小説「遊のガサガサ冒険記」その7
その7、
五月晴れが続き、長旅を終えたツバメが飛び交い、大七山周辺の雑木の葉は若草色から濃緑色に変わり始めている。
そんな自然の移ろいを感じる余裕もなく、週明けの月曜朝、遊は通い慣れた道を歩きながら、週末3日間、集中豪雨のように身に降りかかった悲喜こもごも、不可思議な体験を振り返っている。
魔の金曜日だった。単身赴任中の父・イリエスと久しぶりに再会できて喜んだのも束の間、父が外国人だったことが知れて、それが原因で直也らに「ガイジン出ていけ」といじめられて落ち込んだ。で