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映画に観る整理収納Vol.14 「ダンサーインParis」編

ダンスは原始のころから始まったと言われていますが、
この映画を観て人の心と体と音楽(リズム)は繋がっている。
そう再認識しました。

主人公を演じるマリオン・バルボーがとにかく素晴らしい。
ご本人もバレエではパリ・オペラ座のプルミエール・ダンスーズ
である一方コンテンポラリーのダンサーとしても活躍されているそうだ。

エリーズはトップバレリーナ。
ある日の舞台で彼氏の浮気現場を見て気持ちが乱れ、舞台上で転倒し、復帰が難しいほどの怪我を負います。

リハビリに励むある日、友人から練習を貸し出しているある宿の
料理の手伝いを頼まれます。
そこへ、コンテンポラリーダンスカンパニーが合宿に訪れます。
宿のオーナーのの勧めもあり、カンパニーへ合流するうちに、エリーズはコンテンポラリダンスの魅力に開眼し、次第に新たな自分の人生に踏み出してゆきます。

どん底にいる時どうするか

エリーズは一夜にして今までの人生で積み上げてきたものも彼も失ったわけですが、そんな失望の中でも取り乱したり泣き叫んだりすることはありませんでした。
現状を受け入れて、自分がいま何をすべきかを考え、淡々とそれをこなしてゆきます。治癒が遅くて焦りや絶望はもちろんあると思いますが、愚痴を言って嘆いても、ふてくされていても自分の望む結果にならないことは解っているからです。また、エリーズはこの環境を変えることを選びます。
友人の誘いに乗って環境を変えたことで素晴らしい出会いがあるのです。

整理収納の理論では

整理収納の理論では整理とは「必要なモノと不必要なモノを分けること」という考え方があります。
それは文字通り「モノ」の仕分けでありますが、モノ以外でももちろん同じことです。そして、「必要なモノと不必要なモノ」は人によって違うので、エリーズの場合、もし泣き叫ぶことで気が晴れるならば、それは「必要なこと」なのでしょう。
大事なことは「自分にとって必要なモノは何か」が解っているという事です。

何もない空間

エリーズが出会ったコンテンポラリーダンサーのカンパニーが去った後、空っぽになった練習場に今度は唄のグループがやってきて練習を始めます。
空っぽな空間は何か新しいモノがやってくる準備なのですね。
モノも心もいっぱいだと新しいモノが入る空間はありません。
だから「何もない」は無限の可能性を秘めているとも言えます。
なんて素敵✨

映画の中のコンテンポラリーダンスが生まれる描写はまさに
「無」から「有」が生み出される神秘的な瞬間でした。
その身体能力も込みで見ごたえのある作品でした。



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