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論文掲載までの道のり 【ポッドキャスト台本紹介】
またまた、Podcastの台本紹介いたします。
かなり前に行った論文掲載までの道のりシリーズ。
研究者は実験が仕事だと思われているかもしれませんが、実験をするだけでなく、結果を論文にまとめる作業もとても大切です。
原稿を書くのも、もちろん大変なのですが、実は、原稿が書き終わってからの作業もたっくさんあるのです。論文が書き終わってから、投稿して掲載してもらうまでの一連を紹介します。
一気に聴けるように
プレイリストも作成しています!
#8 論文掲載までの道のり〜執筆編(1)論文には何が書かれているのか?筆者の順番
ちー:ひよっこ研究者のサバイバル日記
はち:略して ひよけん!
ちー:Sante! 大きい動物の研究しているちーと、
はち:小さい動物の研究しているはちです。
ちー:この番組では、研究者として、ひよっこ教員として、はたまた普通の?アラサー女として、日々奮闘中の2人のリアルな会話をお届けします
はち:さて、今日から複数回に渡って、論文を書いて、投稿して論文を出版されるまでのプロセスについて説明していきます!論文を出すことは、研究者の仕事の中で1番大切といえるくらいとても重要なものです。
ちー:エピソード1で博士号を取るためには英語論文を出すことが卒業要件の1つであるという話をしましたが、たった1本でも論文を出すというのはながーく、大変な作業が必要です。
分野や雑誌によって違うことがたくさんあります!はじめて論文を書く学生さんがしっておいてほしいなと思うことをまとめてみました。
どのタイミングで論文を書き始める?
多分、最初の論文は、全部の結果が出終わってから、論文を書き始めることになっているのではないかと思います。
論文の中には何が書かれている?
背景、方法、結果、考察が主なセットです。
それ以外の大事な要素として、タイトル、要旨、図、表
あとは、謝辞と参考文献リストをつけます。
各章で何を書くかについて少し紹介していきます
まず、背景には何を書く?
これまでに、どんな関連する研究があるのかを書きます。何がどこまで分かっているのか
↓
研究の目的
どうしてその研究をするのかという理由が説明されていることが大切. 私の分野だと、どのくらい社会に還元できる重要な研究かアピールすることも大事
方法:やったことを説明する。他の人が読んで、その実験を再現できるくらい詳細に書く。データの解析方法も
結果:統計結果をもとに何が言えるのか、結果の説明
考察:結果で見つけたことが、どういう意味なのか?
どんな解釈が考えられるか、これまでの研究の中でどの立ち位置なのかを、説明するのも大切。研究の限界や、今後の展望を.
図と表:とにかくみやすい図を作る!
文献リスト
サプリメンタリー
最後に著者の順番には意味があります。
特に、筆頭著者と責任著者と呼ばれる最初の人と最後の人は、その論文で大きな貢献をした人です。
筆頭:First オーサー、普通は計画から実行、論文の執筆までの大部分を行った人
そのあとに、セカンド、サードと貢献度順に並んでいくのですが、最後の人は別格扱いだったりします。
責任著者:last author、基本は指導教員の名前が。
論文の投稿・査読・出版プロセスにおいて、ジャーナルとのコミュニケーションに主たる責任を負う
Corresponding authorとも呼ばれる場合がありますが、Firstの人がコレスポを持っている場合もあります。この場合も、論文の投稿などは、コレスポンディングオーサーが行います。アスタリスクなどのマークで示されることもあります。
順番だけだと、貢献度がわからないので、最近はauthor contributionを結構きっちり書かされます!
これは投稿作業の時にもう少し詳しく話そっか?
はち:次回は、私が..。
ちー:番組に関する感想やお便りもお待ちしています。
概要欄にましゅまろやフォームを記載してありますので、そちらからお願いします。Twitterやインスタアカウントも開設しましたので、よければのぞいてください〜!
はち:最後までお聞きいただきありがとうございます。
ちー:またお会いしましょう。
(せーの)
Au revoir! (オウ ブア!)
#9 論文掲載までの道のり〜執筆編(2)どうしたら論文が書けるようになるのか
(あいさつ省略)
はち:ちーちゃんにも聞いてみたかったことがいくつかあったので
質問をまとめてみました。
イントロや考察書くときは特にだけど、めちゃくちゃ論文読むんだけど...どう?
めちゃくちゃ読む!それはもうレビューかけちゃうんじゃない?っていうレベルでまとめる意気込みw最初から英語で書く?
時と場合による:国際共著の研究はそうだったけど、学生の卒論論文化の場合は...みんなどれくらいの時間かけて書いているのかな...?
