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地域のゲストハウスが、コロナ禍で700万円の投資をして旅館業の申請へ踏み切った理由

愛知県の瀬戸市で2018年から、「ゲストハウスますきち」を運営している、みなみです。

1年目は黒字経営でしたが、2年目からコロナ禍の影響を大きく受け、お客さんが激減。おすすめの飲食店などにお客さんを案内しづらいことから、緊急事態宣言が出る度に、休業しています。

世の中が大きく変わっている今、ゲストハウスは何が求められているんだろう? 近頃、改めてそのことをすごく考えています。

生き残るために意識している、3つのこと

1)世の中の需要
2)自分のお店の魅力
3)これから目指す方向性

1)「需要」については、すごく当たり前だけど、世間のほしいニーズを考えています。主流のところじゃなくても、一定割合のひとが求めるものに合わせないといけないなと。

2)「魅力」は、続いている店は何かしらの魅力がある。そのなかで、自分の宿は世の中の需要に対して、どうこたえていけるのかを考えていく。

3)「方向性」は、このお店を通して、何を伝えていきたいのか。とくに個人事業主にとっては、お店は自分の分身みたいなところがある。なので、「コロナ禍だからやってみよう」でも「自分のお店で目指す方向性じゃなかった」だと、気持ちが続かない。

700万円以上の大金をはたいて、民泊から旅館業へ

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これらを総合して考えた結果、コロナ禍ですが、約700万円という大金を投資して、2021年9月から工事を開始して、「民泊」から「旅館業」の簡易宿所に転換することに決めました。

申請がめちゃ大変だけど、補助額が大きい「事業再構築補助金」を提出したり、保健所や市役所に法律面での確認をしたり、設計士さんや消防設備士さんに図面を書いてもらい、工事の準備を進めています。

※民泊と旅館業の違いについては、改めて詳しく書こうと思いますが、民泊のほうが圧倒的に申請が楽な代わりに、年間180日のみの営業という制限があります。

今後、ゲストハウスにはどんな「需要」があるだろう?

・個室を利用したい
・気分転換を兼ねて、リモートワーク利用
・リモートワークに付随して、中長期滞在
・無人対応
・県内割引
・シェアハウスに転換

などなど。
ゲストハウスというと、従来、ドミトリー(相部屋)の宿が多かった。ますきちでも、ドミトリーはありますが、今年は見事にドミトリーの利用は激減し、個室が選ばれました。

でも、実はその流れはコロナ以前からもはじまっていて、おそらくコロナが明けても、個室と相部屋なら、個室が選ばれるんじゃないか? そこで、今まで使っていなかった2階を全面改装して、個室を4部屋増やすことに決めました。

また、現状のますきちは古民家のため、畳に座布団やフローリングにソファなど、みんなで話すために設計され、仕事をするにはあまり向いていない環境でした

さらに、民泊は180日しか営業できない。結果的に、リモートワークの長期滞在できない。そこを改善する必要があると思いました。

世の中の需要が、宿の魅力と合致するか?

自分の施設なら、上記の需要に合わせて、何ができるか。まず、ますきちがある場所は愛知県瀬戸市。名古屋から電車で30分ちょっとの場所にあり、アクセスが便利です。

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日本でも有数のやきものの産地ですが、産地ゆえに観光地ではない。都市部でもなければ、美しい自然がたっぷりと残る田舎でもありません。

自分の宿の魅力はなんだろう? と考えると、

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1)イベント時や館内で運営するカフェで地域の人との交流
2)できる限り、瀬戸の情報や楽しみ方を伝えられる
3)敷地が880平米あり、庭も含めた広い共有スペースがある
4)交流もひとりの時間を楽しむことも、どちらも選ぶことができる
5)市内で陶芸、ガラス、木工など様々な体験を紹介できる

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この魅力は、これから長期滞在のお客さんを見込んだ場合でも、ただのビジネスホテルよりは楽しんでもらえるんじゃないか? と考えました。

宿がやりたい方向性と合致しているのか?

「ますきち」は「瀬戸をおもしろがる仲間を増やす」ことを目的に、運営しています。瀬戸のリピーターが増えたり、もっと進んで、瀬戸に住んでもらえたら、僕はとても嬉しい。

その方向性を考えた時、今回の計画は合致している。今の世の中に合うような、旅館業として、再スタートするのは、自分の気持ちとしては問題がない。

そこで、コロナ後のゲストハウスの形を見据え、動き出すことに決めました。次回は旅館業にして、具体的にどうなるのか、詳細にお伝えします!


いただいたお金は、瀬戸市の飲食店で美味しいご飯を食べるために、使わせていただきます😏