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書評_読むのが寝る前の楽しみでした__スイート_ホーム

【書評】読むのが寝る前の楽しみでした。『スイート・ホーム』
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とあるお菓子屋さんを中心にした短編集。そのお店の名前は「スイート・ホーム」。原田マハさんが描く、甘くて温かい物語です。

舞台は兵庫県宝塚市。宝塚歌劇団が有名ですね。大阪と近くて交通の便もいい住宅地ですが、六甲山の自然がほど良く街に溶けこみ、のんびりした雰囲気で包まれています。僕も近くに住んでた頃は、天気の良い日によく散歩したものです。

そんな宝塚に魅せられて暮らし始めた登場人物たちは、なぜかスイートホームに吸い寄せられていきます。有名デパートのお店のような華やかさではないけれど、素朴な味が住民を虜にしているのでしょう。嬉しいことがあったとき、行けば誰かに会って喜びを共有できるし、辛いことがあったときも美味しいお菓子がなぐさめてくれる。そんな登場人物たちの、スイートホームにまつわるエピソードが読者の心を和ませてくれます。

誰しも自分のお気に入りのお店って、あるんじゃないでしょうか。料理が好きなだけではなく、店内の音楽とか匂いが好みだったり。ひとりで楽しむのもいいし、そこで出会った人と仲良くなるなんてのも素敵ですよね。そういったお店で過ごす時間を、これからもずっと大切にしていきたいと思えた作品でした。

原田マハさんの言葉づかいは柔らかく、忙しい日々で緊張した心を解いてくれます。どうぞ肩肘張らずに読んでみてください。熱いコーヒーと甘いお菓子と一緒に。



スイート・ホーム
作者:原田マハ,アンディ・ウォーホル
ポプラ社

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