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読書日記ログ(2023年8月)アッペルフェルド、植田正治、メイドインアビス、香山哲、など

 マストドン(羊の時刻(荻サカエ) (@hitsujinojikoku@mstdn.nijist.info) - nijist.info(β))に時々書く読書関係のつぶやきを、あとで読み返しやすいようにこっちにコピペ。

2023/08/25

“「おさえたいのは感情ではなくて、感傷なのです。たとえばセンチメンタルな音楽には人間の残虐性を誘発するなにかがあります。ナチスはセンチメンタルな音楽に酔いながら人を殺しました」”

(アハロン・アッペルフェルド『不死身のバートフス』みすず書房 巻末インタビューより抜粋)

 巻末にインタビューがついてるとは知らなかったから嬉しかった。
 アッペルフェルド、邦訳は2冊しか出てないけど少なすぎると思う。せめて『The Iron Tracks』(怖くて悲しい)と、私が一番好きな『The Man Who Never Stopped Sleeping』と、エッセイ集『A Table for One』は邦訳されてもいいのにと思う。

下のリンクは以前ブログに書いた『バーデンハイム1939』のひとくち感想。
https://hitsujioclock.hatenadiary.jp/entry/2020/04/09/205155

2023/08/25

 アハロン・アッペルフェルド『不死身のバートフス』読了。
 隠し財産の在り処を誰にも言わないで生きているホロコーストの生き残りのバートフス。家族には早く死ねと思われている。隠し金の在り処を言ってから死ね、と思われてるのを自覚しているからバートフスはますます口を閉ざす。
 そんなバートフスが心臓発作に襲われて…、という始まり。

 読み終わって、最初「え、これで終わり?!」と戸惑ったけど、読み終わったあとぼんやり内容を反芻しながらごはんを食べていたら、
(あ、そういうことだったのか)
と、物語の核が見えた。
 アッペルフェルドの文章はオウムガイみたいだと思う。 
 シンプルで、精緻で、無機的なほど研ぎ澄まされてるのに有機的。
 語られている状況が暗くて孤絶していても、不思議と心が安らぐ静けさと透明さがいつもある。
 ごく自然なのにすごくユニーク。

2023/08/20

 今日の #読書  記録
 買った本:キム・エラン『外は夏』(韓国語版) 
 韓国の電子書籍アプリRIDIで電子版を購入。
 NHKラジオの語学講座『ステップアップハングル講座』で「立冬」を読み始めてみて、文章が好きになったので原文をもっと見たくなって。
 辞書を引きながらでもまだ全然意味が取れないことばかりだけど、いつか自力で読み通したい。
 RIDIのアプリの朗読機能が優秀で大助かり。
 モヤさまのナレーションみたいな片言だったらどうしようかと思ってたけど全然そんなことなかった。

 読み進め中:長澤信子『台所から北京が見える』(ちくま文庫)
 図書館に予約:長澤信子『満面春風 中国ことば旅』(鎌倉書房)
 古本屋さんに注文:アハロン・アッペルフェルド『不死身のバートフス』(みすず書房)

2023/08/15

“撮りたいモノしか撮らない。撮れない。写真することがとても楽しい。おおげさにいえばこれぞ生き甲斐。ハヤリの言葉では、写真こそ生きてる証し。
プロみたいな仕事、できなくてもいい。ヘタクソの写真でもいい。これぞ、アマチュア精神にあらずして、なんぞや、と思うのですが、いかがなものでありましょう。”

(植田正治『小さい伝記』p.34より抜粋)

 ニュースで鳥取の映像見てたら植田正治の写真が見たくなって、本棚から発掘して再読中。
 本人も言ってるとおり、「空間がトボケてる」写真。その中で心をいくらでも遊ばせてくれる写真。

2023/08/14

 先日「潜水鐘」という装置をたまたま知ったのだけど、もしかしてメイドインアビスの遺物「アンハードベル(時を止める鐘)」って、アビス用の潜水鐘なんだろうか…? 空想がはかどる。

2023/08/14

 香山哲さんの描く食べ物の絵がとにかく好きで、何度もそのコマだけ読み返してしまう。
ドグマ出版『心のクウェート』のサンドイッチの絵なんかも何度も見てしまう。不思議な異国紀行&滞在漫画。サブキャラのハニワウがかわいい。

 Web連載漫画『レタイトナイト』の今回更新分も食べ物の絵がたくさん出てきたから嬉しい、紙の本が待ち遠しい。
 何度も読み返す本は紙のほうが扱いやすいし、宝物な感じもして好き。

2023/08/12

図書館借り本。
パク・ミンギュ『カステラ』
チョ・ヘジン『光の護衛』
ペク・セヒ『死にたいけどトッポッキは食べたい2』
返却期限までに読みきれるかわからないけども。(後日追記:読みきれなかった。『光の護衛』は、テーマは好きなんだけど書き方が好みではなく、短編ふたつほど読んで返却。『カステラ』はぱらっと読んでみて、村上春樹っぽさが苦手で返却。)

2023/08/08

投稿テスト。画像は先日買った文庫本2冊。森崎和江『まっくら』、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』。どっちも重くて暗くて少しずつしか読めない...。(2023年10月追記:『こびとが打ち上げた…』は序盤を読んだきり今もまだ積ん読。11月の文学フリマ東京37で店番しながら読む予定。)