(はち)実験が終わった時点で20%初稿を書きあげて30%くらい進んでいる感覚
(ちー)共著者にもよるwけっこうこれまでの論文まちまちW気をつけたほうがいいwordのフォーマット設定で、原稿には、行番号をつけなさいって教わったんだけど、みんなそうだよね?
フォントは何使っている派?こだわりある?
雑誌に合わせる!故にこだわりなし共著者として、論文執筆に参加するとき
どうやったら論文が書けるようになるのか?
最初は書けないのが普通
1. 一人だけで書く必要はない
2. 使えるツールは使ったらいい
3. 経験値は物語る...論文を書くマインド:先輩から教わったベビーステップについて
はち:次回は、すでに収録済みなのですが、参考文献リストの作り方についてお送りします。大きな常識の違いがあったので... 是非お楽しみに〜。
ちー:番組に関する感想やお便りもお待ちしています。
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はち:最後までお聞きいただきありがとうございます。
ちー:またお会いしましょう。
(せーの)
Au revoir! (オウ ブア!)
#9 論文掲載までの道のり〜文献リストを手打ちするのは絶対やめて!
はち:今回は、2人で話していて衝撃的な常識の違いがあったので、それについて話したいと思います....。
投稿論文の中には、イントロ、マテメソ、結果、考察、図や表、などに加えて、最後の方に、引用した論文のリストを載せる必要があります。
これは、リファレンスと呼ばれていて、リファレンスの形式は雑誌ごとに違っています。アルファベット順だったり、本文で引用した順だったりします。でね、、、なんとちーちゃんがね、、、
#11 論文掲載までの道のり〜意外と時間のかかる投稿作業/投稿先と査読者の選定
(あいさつ省略)
ちー:今回は、投稿作業について!
論文が書き終わっても、まだまだ終わりません〜。
つぎは、投稿作業に移ります
投稿先を選ぼう!
たくさんある科学雑誌の中から、テーマや結果のインパクトに応じて、投稿先を決めます。
ハゲタカジャーナルとよばれる雑誌もあるので注意カバーレターを書こう!
良い研究したんだけど載せてくれませんか?というお手紙とともに(笑)論文を送ります。このお手紙はカバーレターと言って、結構重要視されます。投稿先の要項をよく確認して、準備を進めよう!
どのカテゴリにするかも決める。論文のファイルはどの形式で提出できるかなども、雑誌によって少し違ったりする
他にも、short titleとか, ORCID, Funding (資金)
Data accessibility : オリジナルデータの入手方法、あるいは利用が可能かどうかを示すものです highlights:ヒットしやすくする
Handring Editorや査読者の選定もこの段階で.投稿作業は誰がするの誰がするのか?
責任著者が行うことが一般的。
著作権について、図を一個一個入れたり、意外と神経を使う作業
BioRxivから直接投稿すると、とっても楽だった投稿後にすることは?
送られた論文は、編集者の人がチェックして、審査が通ると、査読者に送られます。編集者の判断でリジェクトにされたら、すぐ返信が来ます。残念でしたということで、別の雑誌にまた投稿します。ステータスチェック
はち:次回は投稿後に行われる査読について紹介します〜!
ちー:番組に関する感想やお便りもお待ちしています。
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はち:最後までお聞きいただきありがとうございます。
ちー:またお会いしましょう。
(せーの)
Au revoir! (オウ ブア!)
#12 論文掲載までの道のり〜投稿した論文はどこへ?査読編
(あいさつ省略)
今回は、投稿した論文はどこへ?ということで、査読についてお話しします。英語では peer reviewと呼ばれ 、レフェリーと呼ばれる第三者の専門家が論文を読んでくれて、新規性や論理性、データの信頼性を審査されるのことです。
学術雑誌(ジャーナル)への掲載にふさわしいかどうか判断する作業とも言えます。
まず、初めは、編集者が論文を見てくれて、査読者に回すか、この時点でリジェクトなのかという判断がされます。ここでダメだったときは、エディターキックと言われます。
エディターがOKを出すと、論文は査読者に送られます。
査読の形式は大きく3パターンあります。
シングル・ブラインド(著者は誰が査読者かわからないが、査読者は誰が著者かわかっている)
ダブル・ブラインド(著者は誰が査読者かわからず、査読者も誰が著者かわからない)
オープン・ピアレビュー(著者、査読者とも相手が誰かわかる)
最近では、ダブルブラインドのところも増えている?こちらの情報を明かさないほうがいいことも多いので、投稿時に自分の名前が残っている部分がないかなど、しっかりチェックが必要です!
査読してくれるのはだれ?
こちらでレフェリーを推薦できますが、最終的判断はエディターです。査読にかかる時間はどれくらい?
最終的な査読結果は?
