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映画に観る整理収納Vol.16      音語り「東京物語」編


東京物語は小津安二郎の映画の中でも最も有名な映画だと言えます。
私が最初に観た小津映画でもあります。
それから何度か映画は観ているけれど、今回は中井貴惠さんの「音語り」という趣向で「耳」で味わいました。

凛とした着物姿の中井貴惠さんは
小津監督に小さい頃可愛がられたそうです。
彼女のお父様が小津作品に数多く出演されていた佐田啓二さん
であり、お母様とも親しかったことから家族ぐるみのお付き合いであったそうです。なんとご両親の媒酌人は小津監督と木下惠介監督です。(豪華!)

前半はそんな貴惠さんの幼い頃のエピソードを写真を見ながら伺い、
後半が「音語り」でした。
「音語り」とは中井貴惠さんが音楽家とのコラボレーションで朗読するもので、長年読み聞かせの活動をされてきた貴惠さんの2009年から始まった新たな試みであり、映画の全ての出演者、ナレーション、ト書きまで全てをおひとりで朗読するというものです。
その中でも「シリーズ~小津安二郎を聞く~」は高い評価をええいるそうです。

初めて聞く「音語り」はまるで目の前で映画を見ているようでした。
一人で朗読されているとは思えない自然な演じ分けと確かな演技力。
日本語の美しさ、余韻やイントネーションの機微が心に染みてラストシーンでは映画の「東京物語」とはまた違った感慨が押し寄せて涙・・・。
特に笠智衆さんの何度も言うセリフ「ありがとう」と「いやあ」はほんの一言なのにそれぞれが違ってきこえました。

さて、整理収納目線では今回は一度は行ってみたかった「三越劇場」という空間とモノとの関係について感じたことを書いてみたいと思います。
1927年(昭和2年)に世界でも類を見ない「百貨店の中の劇場」として90年以上の歴史を刻んできた劇場です。劇場がある日本橋三越は国の重要文化財でもあります。
客席はは514席と舞台と客席がちょうどよい具合に一体になる感じの大きさで、当日は舞台上はピアノとマイク、譜面台(朗読の本を置くもの)、椅子以外は何もありませんでした。

歴史を刻む住戸な中にも華やかな劇場空間に
シンプルな舞台は対照的でかえって映えていました。

舞台の全面は大理石!!
ロココ調の豪奢な装飾。次は2階席で拝見したいです。

劇場のように椅子しかない空間であれば、天井も壁もどんなに豪華にきらびやかに飾ってもそれで完結しますが、いざ暮らしに必要な生活感のあるものを置くとなると、その空間に調和した収納を選ばないとどうしても悪目立ちしてしまいますね。例えばこのようなテイストの家にティッシュボックスやリモコンがそのまま置いてあったら本当に目立ちそうですね。

色、素材、はもちろんの事、形も直線的なのか、曲線が良いのかなど空間全体とのバランスを損ねない収納用品を揃えることも調和のとれた空間づくりには大切だと思います。
そのためには収納ボックスとして売られていないモノも活用してよいでしょう。
例えば、古いトランクや装飾が美しいお菓子の缶、かごやワインケースなど、他の用途で使うものを応用しても楽しいですね。
調和のとれた空間は心を穏やかにしてくれます。
心身の健康のためにも大切なポイントだと思っています。

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