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【書評】グローカルビジネスでApple Parkを目指す!『地方からつくる新しい経済圏 新ローカルベンチャー経営 ーー 1軒の携帯ショップから年商52億円』
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北海道十勝地方といえば何を思い出すだろう。多くはチーズや牛乳など酪農・農業のイメージを持っているのではないだろうか。そこに年商52億円のベンチャー企業があるとは思わなかった。果たして著者はいかにして企業を成長させたのか。その奮闘記がこの一冊にまとまっている。

元々お笑い芸人を目指して上京した著者は一念発起し、地元十勝へ戻り起業。1軒の携帯ショップから多角的事業展開を成すまでに成長させた。その中で最も印象的な部分は人材への想いと、地元コミュニティに依存しない姿勢だ。本全体から自社の社員への愛が伝わってくる。そして地方にいながら、そのコミュニティには一切忖度しない姿勢も斬新だ。それらの事業へのこだわりがすべて著者のビジネスに繋がり、成功の秘訣となっている。

地方にいながらグローバルなビジネスを目指すグローカルビジネスは、新型コロナウィルスにより急速に進んだデジタル化が追い風となっていることがよく分かる。本書は一般的な啓発本というよりは、著者の経験や経営に対する思考、想いが詰まった内容となっているが、それが起業を目指す人々の背中を力強く押してくれる気がしてくる。

地方で働いていると知り合いに会うことが非常に多い。同級生などだけではなく、親や祖父母、兄弟の友達に至るまで、どこで繋がり知られているか分かったものではない。気にすることはあまりないのだが、めんどくさいと思うことも多々あることは事実なのだ。そういったしがらみの影響を良い意味で無視する姿勢。ビジネスではもちろんだが、人生においてもそれが時として重要であることも、本書から感じて欲しい一面だと思う。

現在空前の起業ブームと言えるこの時代に、提供される情報も溢れかえっている。どこのだれかも分からない発信者の情報や、一発運よく当たったお金持ちの情報など、玉石混交と言える状況だ。地方でのビジネスを考えるならぜひ本書を手に取り、地方でのビジネスの可能性を広げていって欲しい。




地方からつくる新しい経済圏 新ローカルベンチャー経営 ーー 1軒の携帯ショップから年商52億円
作者:木田直樹
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)

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