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アルパカさんのガバナンスヴォールトv2

おはようございます。🐤

アルパカさんのニュース、ガバナンスヴォールトv2、中途解約、保険プランの登場について、今日は長いですよ~。

ガバナンスv2

昨年末、ガバナンスヴォールトが発表されてから約1か月、もうv2発表となりました。

正直、僕くらいのアルパカ信者であっても、このガバナンスは辛いと思っていました、なぜなら。

  • 実質そんなに高くないAPR

  • 1年間引き出せない

  • そもそもガバナンス機能は使いたくない

まず、実質そんなに高くないAPRとはどういうことかと言いますと、下の図はアルパカさんのガバナンスヴォールトで、APY=39.5% となっています。

https://gov.alpacafinance.org/

これは、銀行の普通預金に比べたら確かに高いでしょう。なおかつALPACAトークンの価値が底堅いというのは僕にとっては常識です。(これまで何回述べていますのでここでは省略します)

しかし、よく見てください。ALPACA報酬によるAPRは19.9%と、約半分です。では残りの半分は何かというとGrazing Rangeという他のプロジェクトからの収入です。これは他人頼みで、もしかしたらいつか途切れるかもしれません。

ということは、他のDeFiプロジェクトが流行らないとこの部分のAPRはなくなるということは十分あり得ることです。

もっと嫌なことを言います。お前はアルパカさんの敵かと言われるでしょうけど、事実なんだからしょうがない。アルパカさんのガバナンス・ヴォールトはALPACAトークンに対するAPRではなく、xALPACAの残高に対するAPRであること、みなさんご存じですか?

さっきの図を再掲しますよ、大きな39.53%という文字の下に「More details」とあって、そこをクリックすると「This is the max APR for a 52 weeks lockup」と小さい文字で書いていますよね。

つまり、1年ロックをずっと継続してようやくそのAPRが得られます。半年ロックだとその半分、1ヶ月ロックだと1/12です。

そのAPRとは右側の数字のことで、つまりALPACA報酬によるAPRが19.9%、Grazing RangeによるAPRを合わせて37.1%です。それを複利運用すると39.53%ということです。

つまり、このAPYを得るためには、「毎週」つぎの2つの手続きを手作業で行う必要があります。

  • ロック期間を延長するボタンをクリック

  • 生まれたALPACA報酬およびすべてのGrazing Rangeからの報酬を再投資する

ちなみに何もしなければ、xALPACAの数量は1年間かけて直線的に減少し、1年後にゼロになります。つまり、実質利回りを得られるのは図の着色部分で、(表示APR×1/2)というのが実質の利回りになります。

一方CAKEは…

APRで50.2%、APYで64.0%です。引き出しは自由で、自動CAKEを3日以内に引き出した場合だけ0.1%の手数料がとられます。自動CAKEに預けると、複利運用は自動で行ってくれます。だから、ユーザーはほんとうに1年間何もすることがなく、APY64.0% というのは現時点でほんとうの数字です。

そして、「そもそもガバナンス機能って使う?」ということです。

衆愚政治いやだ! 今の日本のようにお年寄りの喜ぶことしかしない政治いやだ! ノーモアHAZE! 優秀で未来に希望をもった若い人に僕の資金を操縦してほしい!

と思いませんか? その点Pancakeさんは「時々アンケートとってガバナンスしてる気にさせる」のがうまくて、それで良いんだよ感がすごいです。

はぁはぁ……このままではアルパカさんの悪口とPancakeさんのヨイショで終わってしまいそうなので、ちょっと呼吸を整えます。

v2の良いとこその1:早期引き出し

アルパカさんをとりまくユーザーたちの中には、とても聡明な人が多い印象があります。DeFiプロジェクトのコミュニティの中でも髄一なのではないでしょうか。そんなコミュニティメンバーから意見がよせられたのは「早期引き出し」です。

これが可能になることで、ロックへのリスクが減り、ヴォールトに資金を投入しやすくなります。かつ、ロック解除に対する適正なペナルティを設定することで、解除する人もロック中の人も納得で資金を預けたり引き出したりすることができます。

