見出し画像

春とボブと片想い

好きな人の誕生日って、どうしてこんなにも自分の誕生日より嬉しいんだろう
そんなこと言って、実は当日になって少し忘れかけていたんだけど
昨日までは覚えてたんだけどなぁ

はっと思い出したときにちょうど君が隣にいて、苦笑していた
申し訳ないと手を合わせつつも、いいよいいよと返してくれるその声がやっぱり愛おしかった

この気持ちを諦めようとして、背中の真ん中まであった髪を肩まで切ったのは半年前
進路が大分違うことを知って、来年から違うクラスで片想いするのは辛いかな、、と弱気になっていた

ベタな失恋後みたいなことをすれば、少しは諦めはつくかな
確かに一旦は諦められた
それなのに、ボブにした髪がすっかり伸びたこの春、気づいたらまた君を目で追っていたのだ

結局、半年前の決意は虚しく私の片想いは再来した
いろいろあったけどクラスも同じで、君と数人、去年のように同じ机でお弁当を広げている

お気に入りの恋愛ソングを聴きながら、思う
春のお日様に当たってキラキラする、あの長いまつ毛を今年も隣で見れてよかった
十数年前の今日、君が産声をあげて今日まで生きてくれて本当によかった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?