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【仕事】大企業勤めは安心?在宅勤務が当たり前になったら社会人はどう立ち回るか。

緊急事態宣言が解除されました。

ニューノーマル(新常態)として在宅勤務を原則にする企業が増えきています。

今回は、大企業を中心にこの変化が中長期でどういう影響を社会人に与えるのかをITと組織開発に関わる立場から、できるだけ大局の視点で予想してみたいと思います。

個人的な拙い仮説で飛躍する箇所もありますが、危機感を持つことで今から備えておくための動機に少しでもなればと思います。

結論としてはシンプルで「大手企業でもリストラが加速する」です。

【事実】大手企業とスタートアップで原則在宅勤務が先行

こんなニュースが多くなってきました。他にも総合商社や大手電気系の企業がこぞってコロナ自粛後も在宅勤務を続けると発表しています。

あとはスタートアップ系。いち早くオフィスを解約して原則リモートに移っている企業を多く見かけます。

一方で中小企業はテレワークの環境が整っていなかったり、職種によってはリモートが不可だったりするので浸透に差はありますが、この流れが拡がるのは時間の問題だと思います。

【なぜ?】大手企業が在宅勤務を原則にしたい理由は?

ここまではどこでも言われてる情報です。「まぁこんな状況ならそうだろうな〜」と私も思いました。でもちょっと待ってください。

スタートアップはまだわかります。意思決定のスピードが早いから。でも大手企業(特にレガシーな)はどうでしょう。『いくら感染リスクがあるからと言って普段あれだけ変化を嫌う大手企業がこんなに大胆な判断をすぐにできるのって不思議じゃない?』って思いませんか。

ここについて、組織側の心理に日頃触れる機会が多い立場として疑問を感じました。

正直、大企業の多くはコロナ以前から在宅勤務を原則にしたかったと思うのです。部分的に導入している企業がほとんどで環境は揃っていたのにね。つまりはアフターコロナという「きっかけ」が、原則在宅勤務を正当化する最後のピースだったのだと考えます。

じゃあ今まで進めなかった理由は?と言うとそこは大企業特有のジレンマがあります。ドラスティックな変化、特に人事制度改革に踏み込むには膨大なエネルギーが必要になります。労働組合が強かったりすると尚更です。そのジレンマを打ち破るドライバーがコロナショックだったと考えられます。

【予想】大手企業で在宅勤務が進むと何が起きるか

1.守りのIT投資の比率が高まる。

攻めのIT投資、守りのIT投資と言う言葉があります。簡単に言うと以下です。

攻めのIT投資
・収益(プロフィット)を増やすことを目的とした投資
守りのIT投資
・費用(コスト)を減らすことを目的とした投資

経済産業省が「日本が経済成長するためには早く攻めに転じないとダメです」とずっと言い続けているのですが日本のレガシーな企業が好きなのが守りの方です。

ちなみにGAFAやBATHなどの海外の成長企業やスタートアップはこの投資比率が逆転しています。

話を戻すと在宅勤務に必要なITインフラの環境はこの守りの投資を続けてきた企業でこそ整っています。ネットワークや端末の運用コストを全体最適で考えると、在宅勤務に適した仮想デスクトップが採用されますし、オンプレミスからクラウドへの移行も同じ考え方ですね。

この景気後退で日本経済全体の投資予算が下がっていることに加えて、使い道が守りの投資=コスト減の用途に当てられる。
すると瞬間風速的に潤うIT企業が居る一方で、経済全体としては収益拡大に対して使われる予算が相対的に減少すると考えられます。

2.ムダが顕在化する。

わかりやすいところで言えばオフィス賃料や光熱費、ITインフラ、備品管理や通勤費などの固定費削減です。

加えて注目すべきは削減できる間接業務が暴かれると言う点。

テレワークしてみて皆気がつき始めたと思うのですが会社に来なくてもできる仕事がたくさんあります。そして不要な仕事の多さにも。

3.ジョブ型雇用(成果報酬型)が進む。

次にジョブ型雇用が本格的に導入され始めると考えられます。

ジョブ型雇用とは•••日本従来のメンバーシップ型雇用(年功序列、終身雇用、時間管理)の対になる考え方で、仕事(職務)に応じたスキル・経験を持っている人を雇用し、成果に応じた報酬を払う方法です。外資系では一般的ですが日本ではまだ導入されている企業は多くありません。

というのも成果を基準にしている点で在宅勤務との相性が良いためです。

この雇用制度の中では、働いた時間や、勤務態度、上司との関係性やコミュニケーション能力でもなく、成果で評価されます。

成果を出せる人間はどんどん評価され、そうでない人は場合によっては最悪、降格や解雇されるという厳しい世界です。

【仮説】仕事が不足した結果として、終身雇用型の人事制度が維持できなくなる

3つの予想で共通しているのは企業が削減の方を向いていると言うことです。つまり現在の有り余る人員数に対して必要な仕事量が不足し、人員余剰が生まれる条件が揃います。

今まで散々『人手不足』と言われてきましたが今度は『仕事が不足する』と言う逆転現象が大手企業で起こると予想しました。

国内大手企業は「組織的に解雇できない」と言うことがセーフティネットであったわけですが(同時に諸々の課題の根本原因であるのも事実ですが)、今回の人事制度に関わる変化を呼び水にして、こう言った動きが加速すると考えてみました。

ニューノーマルではオンラインを前提とした企業活動や、成果の見せ方が必要になるので、そこを意識したスキル獲得が今の自分に必要だなぁと考えるきっかけになりました。一方で現在の延長では測れないことが起きるのが昨今のVUCAワールドです。

コペルニクス的転回な予測も、それを受けてどう立ち回るかを考えるきっかけになればそれは有意義なことではないでしょうか🙂


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