早期引き出し手数料(ペナルティ)の計算式は次のとおり。

早期引き出し手数料=(ロック期間の残り週数)× 0.75%

例えば、半年(26週間)預けた100 ALPACAを引き出すと、つぎの計算のとおり80.5 ALPACAが引き出せます。

  • (52週-26週)× 0.75%=19.5%

  • 100 ALPACA × (100%-19.5%)=80.5 ALPACA

預け入れたALPACAのロック期間を延長しなかった場合、xALPACAと累計の利回り、そして早期引き出し手数料の関係は次のグラフのようになります。

30週経過あたりで、累計利回りが早期引き出し手数料を超えます。

現実的に、つぎのような条件で運用した場合のグラフを示します。

  • ALPACA報酬のみすべて再投資

  • ロック期間を毎週延長

  • ALPACA報酬APR=20%、Grazing APR=20%、合計APR=40%と仮定

  • 途中で解約した場合の、手数料を差し引いた残額を黄色の線で示す

図のとおり、これでようやくAPY=45%程度が得られます。
そして、仮に1年後に途中解約して手数料約40%とられても、ほぼ10,000 ALPACAが手元に残ります(黄色の線)。つまり、得られた利回りと手数料はほぼつり合います。

もちろん、利益は吹き飛びますが、少なくとも手数料を負担すれば解約できるという選択肢が増えたのはありがたいことです。(これがありがたいと感じるのはかなりの信者目線かもしれません)

ガバナンス(提案の作成と投票)

さて、アルパカさんのガバナンスが始まります。これまでアルパカさんはすべて自分たちで方針と具体的な運営を行ってきましたが、今後はいくぶんかはxALPACA保有者に分散化されます。

フェーズ1:ディスカッション

コミュニティのメンバーが様々な提案を議論できる場をDiscord上に作成します。コミュニティメンバーの間で支持されたトピックや提案は、フェーズ2に進みます。

フェーズ2:意見募集(RFF)/ドラフトAIP

アルパカ改良提案(AIP)に対してコミュニティが議論し、検討、改善されて投票に至ります。提案から投票までは最低3日間という熟成期間がおかれます。

AIPがスナップショットで投票されるためには、コミュニティのメンバー総数から少なくとも5%の賛成を得ます。

ガバナンスのスタート段階では、投票にかけられるトピックのキュレーションを促進するためのアルパカ協議会(AlpaCouncil)が作られます。そのメンバーは、コアチームから3名、コミュニティから6名選出されます。

コアチーム

SpicySquid - エンジニアリング部門長 (Telegram: thiranai)

HuacayaChief - プロダクト責任者 (Telegram: crypto717)

Samsara - マーケティング&戦略責任者 (Telegram: notallama1, Discord: NotALlama#3827)

コミュニティ

Moonkitty11 (Telegram: Moonkitty11): 長年コミュニティのメンバーとして活躍してきたMoonkittyは、ブロックチェーンに関する深い知識を持ち、Vitalikと共同でPoS vs PoWのエネルギーコストに関する論文を執筆しています。

tripaw3 (Telegram: tripaw3): 長年にわたりコミュニティのアクティブなメンバーであるtripaw3は、DeFiとcryptoに関する強い知識を持ち、アルゴリズム取引を中心としたコンサルタント/開発者としても活躍しています。

Ariel (Telegram: ariel_moon, Discord: ariel777#7516): アルパカのコミュニティ担当ディレクターであるArielは、ほとんどのコミュニティの中心にいて、#AskAlpacaのようなキャンペーンやコアチームとの定期的なディスカッションを通じて、ユーザーの感情、意見、質問を共有し、Herdの会話のパルスを追跡しています。

Silent_JJ(Discord: Silent_JJ#9397)。Discord HerdのOGであるコミュニティリーダー兼モデレーターの一人。JJはいつも熱心にメンバーを助けています。

crypt0non (Discord: Crypt0non#2787): もう一人のHerd OGで、新旧のアルパカを積極的にサポートし、Twitterを手伝い、Alpaca Redditを管理しています。彼はまた、Nexus Mutualのアンバサダーでもあります。

Nikita(Telegram: @Ghost_of_ChakChak, Discord: ChakChak#1586)。CIS Alpaca HerdのリーダーであるNikitaは、常に素晴らしいコミュニティイベントを企画し、初心者にアルパカの正義の道を示しています。

