見出し画像

ピアノ

小学生の時に読んだ児童書(泣いちゃいそうだよシリーズ)に憧れて、もしくは当時仲が良かったお友達に憧れて。詳しいところは忘れてしまったけど、小学5年生ではじめてピアノを習った。中学校で吹奏楽部に入りたいと思って、最低限の楽譜が読めるようになりたいっていう目標で習ってたからピアノはあんまり上手にはならなかったけど、優しい先生が大好きだった。先生のまるくてふわふわした小さな手が鍵盤を叩くと、ポロポロかわいい音が転がるみたいに溢れていた。

そのピアノ教室では、レッスンが早く終わると、楽譜の読めない私のためにソルフェージュというのを教えてくれていた。実際のソルフェージュはわからないけど、私がやっていた練習を簡単に言うと、初めて見る楽譜を「ドレミ」と音階を付けて歌うというもの。人見知りで緊張しいの私はいつも声がのびのび出なかったけど、それでも先生の優しくてかわいい伴奏に併せて歌うのが好きだった。ピアノの伴奏歌うなんて小学生の私には学校でしか経験がなかったから、ピアノ伴奏を独り占めできるドキドキ感も好きだったんだろうなぁ。

しばらく吹奏楽に入り浸っていたのに、高校生になってから音楽の授業でピアノを練習せざるを得なくなってしまって。そんなに弾けないくせに中途半端に弾けるなんて言ってしまったから中途半端に難しい楽譜を渡されて嫌だったな。見栄っ張りは得しないね。

家にあった電子ピアノは知り合いのお家に譲ってしまったから、もうしばらくはピアノを弾くこともないと思うのだけど、もう少し頑張れていたら自分を助ける何かになっていたもののひとつだと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?