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あたらしい病院

重度の知的障害がある自閉症の次男。
なんだかんだあって、家から車で1時間以上かかる所にある病院から地元の病院に変えることになった。

昨日は初の診察日。


場所見知りがある次男のために、昨年末から毎日のように病院の駐車場まで通い、「今度から診てもらうあたらしい病院だよ」と教えていた。


病院に着き、いざ、初診の受付をと駐車場で次男を車から降りるよう促したが、警戒して降りようとしない。
待ち合わせていた福祉相談員さんに次男を見てもらって、ひとりで受付に行って手続きをした。


手続きを終え、車に戻ると次男はまだ車を降りようとしない。
受付には事情を説明して、順番が来たら私の携帯電話に知らせてもらうことにしていたが、電話がかかってきても「イヤー!オリナイ!」と騒いでいた。
どうしようと焦っていると、相談員さんが次男側のドアを開け、次男は何故か素直に車から降りた。
観念したのかもしれない。


院内に入り、看護師さんの案内に従って診察室に入ると、若いお医者さんが出迎えてくれた。
次男は安心したのか、上に来ていたTシャツを脱いだ。

担当医が若いので私も安心した。
若い人なら昔ながらの考えを押し付けたりしないだろう。
新しい情報も取り入れていそうだし。
次男が好きそうなキャラクターなのもいい。

次男のことを一通り説明し、今困っていることや不安を話した。
次男の睡眠が足りないと判断したようで、薬を変えることになった。
私に何かあった時には、部屋が空いていればレスパイト入院もできると言ってくれた。
これは安心してこれからの診察を受けられる。

診察が終わり、ロビーに行くと、次男はジュースの自動販売機に興味を示した。
「じゅーしゅ」
「欲しいの?今日は頑張ったから1本買おうか」
次男に小銭を入れさせ、好きなボタンを押させる。
出てきた缶コーラは、あっという間に次男ののどを通り抜けた。

診察のモチベーションとして自販機で好きなジュースを買うことにするのもありだな。

相談員さんと次男の様子を見ながらそんなことを話した。

そしてこの病院、主に大人の人を診察するので次男の苦手な小さい子の声が一切聞こえないのがいい。


結構長い時間、次男は頑張ってくれたので、薬はいつものかかりつけ薬局に午後にもらいに行くことにした。
これ以上次男に待つことを強いたら大暴れするに違いない。


一旦家に帰って昼食を食べ、薬をもらいに行って帰宅すると、次男が「おいしゃさん」「〇〇(次男の名前)さーん」としつこく言う。
どうやら、今までの病院に連れていけと言いたいらしい。

たしかに今までは距離や時間がかかるので途中でコンビニに寄ってジュースやら何やら買っていた。
次男はそのコンビニに寄ってお買い物を楽しみにしていたようだ。


さすがに今からその病院に行くわけにもいかず、「じゃあ、ドライブする?」と誘い、次男の好きなミンティアを食べさせながら、市内をぐるぐると回った。


さて、次男にはもう一つあたらしい課題があった。
変えてもらった薬を抵抗なく飲めるか。
パッケージが違うと警戒して飲まないと思ったので、薬を皿の上に出して「お薬だよ、飲んでね」と差し出した。
…飲んだ。
なにも違和感がなかったようだ。
以前、薬が変わったときに見た目が変わったために警戒して飲まないことがあったので、このあたらしい課題はクリアした。
ひとまず安心。


週明けには学校が再開する。
問題なく登校できるか。
当日の予定のカリキュラムをスムーズにこなせるか。

2週間後に再び診察がある。
スムーズに院内に入れるか。
待っている間癇癪を起こさないでいられるか。


次男にはまだ課題が山積みである。

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