各査読者からの判定を総合的に判断して編集者が決める
2:2とか割れちゃうと難しいところ...
レジェクト
いっぱい直してっていうメジャーリビジョン
このときはリジェクトだけど再投稿可があるあるここを直したらいいよーっていうマイナーリビジョン(改訂版を出す)
アクセプト
はち:査読されている間はやれることはありませんので、ゆっくり待ちましょう〜!催促のメールをすること自体はOKなので、遅すぎる場合は連絡してみるのもありです!次回は、どんな返事がくるのか、リビジョンになったときはどうやって原稿を直していくかについて紹介していきます〜!
ちー:番組に関する感想やお便りもお待ちしています。
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はち:最後までお聞きいただきありがとうございます。
ちー:またお会いしましょう。
(せーの)
Au revoir! (オウ ブア!)
#13 論文掲載までの道のり〜論文の改訂作業”リバイズ”って何しているの?
(あいさつ省略)
ちー:今回は、リバイズという論文を修正していくステップで、具体的にどんなことをしているかについて、紹介していきます〜!
はち:レフェリーからのコメントは、リジェクト!とかアクセプト!ってだけではなく、その判断に至った根拠が説明されています。
多くの場合は、論文をよくするためのたくさんの有益なコメントをもらえます。
レフェリーからのコメントの一般的な例としては、全体的にどんなことが書かれている論文であったか、この論文のいい所悪いところの総評、出版に関してのレビューワーの判断が書かれており、その後に詳細なコメントがつけれられています。この行のこれは、こうだからこ直してとか、
このコメント書くために行番号がいるんです....(また言ってるw)
ちー:一つ一つのコメントに対して、筆者たちの回答と原稿のどの部分をどうやって改訂したのかを説明します。この回答をまとめたものは、リスポンスレターと言います。
どれだけ小さいコメントでも、全部返すことが必要です。
なにより、感情的にならずに!とっても丁寧に返しましょう。。。
(はち)査読者の経験
どれくらい査読したことがあるか数えてみた!査読はボランティア!!!いくら時間をかけても読んで、コメントしても、お金は一円ももらえません。たまーにその出版社で使える本のクーポンはもらえるよ〜
エディターが最終的な判断をするので、味方になってくれているときは、期待していいと思う!
ちー:再投稿には、期限が設けられていることが一般的です。改訂の分量に応じて設定されている印象がありますが、もし間に合わなそうであれば、延長依頼もOKで、ほとんどは受け入れてもらえます。
リバイズをして再投稿した後、再度、査読の過程に入ります。
同じ査読者に送られたり、また違う人に送られたりと、いろいろです。
2回目の査読でも、また改訂が必要であると判断されることもあります。
根気よく頑張りましょう!
はち:
これだけ時間もかかる過程が必要なら、同時に複数の雑誌に送って、通ったところに出したらいいじゃんって、思った方もいるかもしれませんが、一度に投稿できるのは1つだけ!なんです。投稿作業のときに説明すべきだったかもしれませんが、この論文が他のジャーナルへ投稿してないこと、重複投稿になってないという誓約をした上で、投稿が受け付けられます!
リバイズは、もう本当に落ちる時間です...(笑)次回は、ちーちゃんがリバイズに追われているタイミングで収録してみたので、をお聞きください〜!
ちー:番組に関する感想やお便りもお待ちしています。
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はち:最後までお聞きいただきありがとうございます。
ちー:またお会いしましょう。
(せーの)
Au revoir! (オウ ブア!)
#14 論文掲載までの道のり〜祝アクセプト!Proof チェックと投稿料
ちー:今回は、やっと獲得したアクセプトの通知〜!でも実はまだやることが残っているのです....本当に長いんだよね、色々と。
Proofing という校正段階
タイポがないか、などweb上のフォームやPDFを校正担当者とやりとりすることで、確認していきます。一度出版しないと、もう修正してもらえないので...気をつけないといけないです....あとは、お金を払わないといけない場合もあります。
オープンアクセスジャーナル
ハイブリットジャーナル
基本はこの2つさえクリアすれば、この日に出版されるよ〜という連絡を待つだけになります。
サイエンス系 お役立ちメディア M-hubというサイトに、初めての論文投稿というシリーズで詳しく説明があったので、生物系の方でもっと詳しく知りたい人は是非読んでみてね〜。概要欄に記載しておきます。シグマ アルドリッチジャパン社が出しているので、信頼してよさそうな感じがします
https://m-hub.jp/research-general/2540/157
掲載は次の論文執筆の始まり.....
ちー:番組に関する感想やお便りもお待ちしています。
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はち:最後までお聞きいただきありがとうございます。
ちー:またお会いしましょう。
(せーの)
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