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10.”目的”と”目標”をはき違えてはならない

先日より行っている近畿大学の学生さんとの共同プロジェクトを進める中で、“階層化”という考え方を用いて進行しています。この手法は、私が大学生の頃、大学生協の学生部である「大学生協学資委員会(通称:GI)」に所属していたころ学んだ考え方で、企画立案の際に用いる有効な手段とされていたものです。

その時に教えてもらったオリジナルの手法としては、
① 企画の対象者の背景を考える
② 企画の対象者にどうなってほしいかを考える
③ 企画の目的を考える
④ 目的を達成したかどうかを測るための目標を設定する
⑤ 企画内容を決める
です。私は現在これを改良して
① 私たちはこの企画をなぜやるのかを考える
② 企画のターゲットを改めて考える
③ 企画のターゲットの背景とニーズを考える
④ 企画のターゲットにどうのようなgiveを与えたいか考える
⑤ 企画の目的を決定する
⑥ 目的を達成したかどうかを測るための目標を設定する
⑦企画内容の大枠を決め、その後中身を詰める
という流れで議論を深めていきます。要は、この流れでブレーンストーミングしているわけです。議題が決まっているだけで、何ら難しい技術を必要とする会議方法ではないはずなのですが、これが初めはものすごく難しいのです。

初めてこの”階層化”を行うにあたって、何が難しいか。私が思うに2つあります。1つは、これらの議題を連結して考えることが容易ではないということ、もう1つは、目的と目標に対する勘違いだと感じています。

まず1つ目ですが、例えば何か企画を考える際、「何をするか」は考えますよね。「どんなことをターゲットに対してしたいか」を考えることもあるでしょう。ビジネスライクになれば、ニーズを考えることもあるかもしれません。この議題の中で、”いずれか”は皆考えるのです。しかし、階層化の考え方で重要なのは、「網羅的であること」「すべての議題が目的に紐づき、目標と中身も全て目的に紐づく」というマインドです。今となっては慣れましたが、この考え方が慣れないうちは難しい。理解しがたいのです。正確には、理解する癖がついていないので、とても面倒くさく回りくどい考えに見えるわけです。しかし、やってみればわかりますが、どれか1つでも考慮せず、または浅い思考で進めてしまったとしたら、どこかで必ず詰まってしまうはずです。そして、多くの場合はやることが大方決まっていますから力技で内容を詰め、夢中で本番を駆け抜けて、なんだかんだ何とかなったということになるでしょう(もちろん階層化をしても本番はアクシデントがつきものであありますが)。多くの成功する企画は、階層化という手法は使っていなくても、これらの要素を網羅的に考えて上で実施されているはずです。

そして2つ目。前置きが長くなりましたがこれが今日の本題です。目的とは何でしょうか?多くの人は、言葉の意味から勘違いしている場合が多いかもしれません。目的とは、「最終的に成し遂げる到達点(言い換えれば「何のためにするのか」)」、対して目標とは「目的を達成するために設ける基準(マイルストーンのようなものであり、あくまで”手段”)」です。

初めは私も、目標を「最終到達地点」と考えていました。だからなかなか理解できなかったのですが、理解してからは物事の考え方が大きく変わりました。そして、同年代のビジネスマンでも、目的と目標があったはずなのにだんだん目標をこなすことが目的となり、よくわからないところで止まってしまう人も何人か目にしました。目標はあくまで手段です。手段を目的化すると話がかみ合わなくなります。

私もこうやって書きだすことで、改めて思考の整理ができています。やはりアウトプットは大切です。明日からも目的意識を持ち適切な目標を設定して仕事を楽しみます。


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