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学びを止めるな

我が家の次男は重度知的障害のある自閉症だ。
特別支援学校の高等部に籍を置いている。
強度行動障害と聴覚過敏などがあり集団活動が難しいので、週1回担任の先生が訪問指導している。

この訪問指導、次男も楽しみにしているようだが先生を待っている間に眠くなってしまうことも多く、今までで3回、眠ってしまって授業ができなかった。

先日学校で、担任の先生と生活指導の先生と進路指導の先生と福祉相談員さんと、今年赴任してきた副校長先生と私とでケース会議が行われた。

次男のここ最近の様子として、トイレットペーパーに独特の執着をするために家族が困っていることや、気に入ったおかずやみそ汁は家族全員の分を独り占めして食べてしまうこと、外出先で小さい子(小学校低学年までのこども)を見かけると、怯えて不機嫌になり、私にしがみついたり耳をふさいで「ナカナイ、ナカナイ(泣かない、泣かない)」(しかしその子どもは泣いていない)と言ったりすることを話した。

とにかくトイレ問題は生活するうえで深刻な状態なので、次男が家にいる時間をなるべく減らしたいこと、最終的には施設入所を希望していることも話した。

薬の分量が変わってそれが次男に合っているのか、天気のせいなのか、たまたまなのかは分からないが、ここ最近は私への頭突きやしがみつき、格闘技かと思うような攻撃が減って落ち着いてきているが、以前から次男のことを知っている先生方は、やはり施設入所して私と離れるということに賛成してくれている。

来月には誕生日がきて18歳になる次男は、福祉の観点からみても微妙な年頃なようで、利用できる福祉サービスが、高校生ということで児童向けサービス、18歳ということで成人対象のサービスと、それぞれ条件はあれど利用できるのだ。
以前、学校側に希望として伝えていた「卒業まで学校に籍を置く」ということに関して、施設に入所しても大丈夫なのか教育庁に問い合わせたところ、「学校に籍を置くなら学びを止めてはいけない」と言われたそうだ。

実は候補にあがっていた入所施設は我が家からも学校からも遠く、通うことはなかなか難しい。
担任の先生に施設に行ってもらうには遠すぎる。
学びを止めるな」の条件をクリアするのはかなり難しいのだ。


入所すると教育が止まってしまう。
卒業まで施設入所を待つと、家族の負担が大きい。
学校をとるか生活をとるか…。
究極の選択を宿題にして、今回のケース会議が終わった。

以前から紙類にはそれぞれに独特の執着があり、チラシ類を見ると破りたがり、破れるものが手近にないと引き出しやファイルケースの中から取説や大事な書類を取り出してビリビリに破いてしまう。
箱ティッシュは中を抜いてくしゃくしゃに丸め、箱は潰してリサイクルに、ティッシュペーパーはゴミ箱に捨ててしまう。
今、次男の中でブームになっているトイレットペーパーは、ホルダーにかかっているものは全部引き出してトイレに流してしまう。
紙が多すぎてトイレが詰まり、それでも流そうとして水が便器から溢れ、床が水浸しになってしまう。

 (以前書いたトイレ問題について

ストック分のペーパーは芯をはずして全部引き出し、ゴミ袋に入れてしまう。
先日はゴミ袋に入っていたペーパーを全部便器に押し込み、無理矢理水を流して床を水浸しにした。
床の水を始末しなくてはいけない上、便器に詰まっているペーパーを取り除かなくてはいけない。
難儀して難儀して取り除いたペーパーは、ザルに入れて物置小屋に置いていた。
ところがその1週間後、次男はザルごとペーパーをトイレに持ってきて全部便器に投入。
水で流そうとして、またトイレ詰まりと床の水浸し。
次男をトイレの側に居させると後片付けの邪魔をしてしまうので、私が次男を車で連れ出し、とーちゃんが後片付けをした。
次男が便をするときは、それがわかった時点で「これでお尻を拭くんだよ」と取っておいたペーパーを渡し、気が付かないうちにしてしまったときはお尻を含め体や着ているものに便が付いていないかチェックし、とにかく手を洗わせている。

このほかにも次男の困った行動は、私達家族に深刻な影響をもたらしている。
それらを「いつかは良くなるかもしれない」と我慢し続けるか、「これ以上我慢していたら健康上でも経済的にも生活を維持できないかも」と、次男と離れて暮らすことを選ぶか、次男の学びを諦めるか。

我が家は究極の選択を迫られている。


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