広げられればそれで完成でいいと思います。出来立てのパスタのような状態です。しかし、考えを広げても途中でアイデアが止まってしまうなら、無理に進めようとせず一晩寝かせてみるといいかもしれませんね。

その中で私が大切だと思うのは、先ほども書いた通りまずある程度理屈が通用するクオリティまではアイデア出しをすることです。カレーもタプナードもほぼ完成しているものを一晩寝かせるのでおいしいのです。それをせねぬまま何晩寝かせてもあまりいいアイデアにはならないと思います。

今日は料理とアイデアの類似点から考えてみました。何かのお役に立てば幸いです。

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