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鬼頭政人”資格試験に一発合格する人は、「これ」しかやらない” PHP研究所
みなさんは、試験に合格するための勉強の仕方に興味はないだろうか。本書は、「試験勉強の神」が伝授する最小労力 X 最速最短 = 最高の結果を出す勉強法である。
はじめに、筆者の鬼頭政人氏に触れる。筆者は、開成中学、開成高校を経て、現役で東京大学文化一類(法学部)に合格。卒業後は慶應義塾大学法科大学院に進学し、在学中に司法試験に一発合格。弁護士勤務、投資ファンドに勤務後、資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」を創業。勉強法に関する多数の書籍を出版している人物である。
本書のはじめに、社会人の資格試験の勉強について、記している内容を紹介する。
大学受験までの勉強と、社会人になって資格試験の勉強をする最大の違いが、この「時間の制約」です。(中略)
勉強のパフォーマンス = 「効率」 X 「継続」(中略)
社会人が資格試験で合格できるかどうかの最大のポイントは、勉強の質、効率をいかに上げるかだと言えるのです。(中略)
参考書や問題集を何冊も買い込み、参考書の1ページから勉強を始める人がいます。多くの人が最もやりがちな過ちだと言えるかもしれません。(中略)
資格試験は新たな仕事のスタートに立つための試験であって、その分野のナンバーワンを決める試験ではありません。(中略)過去の試験結果から、100点満点で70点とれば合格できる資格であれば、100点を目指す必要はまったくなく、目標点は70点でいいのです。(中略)教科書を丸ごと1冊すべて理解して暗記しているかが試されているわけではないのです。(中略)合格点とその後における活躍に、直接の関係はありません。(中略)
記憶力が悪くても、才能がなくても、勉強が苦手でも、適切な時期に、正しく勉強すれば資格試験に合格できます。合格できないのは、勉強のやり方がわからなかっただけです。(中略)
本書では、勉強開始日から試験日までを大きく4クールに分け、その時期に押さえておくべき習慣や考え方、知っておくべき勉強法について解説します。
本書は、
序章 勉強を始める前に「これだけ」は押さえよう
第1章 心構え編 勉強の効率は「準備」が9割
第2章 第1クール計画編 「勉強が続く」ペースのつかみ方
第3章 勉強(前半戦)編 問題集を中心に勉強せよ
第4章 第2クール習慣編 合格する「ルーティーン」を身に着ける
第5章 第3クール勉強(後半戦)編 点数が「爆ノビ」する勉強法
第6章 第4クール記憶メンテナンス編 穴をふさぎ点数を伸ばす「暗記術」
第7章 仕上げ編 試験直前は「これ」だけやろう
最終章 「資格試験後」の勉強法 3つの意識変革
の構成で、資格試験に合格するする方法を解説している。
それでは、まず初めに、筆者が考える、資格試験に合格するする方法の考え方について。
〇合格への一歩目は、「敵を知り、己を知ること」
「さあ、資格をとるぞ」と意気込んでいる方、ちょっと待って!いきなり勉強を始めてはいけません。まずは「合格までの最短コース」を調べるために基本情報を集めましょう。その中でも、過去問を「解く」のではなく、よ~く「読む」ことをお勧めします。(中略)ここで大切なのは、問題を解くことではなく、どれぐらいのレベルの答えを求められているかを知ることだからです。
参考書や教科書を1ページ目から始めるのは、効率をまったく無視したムダだらけの勉強法なのですが、それはなぜでしょうか?勉強の効率を上げるために、私は「正しくヤマを張れ」といつも伝えています。(中略)
問題集は、出題頻度の高い分野の問題が多くなりますので、問題集の分野ごとの問題数やページ数で、どの分野の出題頻度が高いのかがわかります。(中略)ハッキリ言ってしまえば、「合格までの最短コース」を歩みたければ、主題頻度の高い分野を重点的に勉強すればいいのです。
〇勉強の「コスパ」の見積もり方
勉強とは間違えることであり、その間違えた問題、あるいは解けなかった問題を正解にできるようにすることが勉強だと、私は考えています。(中略)
