ひよこのコンサート曲目紹介 その④

\ひよこのコンサート in spring /
2023年3月9日(18:45開場 / 19:15開演)
@台東区生涯学習センター ミレニアムホール
チケットはこちらから💌

140文字には収めることができない
コンサートの日に演奏する曲目たちの魅力を
紹介していきます🐥
(前半)出演者のみんなが書いてくれた曲紹介
(後半)鈴木(主宰)が好きなように書いた文(笑)

5Pieces en Trio / Jacques Ibert


ジャック・イベール(1890〜1962)はフランス人作曲家で、特に木管楽器奏者は親しみのある作曲家であろう。
トリオダンシュ(オーボエ,クラリネット,ファゴット)のためのこの作品は、同編成の曲の中でもとりわけ有名である。5曲とも短い曲となっているが、どの曲にもイベール特有のヨーロッパの国々の音楽を混ぜたような曲調が前面に出ている。また楽譜には事細かくアーティキュレーションなどが書かれており、そこから生まれる色彩や表情の変化も楽しんでいただける曲となっている。(石田)


イベールといえば、彼の木管五重奏曲「3つの小品」を真っ先に思い浮かべる人が多いかもしれません。私たち木管楽器奏者にとっても、誰でも一度は演奏する木管五重奏の定番曲で、演奏される機会も非常に多い為、皆さまもの中にも一度耳にした事がある人もいるかもしれないですね。

しかし今回ご紹介するのは「5つの小品」という曲で、リード(葦を加工して作られたもの)を発音体としている楽器の、オーボエ、クラリネット、ファゴットの三重奏です。
よく、トリオダンシュ(Trio d'anches)といわれるのがこの編成で、“anche” とは発音体となるリードをフランス語訳したもの。1972年にフランスのパリで、トリオ・ダンシュ・ドゥ・パリ(Trio d'anches de Paris)というグループが生まれたのが、どうやらこの編成の始まりのようです。

この編成の1番良いところは、やはり3つ全ての楽器が木から音を出しているというところでしょうか。木管楽器の仲間であるフルートも実は金属から音が出ていますし、木五になると木管のように仲間入りしているホルンも、どこからどう見ても金管楽器です。
他の回で熱く語ってしまったように、木管五重奏は、純度100%の木から音がしていなかったとしても、金属が混ざっていても、あれはあれで夢のある響きがして大好きなのですが、やはり、木からのみ出ている音の温かさは、トリオダンシュの編成には敵わないと思います。

大きくて、夢のある事が大好きな私は、これまで木管五重奏にばかり目を向けて生活していたのですが、ついに、先日トリオダンシュデビューをし、何とも言えない安心感のある響きを初体験しました。
幼い頃、たまに、両親が使ってた、私が使ってた布団よりちょっと高級なふわふわのお布団に、ぼふっとしに行っては、そのまま心地よい眠りにつくのが幸せで...
なんかこう、あの時のあたたかさとか、心地よさ、安心感を、この編成を聴いてる時だけでなく、演奏してるその時も耳にまとえる気がするんです。

石田の解説にある、イベールの音楽が、ヨーロッパの国々の音楽を混ぜたよう、という表現は、イベール自身がパリのみならず、ヨーロッパの各地で生活を送っていた経験があるからでしょう。フランス人が書く音楽は、何故かいつもお洒落な香りがしてくるのですが、イベールの音楽が醸す、お洒落だけに留まらない深みのある香りと共に、トリオダンシュの編成が生み出す木の温かみを感じてお聴きください。

チラシにいたひよこちゃん
1つの画像に切り抜いていただきました🐥

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