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「楽しいクルマ」「夢のあるクルマ」とはなんだろうか


2022年新成人が一番欲しい車

先日は成人の日、成人式を向えた新成人の皆様おめでとうございます。
そんな新成人に、欲しい車がなにかインタビューした記事がTwitterで話題になってました。

このニュースによれば、新成人が欲しい車ラインキング1位は、なんとトヨタ・アクアなんだそうです。スポーツカーや高級輸入ブランドではないんですね。
これについて「最近の若者は夢がない」「退屈なクルマを選ぶなんて信じられない」といったコメントがちらほらありました。

賢くなった日本の若者

新成人がアクアを選ぶ理由、それは賃金が下がってる&社会保障などの負担が増えていることで「使えるお金が昔より減っている」ことで、より堅実的な選択をしがちなことも当然あるでしょう。いわゆる「さとり世代」というやつですね。

有名な、フェラーリよりプリウスを選ぶ「エ~コ」たち

それに加えて、個人的に「今の若者は以前よりも格段にお金の使い方が賢くなったこと」が理由なのではないかと思っています。

いまの若い子たちは「モノ」より「コト」を重視している―つまり商品を消費することよりも、「インスタ映え」など「特別な体験」をシェアして楽しんでいくことのほうが魅力的に感じる価値観にシフトしているのではないかと思います。
これはつまり発展途上なアジア的な成金趣味から、ヨーロッパや日本の由緒あるお上品なお家的な趣味にシフトしている=文化的に成熟していると言えるのではないでしょうか。

上記の、そこまで車に興味がない現役イケメン男子高校生のツイートが刺さりますね。

「楽しいクルマ」「夢のあるクルマ」とはなんだろうか

さて、今回の記事のタイトル回収ですが「楽しいクルマ」「夢のあるクルマ」とはなんでしょうか。
ここで先の男子高校生のツイートへの引用RTを一部ご紹介してみようと思います。

この人たちが助手席に友達や恋人を乗せてカーライフを楽しんでいることを心から願うばかりですが、そもそもスポーツカーをはじめ、特別なクルマを所有することはそんなに楽しいことなのか?という疑問が出てきました。

どうしても、アクアのような低燃費のコンパクトカーよりも、ホンダS660やマツダ・ロードスターのような2人乗りで後輪駆動で屋根がひらくスポーツカーのほうが「楽しいクルマ」というイメージが強い人も多いかもしれません。
それでも(実際にMR-Sというスポーツカーを一時期所有していた自分だからこそ強く感じますが)燃費が良くて維持費の安い車で遠くに旅行に行ったり景色のいい場所でBBQするのも、リアシートや荷室がたっぷりある車で友達みんなでIKEAやコストコでたくさんお買い物をするのも「楽しい」し、それは2人乗りのスポーツカーでは困難だったりするかもしれないわけです。
ちなみにこれに「輸入車」や「旧車」という要素が加わると、ドライブ中にエンジンが停まったり窓が閉じなくなったり、修理に莫大な金がかかったりするリスクもありますね。

もちろん一部のクルマでしか得られない特別な体験・非日常の楽しさもあるわけで、それを否定するつもりはいっさいありません。
ただし、一部の(他の車を見下した)スポーツカーオーナーが言いがちな「運転の楽しさ」については、普通のコンパクトカーや軽自動車にも存在すると思います。
スポーツカーで一般道をドライブするのも、普通の車でサーキットを全開で攻めるのも、どちらも「運転の楽しさ」だし「非日常の体験」だと思います。
※なお2座席オープンでサーキットを走る場合、別途ロールバーが必要だったり、タイヤ積むスペースを確保するのに苦労したりすることがありますね。

どんなクルマも楽しい、楽しくないのはあなたの人生

「アクアなんかを欲しがる新成人は退屈」といったツイートしていた人を一通り眺めてきたのですが、大抵は免許を持ってないゲームやミニカーが大好きな子どもたちや、スポーツカー・輸入車・旧車などのハイスペックor珍しい車を所有しているけど一人で街乗りしているだけ、といった人たちばかりだった印象です。
それと比べて、例えばアクアでモータースポーツやカスタムを一生懸命楽しんでる人や、アクアを道具として使ってキャンプやカヌーや釣りなどのレジャーに行く人。そんな人たちのカーライフは絶対に「退屈」と言えるのでしょうか。

結局の所、どんなクルマにも楽しさがあると自分は考えています。
ひとりぼっちでスポーツカーや輸入車や旧車といった特別なクルマでドライブしたり洗車したりするのも、エコカーでキャンプに行ったりサーキットを全開で攻めたりといった特別な体験をするのも。特別な誰かと一緒ならレンタカーでドライブや旅行をするだけでも。
みんな「楽しいカーライフ」であり「特別な体験」なのだと思います。

だからこそ、自分とは異なるカーライフを選んでいる人を見下すのではなく、尊重することが大事なのではないかなと思っています。
逆に言えば、「イイ車」を所有しているだけで他人を見下してばかりのカーライフが最も退屈でみじめなのではないかと思います。

この世に存在するあらゆるクルマにはどれも魅力的で楽しい一面があるはず。そういう意味で、自分はどんなクルマも誰かにとって「夢がある」し「楽しい」一台になりえると思っています。

新成人が欲しい車がトヨタ・アクアだというニュースに「退屈」「夢がない」と思ってしまった人に、今一度問いてみたいです。

あなたのカーライフは本当に楽しいですか?
あなたの感性や人生は退屈でみじめではないですか?

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