注:AlpaCouncilのメンバーは分散化を目指しており、いずれは投票でメンバーを選出できるようにするつもりだそうです。

想定される提案の種類

  • 製品、機能、パートナーの追加

  • Grazing Rangeパートナーの追加

  • 新しいファーミング/レンディングプールの追加

  • 新しい製品/機能のアイデア

  • 新しいパートナーシップのアイデア

  • 様々な機能を構築する際の優先順位の選択

  • Warchest(軍資金)の用途:戦略的イニシアティブのための月次配分を超えて軍資金を活用するための提案

プロトコルのパラメータの変更

  • 金利モデル

  • ALPACAの報酬配分

  • AUSDの担保ファクター、最大負債限度額など

  • 最大レバレッジ、清算しきい値

フェーズ3:スナップショット投票

  • アルパカ協議会は、投票用のスナップショット案を作成します

  • 投票は72時間行われます

  • 1 xALPACA = 1票

  • 提案が承認されるためには、単純に過半数の投票(50%+1票)が必要で、最低参加人数は必要ありません。

採用された提案は、チームによって実行されます。

アルパカ保険プラン

個人・法人を問わず、ユーザーが最も気にするところが「安全性」です。安全性を評価する際には、いくつかの点が考えられます。

まず第一に、「アルパカファイナンスに預け入れた資金が安全であることをどうやって確認できるのか」ということです。

アルパカさんはこの1年間、最も安全なプロトコルの1つとしての地位を確立するために最善を尽くし、業界最多の17回の監査を受け、セキュリティ上の問題がないというすばらしい実績を持っています。

しかし、それだけでは新規参入者に参加してもらうことはできません。そこで、2つ目のポイント「保険・補償」です。万が一、セキュリティイベントが発生して損失が生じた場合、その損失をカバーするための保険や補償です。

アルパカさんは、現在でもNexus Mutual社やInsurAce社とパートナーシップを結び、アルパカさんのユーザーにオプションの補償を提供しています。しかし、これらの商品は、投資を検討しているDeFiのベース商品の複雑さに悩んでいる新規ユーザーに、新たな複雑さをもたらします。

そのため、新しくシンプルな「アルパカ保険プラン」を計画中です。

あらかじめ保険金をプールして、そこから補償するのではなく、将来生まれる利益を補償にあてるという考え方のもので、詳細はおいおい公表されると思います。(日本でも加入できるのかも含めて)

アルパカ保険プランがカバーするもの

  • 貸し手の不良債権

  • スマートコントラクトのリスク

  • エクスプロイト

  • 経済設計の失敗

  • 重度のオラクル障害

  • …など、アルパカファイナンスのコードやインフラが原因となる不足事象をカバーします。

カバーされないもの

  • ネットワークやUIの問題による個別清算

  • フィッシング、秘密鍵のセキュリティ侵害、マルウェアなどによる損失

  • 統合されたプロトコルに限定された損失事象(例:BSC上のアルパカPCSファーミングプールに参加している場合のPancake)

  • Grazing Rangesのようなパートナーシッププロジェクトにおける損失事象

  • 攻撃によるものかどうかに関わらず、資産の評価が下がったことによる損失

  • ハッキングやバグが公表された後の損失

  • アルパカの指定したスマートコントラクトが意図した通りに動作しているにもかかわらず、他の外部の相互運用可能なスマートコントラクトやインタラクティブなスマートコントラクトが意図しない方法でハッキングされたり操作されたりする事象

  • アルパカの指定スマートコントラクトが意図した通りに動作し続けている間に、外部のインプット(オラクル、ガバナンスシステム、インセンティブ構造、マイナーの行動やネットワークの混雑状況など)が操作される事象

  • 虚偽の情報を提供したり、隠したり、嘘をついたり、誤魔化そうとしたりした場合

カバーされる事象が発生して補償が発生した場合、個々の請求者が存在することにはならないようです。アルパカさんのすべてのサービスについて、プロトコル全体で補償するものです。

例えば、レンディングプールに不良債権があった場合、その債権をカバーするためにレンディングプールに資金を戻すような提案を行います。また、返済前にプールから資金を引き出したユーザーに対しては補償を行いません。

タイムライン

これらの機能の実装は、Automated Vaultsの完成後に開始する予定ですが、フォーラムなど一部の機能はそれよりも早くオンラインになる可能性があります。

早期引き出し機能は、2022年Q1末頃(3月末頃)のリリースを目指しています。アルパカ保険プランは、ガバナンス投票がオンラインになってから有効になります。

まとめ

な、長かった…。

  • 早期引き出しの追加

  • ガバナンスの運用開始

  • アルパカ保険プラン

早期引き出しは、手数料を最大約40%とられるけど、引き出せますよという内容です。手数料は残りロック期間によって徐々に減っていき、例えば残り半年なら20%、残り1週間なら0.75%といった具合です。(残り週数×0.75%)まあ、ないよりましかな?

ガバナンスは、スタート時は3人のコアチームと、6人のコミュニティメンバーからなる協議会がキュレーションを行い、ALPACA保有者が参加するフォーラム内での提案と議論が進められます。

アルパカ保険プランは、これまでとちょっと違う保険の提案で、もし何か事故が起きた場合に、積み立てた保険金ではなく、将来の収入から補償するというものです。具体的な金額や率などはまだ公表されていなくて、日本に住むユーザーが参加できるのかも現時点では不明です。

ということで、パカニキ、がんばえ~!🐤

それではまた、DeFi~(@^^)/~~~

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