勉強量と得点アップの関係で言えば、初期は勉強すればするほど得点がアップしますが、あるところから徐々に点数が上がりにくくなっていきます。(中略)勉強の初期段階では、特定の分野を満遍なく4割得点できるように勉強するのが、時間効率が最もいい作戦と言えるのです。(中略)つまり、得点が伸びやすい勉強を優先していくことが、勉強の効率アップにつながるということです。(中略)「コスパの高い勉強を優先する」ことは、言い換えれば、得点の低い苦手分野を優先的に勉強することとほぼ同義です。(中略)多くの受験生を見てきた私の経験では、資格試験の勉強における苦手分野というのは、単なる思い込みや食わず嫌いであるケースがほとんどです。
〇勉強は、「インプット1:アウトプット3」
勉強には、インプットとアウトプットがありますが、多くの人は、インプットこそが勉強だと考え、インプット偏重型の勉強をしています。でも、本当は逆なのです。アウトプットこそが、勉強であり、大事なのです。(中略)つまり問題集を何度も何度も解くことが、勉強の中心になります。(中略)問題を解かずに、得点がとれるようになる資格試験もないのです。
そして、最短で一発合格する「見取り図」に触れる。
■第1クール
〇勉強内容
・過去問を読む
・(参考書 -> 問題集 -> 参考書)X1セット
〇目的
・全体把握
・それぞれの分野を満遍なく勉強(理解度は当初2割でOK)
・インプット:7、アウトプット3
〇目標
・問題集30~40点
■第2クール
〇勉強内容
・(問題集 -> 参考書)X2セット
〇目的
・穴を埋める
・問題集で間違えた問題を中心に勉強
・インプット:5、アウトプット5
〇目標
・問題集70~80点
・過去問50点
■第3クール
〇勉強内容
・過去問を解く
・(問題集 -> 参考書 -> 過去問 -> 参考書)X3セット
・予想問題模試
〇目的
・実践
・過去問も含めて間違えた問題を中心に勉強する
・インプット:3、アウトプット7
〇目標
・問題集100点
・過去問100点
・模試70点
■第4クール
〇勉強内容
・問題集の総ざらい
・遅れを取り戻すバッファ期間でもある
〇目的
・メンテナンス
・参考書の苦手ポイントを中心に勉強
・インプット:2、アウトプット8
以上が本書の概要である。
本書を通じた私の学びは、
〇資格試験は新たな仕事のスタートに立つための試験であって、その分野のナンバーワンを決める試験ではない。70点とれば合格できる資格であれば、100点を目指す必要はまったくなく、目標点は70点でいい。
〇資格試験の勉強とは間違えることであり、その間違えた問題、あるいは解けなかった問題を正解にできるようにすることが勉強。
〇資格試験の勉強は、「インプット1:アウトプット3」。つまり問題集を何度も何度も解くことが、勉強の中心になる。
である。
私も、社会人で、資格試験の勉強を始めたのをきっかけに、本書を手に取った。学生の頃には、試験勉強方法の本は、ほとんどなかったので、多いに参考になった。本書には、他にも、勉強を継続する方法、集中力が増す勉強の方法、年齢による記憶力の低下を補う方法等、資格試験をクリアするためのノウハウが紹介されている。資格試験を目指している方は、勉強を始める前に、本書を一読することをお勧めする。
最後に、筆者が、「資格取得後」の勉強法について、語った文章が印象的だったので紹介する。
資格試験の合格は、ゴールではなくスタートです。(中略)資格試験なら、1冊の参考書だけで合格できますが、仕事の現場では、何冊もの参考書を読んで、あらゆる角度から見て、考えることが必要不可欠になります。(中略)また、仕事では、70点では、お金になりません。求められるのは100点満点です。(中略)
合格後は、得意分野を伸ばす勉強が最優先になります。(中略)自分の専門分野、得意分野を2つつくって、それらを掛け合わることを考えた方が、より自分らしさを発揮できるのではないでしょうか。(中略)
資格試験合格後は、オンリーワンを目指すという高い志をもって歩んでくれる人が、一人でも増えてくれたなら、これほど嬉しいことはありません。
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